企業の存立、社会貢献の評判にかかる

韓国をはじめとするアジア７カ国の若者が集まり、企業の社会的責任（Ｃｏｒｐｏｒａｔｅ　Ｓｏｃｉａｌ　Ｒｅｓｐｏｎｓｉｂｉｌｉｔｙ＝ＣＳＲ）履行方向を提示する行事が開かれた。

国連傘下機構の国連グローバルコンパクト（ＵＮＧＣ）韓国協会が３－４日、慶煕（キョンヒ）大で開いた「企業の社会的責任に関する大学生カンファレンス（Ｙ－ＣＳＲ　Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ）」には、約１０００人の大学生・大学院生が集まり、ＣＳＲのアイデアを提案し、討論した。

２日、ソウル市内のホテルで、李承漢（イ・スンハン）ＵＮＧＣ韓国協会会長（ホームプラス会長）と演説者のオリバー・ウィリアムス・ノートルダム大教授に会い、ＣＳＲの重要性を探った。

－－若者がＣＳＲに対する認識を共有することがなぜ重要なのか。

李会長＝若い世代が未来だからだ。特に今回のカンファレンス参加者は、アイデア着眼から社会貢献提案書を完成するまですべての過程を自ら決め、望み通りに準備した。協会は資源を支援し、動機付与をしただけだ。成人の世代が作る環境ではなく、若者が自らＣＳＲの新しいモデルを見つけ出すことが、今回のカンファレンスの核心だ。

ウィリアムス教授＝企業はこの時代の権力機関だ。したがっていくつかの社会問題の解答も企業が出せる。ＵＮＧＣも企業をこの解決過程に引き込もうという趣旨で作られた。今日、企業の目標は利潤の創出だけではない。未来の主人公である若者が社会的責任を果たす良い企業の事例を探せるようにしなければならない。今回のカンファレンスは、若者に企業が世の中を変えることができるという点を見せる機会だ。

－－グローバル金融危機など今日の企業環境自体がＣＳＲの履行に大きな挑戦ではないのか。

李会長＝金融危機より深刻な挑戦は、それによって発生する貧富の差や貧困だ。これによって企業生態系が変わった。利潤創出だけでなく評判が企業の存立を左右する時代だ。実際、社会貢献の程度が企業の評価に反映されるのが公平ではないだろうか。企業が供給者として力を独占していた不公平な構図から、今では消費者と顧客が力を分け合うことになった。

ウィリアムス教授＝毎年、世界経済フォーラムの企業信頼度評価が徐々に下がっている。「どうすれば信頼を得られるか」が根本的な質問にならなければいけない状況だ。子どもが母を信頼する理由は、私の健康と利益を保障する存在であるからだ。企業も雇用創出などを通じて、自らの利益だけでなく社会全体に利益をもたらしてこそ信頼を受けることができる。

－－企業が参加する持続可能な均衡開発は。

李会長＝環境と社会問題の解決に経済的な部分は常に結びついて作用するしかない。このような意味でＣＳＲのＣを「意識ある（Ｃｏｎｓｃｉｏｕｓ）」に代えることができると思う。企業の従来の社会貢献は巨額の寄付ばかり認識されていた。しかしこれを越え、誠意・透明性・拡張性・連係性などの意識を備えてこそ社会的責任を果たせると考える。