＜サッカー＞許丁茂号、北朝鮮戦０−０で引き分け

まるで鏡の中の相手と戦っているようなもどかしい試合だった。ゴールの決定力不足に南北の差はなかった。

スタイルが全く違う日本、中国、中東などとは違い、北朝鮮は韓国同様粘り強い体力を武器に強力なサッカーを繰り広げた。まるで１０年前の韓国代表チームを見ているかのようだった。韓国はイングランドのプレミアリーグで活躍している朴智星（パク・チソン）、薛?鉉（ソル・ギヒョン）、李栄杓（イ・ヨンピョ）などを出場させたが、試合内容で北朝鮮を圧倒できなかった。

２６日、上海の虹口スタジアムで行われた北朝鮮との２０１０年南アフリカワールドカップ（Ｗ杯）アジア３回戦を０対０で引き分けた。

許丁茂（ホ・ジョンム）監督は?宰榛（チョ・ジェジン）を軸に朴智星、薛?鉉を左右に置いて、攻撃型のＭＦ朴主永（パク・ジュヨン）を前面に押し出す強気の姿勢で前半戦をスタートさせた。後半２５分、金南一（キム・ナムイル）が負傷によって退場すると、攻撃に強い金杜?（キム・ドゥヒョン）を投入し、いち早く勝負に出た。

しかし後半戦の大反撃を狙い、体力を温存していた北朝鮮のゴールの壁は厚かった。鄭大世（チョン・テセ）を中心に逆襲に応じた北朝鮮は韓国より３シュートも多い６シュート叩き込んだが得点にはつながらなかった。

許丁茂監督は後半戦で?宰榛を退場させ、代わりに廉基勲（ヨム・ギフン）を出して戦術の変化を試みた。廉基勲が左サイドから攻撃を助け、朴主永がワントップで北朝鮮サイドにぐいぐいと入り込んでいった。朴智星は中央のＭＦでとして活動範囲を拡大し縦横無尽に駆け回った。

しかし攻撃の糸口をつかんだのは北朝鮮だった。後半９分、１３分。ムン・イングクとチャ・ジョンヒョクが続けて完璧なシュートのチャンスを掴んだが「幸い」ゴール前での決定力が不足した。後半２２分には鄭大世が決定的なチャンスをとらえて右足シュートを放ったが鄭成龍（チョン・ソンリョン）のファインプレーに阻まれた。

１ゴールを許したとしてもおかしくはない手ごわい流れを切りぬけるとチャンスが生まれた。しかしゴール前で動きは韓国もやはり鈍かった。

後半２５分、朴智星のクロスを朴主永がヘディングでつなげたが力と正確さに欠けた。３分後、李栄杓は会心の左足シュートを試みたがそれてしまった。

朴智星はフルタイム出場を果たし、イングランドのプレミアリーガーらしい果敢な突破力と感覚的なパスで試合に活力を吹き込んだが、北朝鮮の息の根を止める決定的な一打が足りなかった。後半３１分、朴主永は廉基勲のクロスをヘディングで打ち込んだが再びゴールポストから外れた。

２月に開かれたＷ杯の３次予選の初試合でトルクメニスタンとヨルダンを相手に勝利をおさめた南北は引き分けで勝ち点１点を追加した１勝１引き分けで３組の１位と２位を記録した。５月３１日、韓国はヨルダン、北朝鮮はトルクメニスタンを相手に３戦目を行う。

◇ＩＳサッカーチームが評価した韓国代表の評点

ＧＫチョン・ソンリョン６　鄭大世との正面対決でのファインプレーがよかった。

ＤＦイ・ヨンピョ６　賢いプレーだったがクロスは不正確だった

ＤＦカン・ミンス６　重慶での試合のときより強くなった

ＤＦイ・ジョンス５　鄭大世をうまく防いだ。

ＤＦオ・ボムソク６　ホン・ヨンジョを果敢に防ぎ、相変わらずの猪突猛進ぶりをみせた。

ＭＦキム・ナムイル５　負傷が重くないことを願う。

ＭＦチョ・ウォンヒ６　活発だった。細かいパスを期待する。

ＭＦパク・ジュヨン６　残念！３回目ヘディングシュート

ＦＷパク・チソン７　一人では力不足だった

ＦＷソル・ギヒョン５　試合感覚が十分だったらどうだっただろうか

ＦＷチョ・ジェジン５　何故果敢に挑戦できなかったのか

ＭＦキム・ドゥヒョン６　後半に入ってからが活発だった

ＦＷヨム・キフン７　ゴールがないだけで立派だった

ＭＦハン・テユ５　　これといったことのなかったＡマッチデビュー