＜サッカー＞マンＵも注目する“スーパーアジアン”奇誠庸

実力は早くから認められた。欧州サッカー界の関心も大きい。あとは翼を広げてより大きな舞台に飛翔するだけだ。

奇誠庸（キ・ソンヨン、２６、スウォンジーシティ）がイングランドプロサッカープレミアリーグ（ＥＰＬ）でアジア人のシーズン最多得点記録保持者になった。奇誠庸は４日、英ウェールズのリバティスタジアムで行われたハルシティとのプレミアリーグ第３１節で、前半１８分に先制ゴールを決め、スウォンジーシティの３－１の勝利に貢献した。ジョンジョ・シェルヴェイ（２３）のミドルシュートをＧＫアラン・マクレガー（３３）が弾いてこぼれたところ、奇誠庸が素早く走り込んで左足で押し込んだ。シーズン７号。香川真司（２６、日本）がマンチェスター・ユナイテッド時代だった２０１２－２０１３シーズンにマークした従来のアジア人最多得点記録（６得点）を超えた。

奇誠庸は試合後、「シェルヴェイがシュートする時、ゴールチャンスが来たというのを本能的に感じた」とし「ボールに対する集中力を維持したのが得点につながった」と話した。スウォンジーシティはバフェティンビ・ゴミス（３０、フランス）がその後、２ゴールを決めた。１３勝目（１１敗７分け）を挙げたスウォンジーシティは勝ち点４６点で８位を維持した。

奇誠庸は今季、ゴール感覚が高まり、得点関連の各種記録を塗り替えている。昨年８月のマンＵとのシーズン開幕戦で得点し、韓国人で初めてＥＰＬ開幕ゴールの主人公になった。先月５日のトットナム戦ではシーズン６得点目をマークし、韓国人のシーズン最多得点記録も更新した。次の課題はアジア人初のリーグ２けた得点だ。

長身（１８９センチ）であるうえパス・守備能力が高い奇誠庸が得点力まで兼ね備え、期待値も急速に上がっている。英サッカー統計専門サイト「スクォカ（Ｓｑｕａｗｋａ）」は２月、「歴代最高のアジア選手」ランキングを紹介し、奇誠庸を朴智星（パク・チソン）に次ぐ２位にランキングした。同サイトは「奇誠庸の今季のパス成功率が８９％にのぼる。中盤で鋭いパスを出し、得点力も誇示している」と説明した。

夏の移籍市場期間に奇誠庸がビッグクラブに移籍する可能性も高まった。欧州サッカーに詳しいある人物は「マンＵが昨季から奇誠庸を獲得対象に含めて注目している。今季終了後に移籍交渉に入る可能性がある」と伝えた。マンＵは中盤の補強が必要だ。２０１３年に３６００万ユーロを投入して獲得したマルアン・フェライニ（２８、ベルギー）が期待以下であるうえ、ベテランのマイケル・キャリック（３４）の競技力も以前ほどではない。奇誠庸は今季、ＥＰＬ選手ランキング３０位（第３１節基準）と実力を立証したうえ、優れた容貌と流ちょうな英語の実力まで兼ね備えている。朴智星の後に続くアジアマーケティングの看板スターとして遜色はない。奇誠庸は今季、マンＵとの２試合でともにゴールを決め、マンＵのルイス・ファン・ハール監督（６４）に「強いチームとの試合でも自分の役割を果たす選手」というイメージを与えたこともプラスだ。

変数は金額だ。奇誠庸に注目するチームが増え、当初８００万ユーロ（９５億ウォン）水準だった市場価値が動いている。２００億ウォン（約２２億円）以上に上がるという見方もある。３日、トットナムの情報に詳しいファンフォーラムは「トットナムが奇誠庸とメンフィス・デパイ（２１、アイントホーフェン）を狙っている」と伝え、「奇誠庸獲得戦争」の序幕を知らせた。