韓国の文化と歴史が溶け合う“庶民の台所”在来市場（中）

４、丹陽（タニャン）の伝統市場

１９８５年に始まった丹陽の伝統市場はニンニクで有名だ。丹陽ニンニクは６片入りのニンニクで、石灰質土壌で育つため貯蔵に優れ、最高の品質として認められている。この伝統市場では、ニンニク　コチュジャン、ニンニク　タッカンジョン（鶏肉のから揚げを甘辛いソースで絡めたもの）、ニンニク粒などのニンニク加工食品も作って販売している。また、ニンニクを入れたニンニク　スンデ街も形成されている。これ以外にもキノコ類の漬物やツルニンジン漬物などの漬物類や小白山（ソベクサン）の山菜やチョウセンアザミなどあらゆるナムルが売られている。手作りのマツタケカルグクス（韓国風うどん）や麦ご飯、ソバ煎餠も有名な食べ物だ。土曜日の夕方ごとにニンニク商店街を中心にコメディー公演やストリートミュージシャンによる公演、デフォルメ似顔絵など多彩な行事が行われている。

店鋪数１２０軒／忠清北道丹陽郡丹陽邑道田里６１５／０４３－４２２－１７０６



５、錦山（クムサン）の高麗人参市場

錦山の高麗人参市場は、今年のスローガンを「おいしい錦山高麗人参市場」として掲げている。高麗人参を活用した見どころや食べ物横丁、買い物横丁を作り、客に“また来たい”と思わせる市場作りをしようとの意味が込められている。この高麗人参市場は、全国の高麗人参流通の８０％を占める韓国最大の高麗人参流通市場だ。今年、市場の中に高麗人参足湯を作り、複合文化空間としてカフェ「ヒュ」を作った。また「ス」名づけられた公演場を設置し、錦山市場の歴史や文化を絵と話で刻んだ壁も造成している。

店鋪数２６９軒／忠清南道錦山郡錦山邑下玉里３３５－１外２／０４１－７５４－２３７６



６、水原（スウォン）の八達門市場

京畿道（キョンギド）南部圏の代表的な市場だ。朝鮮正祖の時代に水原華城を築城して形成され、その歴史も長い。衣類やかばん、貴金属などファッション関連商品が商業圏の４８％を占めるほど特化されている。最近では、隣近の工業団地に住む外国人労働者が立ち寄るようになり、豊かな外国文化が溶け合う場所となった。水原華城と連結した観光プログラムも可能だ。正祖の護衛部隊「壮勇営（チャンヨンヨン）」の武術師範や各種宮廷宴会をはじめ、さまざまな文化公演が楽しめる。現在、八達門市場の歴史を伝える博物館の建設が進められている。

店鋪数２４５軒／水原市八逹区八逹路２街３９／０３１－２５１－５１５３〔（下）へ続く〕