＜取材日記＞白旗揚げた「学習塾深夜授業案」…２

ソウル市議会は、ソウル市内の小中高校に支援する予算など教育関連で、多くの条例制定権を持っている。

今年、ソウル市教育庁の予算は６兆１５７４億ウォン（約６１００億円）。うち３６．６％にあたる２兆２５００億ウォンはソウル市が負担する。▽塾・予備校の営業▽小中高校の机の入れかえ▽施設の現代化−−などといったものも、すべて市議会の承認を得てこそ可能だ。予算をきちんと執行したのかも徹底的に監視しなければならない。

重要なことが一つや二つではないのだ。ところが、ソウル市議会は、李明博（イ・ミョンバク）政府が「教育の自主化」政策を発表した後、「塾・予備校の深夜授業案」から進めた。教育の競争力を強化し、私教育費（学校教育以外に塾などで個人が負担する教育費）を減らすための対策作りを、市教育庁に急いで注文しなければならない状況で、学習塾の面倒から見たのだ。

もちろん、学習塾への営業制限が有名無実で、深夜授業の所得申告漏れが続いているのも現実だ。それなら「なぜ取り締まりが行なわれていないのか、対策は何か」から考えてみるべきだった。ソウル市議会は、「学習塾深夜授業」の騒ぎを契機に、本然の機能が何かについてきちんと考えてみるように。一方的な「卓上議決」の被害は、そのままソウル市民に戻ってくる。