韓国作家が描いたぬりえ本…史上最高値で米国輸出

韓国の作家が図案を描いたカラーリングブック『時間の庭園』（ブックライフ）シリーズが、先払い印税約２０万ドル（約２億２０００万ウォン）で北米地域に輸出された。２０万ドルは北米地域に版権が売れた韓国の出版物の先払い印税の中では史上最高水準だ。ブックライフの親会社ビジネスブックスは１３日、「昨年１２月に出版されたカラーリングブック『時間の庭園』と今年６月に出版予定の『時間の部屋』の２冊について、米国の出版会社ランダムハウスと北米地域（米国・カナダ）版権契約を締結した。先払い印税は２冊合わせて２０万ドルライン」と明らかにした。小説家シン・ギョンスク氏の『ママをお願い』が２００９年に先払い印税７万５０００ドルで売れるなど韓国の文学作品の北米地域進出は着実に続いてきたが、小説分野でなく芸術分野の本が高い先払い印税で販売されたのは珍しい。

『時間の庭園』は昨年、韓国を席巻したカラーリングブック（ぬりえ本）の人気に力づけられ国内でも現在までに４万部以上を販売した。繊維アーティストのソン・ジヘ氏（３０）の作品で“少女の時間旅行”をテーマにした感性豊かなイラストが入っている。国内書店では英国イラストレーターのジョハンナ・バスフォード『秘密の庭園』に続きこの分野で２位を着実に守っている。出版を控えている『時間の部屋』もやはり同じ作家のものだ。ソン作家は「もともとは繊維アートのために数年間描いていた図案だったが、カラーリングブックとコンセプトがうまく合致した。長時間作業した分だけ完成度が高いのが人気の秘密であるようだ」と話した。

今回の契約は、今年初め米国に上陸したカラーリングブック熱風に力づけられたことが大きい。今年３月、バスフォードの『秘密の庭園』が北米地域に出版されて大きな話題を集めアマゾン総合ベストセラー１位にも上がった。『時間の庭園』の北米地域版権を管理しているダニー・ホン・エージェンシーのホン・テギュ室長は「カラーリングブックに対する米国人の関心がますます高まっている状況だ。『時間の庭園』の細やかで叙情的な絵が米国読者からも良い反応を得られるものとみられる」と話した。『時間の庭園』は、北米地域はもちろん台湾・中国・日本・フランス・イタリア・ブラジルなど現在まで７カ国に版権が売れた。ポルトガルなどとも版権契約を協議中だ。出版社側はアジア地域だけでなく欧州や南米地域でも多くの関心を見せていると話した。

韓国出版研究所の統計によれば韓国の出版物の版権輸出実績は２０１３年基準で中国が４６．１％、タイが１７．９％、マレーシア９．６％の順で、主にアジア地域に集中しており北米地域はわずかだ。分野別では児童書６２％、漫画１４％、文学１３％の順だった。韓国出版研究所のペク・ウォングン責任研究員は「新しいジャンルであるカラーリングブックが高価格で北米国市場に輸出されたというのは版権輸出の新たな優良アイテムが登場する可能性をみせている」としながら「出版界にとっても良い刺激になるものとみられる」と話した。