現代車ストで７月の対米輸出２５％減…トヨタは前年比２４％販売アップ

「米国内のディーラーは急いで注文しているのに供給されていない。韓国で生産されるグレンジャー、ツーソン、ジェネシスが問題だ」。匿名を求めた現代（ヒョンデ）自動車米国販売法人の関係者の言葉だ。現代車蔚山（ウルサン）工場、起亜（キア）車華城工場などで部分ストが２カ月近く続き、米国への船積みが予定通り行われていないということだ。

先月始まった現代車生産職労組の部分ストによる影響が米国市場に及んでいる。スト前の６月に現代車は米国に３万６２０９台を輸出したが、７月は２万７１０１台に終わった。起亜車も７月の米国輸出が２万５９１７台と、前月比１３％減った。先月から毎週２、３日、一日に２時間または４時間の部分ストをしているためだ。供給が追いつかず、現地の営業に支障が生じている。現地販売法人所属のディーラーは「注文を受けても消費者が望む時期に合わせて納車できないため、攻撃的に営業するのも難しい」と状況を伝えた。

現代・起亜車はひとまず在庫を減らして不足分を埋めている。このため在庫が少しずつ減っている。自動車専門誌オートモーティブニュースによると、米国で現代車の在庫日数は２１日にすぎない。業界では在庫日数が６０日ほどになってこそ活発なマーケティング活動をして注文予約を受けられ、試乗車両を運営するなど正常な営業ができると考えられている。現代車は正常な在庫の３分の１しかない。トヨタは４０日、ホンダは４９日、日産は５５日の在庫日数を維持している。在庫日数とは正常営業をした際、在庫分を完全に販売する期間をいう。

供給不足のため米国で現代車のマーケティング活動が停滞する中、日本車は躍進している。トヨタは先月、米国で前年同月比２４％増の１３万９７５９台を販売した。ホンダの販売台数（１０万４１１９台）は同比４６．４％増。一方、現代車は先月４．１％増に終わった。こうした状況は当分続く見込みだ。労組ストが解決の糸口を見いだせないからだ。

現代車労使は賃上げについてある程度合意している。しかし会社側が６８００人にのぼる下請け労働者のうち３０００人を順次正規採用するという点に対し、一部の労組員が反発している。現代車グループによると、先月始まった部分ストのためこれまで計１０万９４７４台、計２兆１０６３億ウォン（約１５００億円）分の生産に支障が生じている。