南北の攻防本格化か　北朝鮮が無人機との関係を正式否定

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会は１４日に発表した「真相公開状」で、韓国で発見された無人機が北朝鮮とは関係ないとする立場を正式に明らかにした。

　無人機は先月２４日から今月６日にかけて、東部の江原道三陟市、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線（ＮＬＬ）に近い白ニョン島、ソウル郊外の軍事境界線に近い京畿道坡州市で計３機が見つかった。

　北朝鮮はこれまで発見された無人機について「謀略騒動」や「正体不明の無人機」という表現を使いながら、事件を全面的に否定しないあいまいな態度を示してきた。

　韓国政府は、北朝鮮が韓国側の調査の行方を注視しながら今回の事件が北朝鮮によるものであることを立証する決定的証拠が発表されなかったため、北朝鮮とは関係がないことを正式に発表したようだとの見解を示した。

　政府当局者は１４日、北朝鮮の反応は予想の範囲内だとした上で、「韓国側の中間調査結果が出たのをきっかけに態度を変えたようだ」と話した。

　北朝鮮は公的機関を通じ今回の事件を否定したため今後、いかなる追加調査結果が発表されても今回の事件を自分たちによるものだと認めることはないと予想される。

　そのため、２０１０年の韓国海軍哨戒艦沈没事件のように、今後南北が真相をめぐり攻防を繰り広げる可能性が高い。

　専門家は無人機の飛来は明白な停戦協定および国際法違反であるという点から、北朝鮮が今回の事件を起こしたことが事実だとしてもその責任を認めることはないと分析した。

　韓国・東国大朝鮮学科の高有煥（コ・ユファン）教授は「北は日朝平壌宣言で拉致を認めたものの、思うように目的を達成できなかった痛い経験がある」と指摘。後日、北朝鮮の仕業であることが確認されても「韓国側の自作自演だ」と主張するしかないだろうと説明した。

　韓国軍当局は１４日、北朝鮮が今回の無人機事件を否定したことについて反発し、挑発行為の中断を求めた。

　一方、北朝鮮が今回の事件について責任を認めないことによって、韓国社会内部で事件をめぐる対立が深まる恐れがある。

　韓国軍による無人機中間捜査結果発表について、最大野党・新政治民主連合の鄭清来（チョン・チョンレ）国会議員が１１日に無人機が北朝鮮から飛来した可能性を否定する発言を行ったことをめぐり、政界では既に論戦が繰り広げられている。