韓国政府が北の「重大提案」を拒否　韓米軍事演習中止など

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は１７日、北朝鮮の国防委員会が前日、韓国に互いの軍事的敵対行為の中止を提案し、２月末からの韓米合同軍事演習の中止を求めたことについて、事実上、拒否する姿勢を示した。

　韓国統一部の金義道（キム・ウィド）報道官は同日の定例記者会見で、「北朝鮮が事実をねじ曲げ、身勝手な主張を続け世論を惑わせようとしていることは極めて遺憾だ」と述べた上で、韓国政府の立場を明らかにした。

　金報道官は、「北朝鮮は２週間前の『新年の辞』で誹謗（ひぼう）中傷中断を主張したが、その後も韓国に対する誹謗を続けてきた」と非難した。

　また、「韓国の軍事訓練は主権国家が行う定例の防衛訓練であり、北朝鮮はもちろん周辺国に公式に通報している」として、北朝鮮の韓米合同軍事演習中止要求を拒否した。

　北朝鮮が、核の被害を防ぐための現実的な措置も互いに取っていくことを提案するとしたことについては、核問題の本質は北朝鮮の核開発にあると指摘。その上で、「朝鮮半島の平和を望むなら直ちに非核化のための実践的な行動をとるべきだ」とした。

　さらに、提案を受け入れれば離散家族の再会も可能だとしている北朝鮮に対し「純粋な人道問題を政治的な事案に結びつけている」と非難し、直ちに再会事業を実現するよう促した。

　北朝鮮の国防委員会は１６日、朝鮮中央通信を通じて「南朝鮮（韓国）当局に送る重大提案」を発表した。同委員会は、南北関係改善が北朝鮮の立場とし、「われわれは旧正月（今年は１月３１日）を機に、互いを刺激して誹謗中傷するすべての行為を全面中止する措置を取ることを南朝鮮当局に正式に提案する」と伝えた。