セウォル号引き揚げ　２３日から水中調査へ

昨年４月に韓国南西部の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の船体引き揚げに向け、韓国当局は２３日から水中調査に乗り出す。

海洋水産部によると、調達庁は７日、船体引き揚げを担当する企業に選定された中国国営企業主導の企業連合と契約を締結し、費用の８５１億ウォン（約９１億円）は３回にわたり、支払うことで合意した。

引き揚げを担当するのは中国交通運輸省所管の上海サルベージと韓国企業のオーシャンＣ＆Ｉが７対３で組んだ企業連合。上海サルベージは６月に中国・長江（揚子江）で沈没した旅客船の引き揚げにも関わるなど、これまでに約１９００件の船舶救助に携わった。

海洋水産部と上海サルベージは来週中に珍島郡や海洋警察、海軍などと対策会議を行い、今後の日程を説明する。これとは別途に住民たちにも説明会を行う。

上海サルベージは沈没海域にバージ船で海上作業基地を設置する。同社は引き揚げ作業の熟練度やコミュニケーションの問題などを踏まえ、中国から１００人余りの潜水士を参加させる。作業基地の設置など基本的な準備ができれば、２３日から水中調査に乗り出す。

引き揚げは船体に残る油除去や遺体などの流失防止作業をしてから、浮力材や圧縮空気を挿入。船首にワイヤーを連結してクレーンで浮かせた後、船体の下にリフティングビームを設置する。リフティングビームをクレーンに連結し水深２３メートルまで持ち上げ、フローティングドックに載せ港まで移動する方法で進められる。

政府は台風などの影響を踏まえ、来年７月ごろまでに引き揚げ作業を完了させる方針だ。