中国人観光客で賑わう水産物市場…韓国人の暮らし体験コースが人気

「又新鮮又便宜！」

今月２０日午後、ソウル鷺梁津（ノリャンジン）水産市場。中国人チュエン・メイインさんが夫と一緒に通り過ぎると店先に立っていた人々がそれぞれ中国語で「新鮮で安い」といいながら客引きをし始めた。チュエンさんは「本来、中国人は刺し身をあまり好んで食べなかったが、このごろ刺し身をよく食べるようになった」とし「特に上海の１０分の１の価格水準のタラバガニは、必ず食べなければならない水産物に挙げられている」と話した。

中国人観光客が鷺梁津水産市場の風景を変えている。相対的に閑散としていた平日午前や昼食時、夕食時を中国人・香港人が埋め始めるようになったのは２年前からだ。すでに韓国観光の必須コースになっている。母親と商店を営むキム・ジョンジェさん（２９）は「景気が悪くなった状況で中国人観光客が市場に集まったので中国語ブームが起きた」とし「中国語の名刺製作は基本で塾通いをする人も多い」と説明した。中国語の勉強がなかなかうまく行かない店は、結局中国語と基本的な広東語もできる中国同胞の店員を採用した。

中国人が鷺梁津水産市場を訪れるのはショッピング中心の観光を脱して韓国人の暮らしを体験してみたいと思っているためだ。ニーウォン・ジュエさん（２９）は「市場で刺し身の材料を買うと食堂で料理してくれるというやり方が面白い」とし「ドラマ『星から来たあなた』で、主人公のト・ミンジュンが水産市場でユムシを買う場面を見て、韓国人の暮らしに密接な場所なのだと思った」と話した。「活魚、海老、貝、カニ、活魚、ユムシ等でいっぱいの水族館はかなりの見どころ」という香港人の李敏児さんは「サンナクチを手でつかんでいる写真を撮ることが、韓国に来た証」と説明した。

中国人観光客の足も明洞（ミョンドン）から鷺梁津、経理団（キョンリダン）ギル、京東（キョンドン）市場など、韓国のライフスタイルを感じることのできる場所へと広がっている。食べて、飲んで、遊ぶ観光需要が増加しているということだ。コンビニエンスストアのＣＵが８２００店舗を対象に昨年と今年の中国国慶節連休期間（１０月１～７日）のうち、中国の銀聯カードの使用状況を比較・分析した。その結果、明洞のある中区（チュング）の売り上げは去年１８．１％から１２．５％と大幅に減少した。半面、梨泰院（イテウォン）と経理団ギルがある龍山区（ヨンサング）の比率は６１．６％で、中国人の間で口コミとなっている京東市場のある東大門区（トンデムング）は３．５％に増えた。

だが、観光インフラ不足はいまだに深刻だ。香港人の蔡東恒さんは「ソウル観光案内のページには、伝統宮廷や南大門（ナムデムン）、東大門市場などだけが強調されている」とし「京東市場のように平凡な韓国の人々を見ることのできる場所やカフェ・クラブなどに対する情報は不足している」と話した。国際観光研究センター長のイ・カンウク氏は「ライフスタイル観光は特にお金にならないため、旅行会社は積極的でない」とし「ますます目が高くなる中国人観光客を満足させるにはコンテンツから開発しなければならない」と提示した。