＜土地不正購入疑惑＞特検チーム、李大統領夫人の調査を調整中

李明博（イ・ミョンバク）大統領のソウル内谷洞（ネゴクドン）私邸敷地購入疑惑事件特検チームは、李大統領夫人の金潤玉（キム・ユンオク）氏に対する調査について青瓦台（チョンワデ、大統領府）と調整中だ。

特検チームは現職大統領夫妻が私邸購入に関与したかどうかを明らかにするには、金夫人に対する調査が必要だとみている。また特検チームは、李大統領の長男・李始炯（イ・シヒョン）氏（３４）が叔父の李相殷（イ・サンウン）ダース会長に渡したという借用証の作成時期を確認するため、青瓦台に対して文書コンピューター原本ファイルを提出するよう要請している。

特検チームが捜査を始めて２０日が過ぎ、捜査期限はあと１０日しか残っていない。特検チームは捜査の初期、実名制法違反容疑に関する手掛かりを多数確保した。李始炯氏はすでに検察の捜査で、「父が言う通りにお金を用意し、契約を進めた」と書面で伝えていた。さらに特検チームはキム・セウク元青瓦台総務企画官室行政官（５８、別件拘束起訴）に対する調査で、資金調達の過程で李大統領夫人の金潤玉氏と金伯駿（キム・ベクジュン）元青瓦台総務企画官が介入した状況を確認した。

すると、李始炯氏は特検の調査で「私が実際の土地の購入者」という趣旨へと言葉を変えた。「検察の書面陳述書に一部誤りがあった」として容疑を否認したのだ。しかし特検チームは、李始炯氏が出すべき不動産仲介手数料１１００万ウォン（約８５万円）を青瓦台警護処が支払い、後に返してもらった事実、この敷地の建物を撤去する契約と費用の精算が大統領名義で行われていたという事実を明らかにするなど、速度を上げている。

また３日に調査を受けた金伯駿元総務企画官は、不動産仲介手数料代納の部分について言葉を変えた。金元企画官は特検に出頭し、仲介手数料について尋ねられると、「ただ（代わりに）出した」と代納を事実上認めていた。しかし調査を終えて出てきた金元企画官は、「調査の前に手数料を出したと話していたが、代納したということではないのか」と尋ねられると、「違う。理由は後ほど…」と言葉を覆した。

特検チームは、李始炯氏の敷地購入資金の出所を探す過程で意外な証拠をつかんだ。李相殷会長が李始炯氏に貸した現金６億ウォンについて、「ファンドで生じた収益金を０５年から毎月１０００万ー２０００万ウォンずつ引き出して押し入れに置いてきた」と釈明したのだ。李会長は自ら運営する企業ダースとは全く関係がないお金という点を証明するため、ファンド収益金の引き出し内訳を特検チームに提出した。

特検チームはファンドにあった資金が道谷洞（ドゴクドン）土地売却代金の一部である可能性があるとみている。道谷洞の土地は０７年の大統領選前後、実際の所有主は李大統領でないかという噂があった土地だ。このため特検が出所をさらに調べる場合、波紋が意外な方向に広がる可能性がある。

特検法上１カ月間が過ぎれば、大統領の裁可を受け、１５日間延長できる。しかし李大統領が期限延長に同意するかどうかは不透明だ。特検チーム関係者は「残りの時間は多くない。延長なく捜査を終える覚悟で進行中」と述べた。