韓国の貿易１兆ドル突破…世界９カ国目（１）

５日午後４時、果川（クァチョン）知識経済部輸出入課。「課長、超えました」。関税庁と連絡を取った輸出担当事務官の話にアン・ビョンファ課長の顔は笑みが広がった。午後３時３０分基準で輸出５１５３億ドル、輸入４８５５億ドルを記録した。韓国が「貿易１兆ドルクラブ」の９番目のメンバーになる瞬間だった。

１兆ドルの記録を打ったのはこの日午後関税庁に輸出申告された深海ボーリング船２隻だった。２隻の価格だけ１２億ドルに上る。輸出の主役で世界シェア１位の韓国造船業界が誇る代表的な高付加価値船舶だ。

午後５時に知識経済部の洪錫禹（ホン・ソクウ）長官が１兆ドルの突破を正式に宣言した。李明博（イ・ミョンバク）大統領は三成洞（サムソンドン）の貿易協会を訪れ、「かつらから始まり、私の記憶では１９６４年に（輸出が）１億ドルだった。企業を長くやってきた人として感無量だ」と話した。

実際そうだった。４７年前の１９６４年、当時の朴正熙（パク・チョンヒ）大統領は朴忠勲（パク・チュンフン）商工部長官に「全てを支援するから年末までに輸出１億ドルを達成せよ」と指示した。田舎の女性らの髪を切りかつらを作るなど、お金になるものは全て持ち出して売った。ウォンの価値も引き下げて輸出企業を支援した。同年１１月３０日に輸出は１億ドルを突破した。韓国政府はこの日を「輸出の日」（現在の貿易の日）に指定し記念している。

以後、韓国の貿易は文字通り高速疾走した。７４年に１００億ドルを超え、８８年に１０００億ドル、２００５年に５０００億ドルを突破した。先行した８カ国は１０００億ドルから１兆ドルを達成するのに平均２６．４年、５０００億ドルから１兆ドルを達成するのに８．４年がかかった。だが、韓国はそれぞれ２３年と６年で達成した。