韓国大統領選の有力候補者　朴槿恵氏が出馬を宣言

【ソウル聯合ニュース】１２月に行われる大統領選挙の有力候補である与党セヌリ党の朴槿恵（パク・クンヘ）元代表が１０日午前、ソウル市内の街頭で同党の大統領選公認候補を選ぶ予備選への出馬を宣言した。

　朴氏は「国民の痛みを共に分かち合い、解決し、みなさんの夢を実現できる国づくりのために全てを捧げる」と、５年前の前回に続き２度目となる大統領選出馬を表明した。

　大勢の聴衆の前でマイクを握った朴氏は、現在の政界が国民の生活を考えるどころか、安保問題で懸念を起こさせる政争を行っていると批判。「国政運営のパラダイムを国家から国民に、そして人々の生活と幸福を中心としたものに変えなければならない」と訴えた。

　また「国民生活のための３大課題」として、▼経済民主化の実現▼雇用創出▼韓国型福祉の確立――を挙げた。

　経済民主化では中小企業など経済的弱者への配慮や公正な市場経済秩序の構築を掲げた。また、雇用創出のための国政運営を約束したほか、自活・自立が可能な福祉政策についても力を込めて説明した。

　対北朝鮮をはじめとする国家安保と関連しては、「南北間の不信と対決、不確実性の悪循環を断ち切り、信頼と平和に包まれた新しい朝鮮半島づくりへの一歩を踏み出す」と南北間の信頼醸成に向けたプロセスを推進すると明言した。

　また、「すべての国民が夢を持てる国をつくりたい。みなさんの心に夢を持たせたい。その夢を育てるための支援が可能な政府をつくりたい」とアピールした。

　朴氏は韓国の歴代大統領の中で最も高い人気を誇る故朴正煕（パク・チョンヒ）元大統領の長女。前回の大統領選では党内予備選挙で李明博（イ・ミョンバク）大統領に敗れた。１２月の大統領選挙に関する世論調査では最も高い支持を得ており、同予備選では大差で勝利することが見込まれている。