北朝鮮選手の活躍に住民熱狂　連日５時間の五輪放映

【ロンドン聯合ニュース】ロンドン五輪で金メダル獲得が相次いでいることを受け、北朝鮮当局が五輪の放送時間を大幅に増やしている。アジア太平洋放送連合（ＡＢＵ）や朝鮮半島内の五輪放映権を持つ韓国放送局の協力で五輪の放映が可能になった北朝鮮は連日５時間にわたり特別番組を放映し、住民を熱狂させている。

　北朝鮮中央放送委員会の李グァンチョル五輪取材団長は１日、ロンドン東部のオリンピックパークに設置されている国際放送センターでＡＢＵの会長を務める韓国放送公社（ＫＢＳ）の金仁圭（キム・インギュ）社長と会談し、選手の活躍によって平壌では五輪フィーバーが起こっていると話した。

　北朝鮮はこれまでに女子柔道や重量挙げで四つの金メダルを獲得。早くも１９９２年のバルセロナ五輪時の過去最高成績に並んだ。

　北朝鮮当局は五輪開幕当初、午後８時のニュースとともに五輪情報を１５分程度伝えていたが、金メダルを次々と獲得したことに伴い時間を大幅に増やしたようだ。

　北朝鮮のテレビは深夜放送をしないため、生中継はできない。その代わり、昼間の多くの時間を五輪に割いている。

　北朝鮮は今回初めて、李団長を含む６人の取材チームを五輪に派遣した。国際放送センターに設置されたスタジオで、オリンピック放送機構（ＯＢＳ）が制作した競技映像を母国に配信するとともに、競技場を回り北朝鮮選手の動向を取材している。カメラマン１人を含む取材チームが現場で取材した選手のコメントなどが北朝鮮住民の五輪への関心を一層高めているようだ。

　李団長は「私たちがロンドンに来たからか、選手は予想以上の活躍をしている。金メダル１５個以上を取りたいが、可能かどうかは分からない」と笑った。