体育館でのＫ－ＰＯＰ公演にピリオド、専用アリーナ建設へ

コンサートを開くたびに１万人を超える内外からのファンを動員する東方神起の定番公演会場はソウルのオリンピック公園体操競技場だ。音響や照明設備はコンサートに適していないが一度に１万５０００人を収容できる空間として適当なところがないためだ。韓国人歌手やバンドのコンサートだけでなく、海外のポップスターが来韓公演をする時も公演企画会社が悩んだ末に下す結論はいつも体操競技場や蚕室（チャムシル）室内体育館だった。１万席以上の専用公演会場が６カ所もある日本など海外の事例は夢のような話にすぎなかった。

２０１７年にはこうした悩みが解消される見通しだ。文化体育観光部が京畿道高陽市（キョンギド・コヤンシ）の「韓流ワールド」にＫ－ＰＯＰ専用公演会場の「Ｋ－ＰＯＰアリーナ」を建設することを最終決定したためだ。文化体育観光部が昨年２月に公募したＫ－ＰＯＰアリーナ建設候補地にはソウル市から江西区麻谷（カンソグ・マゴク）、道峰区倉洞（トボング・チャンドン）、松坡区蚕室（ソンパグ・チャムシル）競技場の３カ所と、京畿道から富川（プチョン）映像団地と高陽韓流ワールドの２カ所が候補地として参加し競合を繰り広げた。

このうち高陽韓流ワールドはアクセス性とインフラ面で最適という評価を受けた。高陽市一山（イルサン）東区大化洞（テファドン）とチャンハン洞一帯の９９万平方メートル余りの敷地に作られる韓流ワールドは韓流をテーマにした韓国唯一の韓流複合団地だ。近隣の韓国国際展示場（ＫＩＮＴＥＸ）と韓国観光公社の韓流観光ＭＩＣＥ複合団地と合わせ２４９万平方メートルを超える大規模文化観光団地を構成することになる。１カ所で韓流と関連したすべてのコンテンツを消化できるという点が韓流ワールドの最大の長所だ。２０１６年に完工するＥＢＳデジタル統合社屋、一山のＭＢＣ・ＳＢＳ制作センターとともに放送・文化クラスターが完成される。また、仁川（インチョン）空港から４０分と近い。

高陽市はＫ－ＰＯＰアリーナ誘致を契機に韓流の中心地としての地位を固める戦略だ。韓流ワールドは公演会場だけでなくテーマパークと放送メディア施設、ホテルなど複合文化観光団地として造成される。公演会場には１万５０００席以上の大公演会場と小公演会場、音楽博物館、名誉の殿堂などが入る。京畿道の金文洙（キム・ムンス）知事は、「Ｋ－ＰＯＰアリーナが建設されれば国内で韓流歌手の水準の高い公演を誘致できる。体育館での公演に終止符を打ち、Ｋ－ＰＯＰ宗主国としての自尊心を守りたい」と話した。

京畿道はＫ－ＰＯＰアリーナを誘致しようと破格の条件を提示した。収益型民間投資事業（ＢＴＯ）方式で進めれば公演会場の敷地を２０年間無償貸与するという条件だ。外国人投資が並行されれば無償貸与期間は最高５０年まで増える。京畿道のファン・ソンユン韓流ワールド事業団長は、「韓流ワールドは道路、上下水道など都市基盤施設工事がすべて終わり、Ｋ－ＰＯＰ公演会場建設をすぐに始められる」と話した。Ｋ－ＰＯＰ公演会場は今年末に民間事業者公募で始め、２０１７年ごろにオープンする見通しだ。