＜韓国高すぎるもの＞７．ウィーンフィル公演料金

国外大型オーケストラの来韓公演が続いた昨年。

最も高かった公演は９月２１日、ソウル芸術の殿堂で行われたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団（ウィーンフィル）の来韓公演だった。Ｒ席の価格が４０万ウォン（約５万円）で、２人で見れば８０万ウォンにもなる。しかし、２日後、香港で行われた同じウィーンフィル公演の入場料は韓国の約半分だった。最も良い席が１８００香港ドル（約２万９０００円）だった。

今年行われた公演も高いのは同じだった。先月１２、１６日、韓国で最高の１６万ウォン（２万円）というバイオリニストサラ・チャンが協演したオルフェウス室内管弦楽団のビバルディ『四季』公演は、米国ニュージャージーでは７５ドル（約９３００円）、シカゴでは９０ドル（約１万１０００ウォン）で鑑賞できた。

韓国の公演値段が高いのに対して専門家たちは皆「貴族マーケティング」を指摘する。２００４年、チケット代のバブルを消すことを公約として芸術の殿堂社長に就任したキム・ヨンベ（５３）秋渓（チュゲ）芸大教授は「公演の資質を正確に判断することができない消費者たちは、価格が高いほど良い公演だと思うところがある」と言った。実際に４０万ウォンのウィーンフィルのチケットは、公演１週間前に売り切れた。２００５年、クラシック公演チケットの最高価格（４５万ウォン＝６万円）を記録したベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の来韓公演は高いチケットから売り切れていった。

韓国の公演市場が小さいこともチケット価格が高くなる要因だ。ある公演関係者は「チケット販売にも「２０対８０現象」が通じる」と説明した。全入場券のうち２０％しか売れなくても利益を残すように公演企画者たちは価格を高く付けているというのだ。クラシック公演をいつも楽しむ層が薄く、関連市場が小さいために少数の消費者が高い価格を払わされるのが実情だ。

企業の協賛方式も理由として指摘される。文化芸術発展のためには企業の協賛が必須ではあるが、企業がチケットを買い取るというやり方で協賛することから価格にバブルが立つというのだ。たとえば１億ウォン協賛企業は５０００万ウォンをチケットで買い取る方式だ。企業は顧客たちにマーケティング用としてばらまくチケット代が高いほど得意になり、公演企画会社もこうしたやり方で価格を上げるという慣行が繰り返されている。ある企画社関係者は「１０万ウォンのチケット５００枚を企業にさばけばいいものを１５万ウォンのチケットを作って３３０枚を与えたこともある」と打ち明けた。　



特別取材チーム＝イ・セジョン記者

イ・ヒョンサン記者　キム・チャンギュ記者

パク・ヘミン記者　ムン・ビョンジュ記者

キム・ホジョン記者