韓国新首相候補の黄教安氏…現職法務長官の指名は初めて

朴槿恵（パク・クネ）大統領の選択は黄教安（ファン・ギョアン）法務部長官（５８）だった。先月２７日に李完九（イ・ワング）前首相が「成完鍾（ソン・ワンジョン）リスト」波紋で退いてから２５日ぶりとなる２１日、朴大統領は新首相候補に黄長官を指名した。現法務部長官が首相に指名されたのは憲政史上初めて。青瓦台の関係者は、朴大統領の黄候補カード選択には２つのコードがある、と述べた。

金聲宇（キム・ソンウ）青瓦台広報首席秘書官は「政府発足後、法務部長官として職務を遂行し、大統領の国政哲学に対する理解が深く、社会全般の不正腐敗を根絶して政治改革を成し遂げる適任者」と述べた。その言葉通り政治・社会改革に対する朴大統領の意志が込められていると、参謀らは伝えた。「成完鍾リスト」波紋を正面突破するという意志を現職法務部長官の首相指名で示したということだ。黄候補も首相候補発表直後に明らかにした所感で、「『非正常の正常化』など国の基本を正すのに最善を尽くす」と述べた。

黄候補カードの選択には朴大統領の信頼もあった。黄候補は時間が経過するにつれて朴大統領の信任が厚くなったケースだ。青瓦台の関係者は「国会での慎重な返答で与党内で好評を受け、口が堅く、朴大統領が信頼している」と述べた。昨年１２月の憲法裁判所の統合進歩党解散決定を引き出したことも評価された。このため金淇春（キム・ギチュン）前大統領秘書室長の後任にも挙がっていた。

朴大統領の信任は逆に国会の承認過程で野党の攻撃要素にもなる。新政治民主連合は「司正政局を作ろうとしている」と批判した。金瑛録（キム・ヨンロク）首席報道官は「公安統治に進むことを露骨に宣言した」と主張した。しかし青瓦台としては逆説的に、首相人選過程での最優先考慮要素だった国会の人事聴聞会を勘案したカードが黄候補だった。青瓦台のある関係者は「黄候補はすでに国会の人事聴聞会を通過したことがあるというのが人選決定に大きく影響を及ぼした」と話した。一方、「実力者型・政務型」首相の実験は水の泡になったという指摘だ。黄候補はスタイル上、鄭ホン原（チョン・ホンウォン）前首相と似た「儀典型・管理型」という評価が多い。

青瓦台は後任の法務部長官は黄候補の推薦を受け、時間を置いて発表すると伝えた。