韓国の海外観光支出総額　今年初めて日本を上回る見通し

【ソウル聯合ニュース】今年の韓国人の海外旅行支出額は、日本人の同支出額を初めて超えることが確実視されている。

韓国銀行（中央銀行）と韓国文化観光研究院は２９日までに、１～７月の韓国人の海外観光支出を１１３億５６００万ドル（約１兆２４３０億円）と集計した。同期間に海外に出掛けた韓国人観光客は９０６万６６７人で、前年同期比４．８％増加した。

７月の観光支出も１８億２４００万ドルと、単月で過去最大を記録した。このペースなら今年の観光支出は過去最大だった昨年の２１７億ドルを上回り、記録を更新すると見込まれる。昨年は日本の２１８億ドルに１億ドル差まで迫ったが、今年は日本を抜く可能性が高い。　

日本の海外観光支出は２００４年に３８２億ドルで、１２４億ドルの韓国と２５８億ドルの開きがあった。その後、日本は２０１２年まで年平均２７０億ドル程度で推移。しかし、アベノミクス（安倍晋三政権の経済政策）の推進に伴い円安に転じると、昨年は前年比２１．９％減少した。円安の進行により、減少傾向が続いている。

韓国文化観光研究院の関係者は「旅行費用に敏感な日本人が、円安が始まった２０１２年９月以降、海外観光支出を減らしている。海外旅行より国内旅行のほうが多いようだ」と分析した。

一方、韓国人の海外観光支出はリーマン・ショック直後の２００９年に１５０億ドルに落ち込んだ後、２０１０年が１８８億ドル、２０１１年が１９９億ドル、２０１２年が２０６億ドル、２０１３年が２１７億ドルと４年連続で増加した。ウォン高と格安航空会社（ＬＣＣ）の躍進で、旅行費用の負担が軽減しているため。

日本の人口は韓国の約２．６倍、国内総生産（ＧＤＰ）は約４倍。韓国の海外支出額が日本を超えるとすれば、異例のことといえる。