政府の軽減政策にも家計の通信費負担増加＝韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が家計の通信費負担の軽減に取り組むなか、１世帯当たりの通信費は増え続けていることが１２日までに分かった。

　統計庁が公表した家計動向によると、物価上昇率を踏まえた全国の２人以上世帯が支出する実質価格基準の月平均通信費は、２００８年１～３月期の１３万４０８６ウォン（現在のレートで約１万１４０３円）に比べ、今年１～３月期は１５万７５７９ウォンと５年間で１７．５％増えた。

　通信費のなかで、通信装備費が２９３７ウォンから８７８３ウォンと１９９．０％増、通信サービス費は１３万１１３９ウォンから１４万８８６４ウォンと１３．５％増えた。

　２００８年１～３月期以降、前年同期比基準で通信費は増加傾向をみせている。

　２００８年に発足した李明博（イ・ミョンバク）政権は「通信費２０％軽減」を公約に掲げ、移動通信社基本料の１０００ウォン引き下げや安価な携帯電話の導入を進めたが、事実上効果は薄かった。

　現在の朴槿恵（パク・クンヘ）政権も政権発足前の政権引き継ぎ委員会のときから移動通信加入費廃止、サービス競争活性化を通じた料金引き下げ誘導など、家計の通信費負担軽減案を提示していた。

　通信費は２００８年の四半期別で１％前後の増加傾向をみせたが、２００９年１～３月期（マイナス３．５％）、４～６月期（マイナス１．０％）、７～９月期（マイナス０．５％）とわずかに減少した。

　ただ、２００９年１０～１２月期以降、１４期連続で増加が続いている。５％前後だった増加率は昨年に入り１～３月期に１１．０％、４～６月期に１３．２％、７～９月期に１０．８％と１０％台に突入した。

　家計の消費支出に通信費が占める割合も昨年４～６月期に７．２％と過去最高となった。ただ、７～９月期と１０～１２月期に７．０％、今年１～３月期には６．７％に低下した。

　通信費の増加傾向には機器や料金が高いスマートフォン（多機能携帯電話）の普及が最も大きく影響している。

　統計庁関係者は「２００９年から２０１０年にスマートフォンが本格的に導入され、音声通信のみならずデータ通信などの使用量が増えたほか、加入者も増加したため通信費が増加傾向にある」と説明した。