農家が韓国各地で一斉デモ　韓米ＦＴＡ反対など訴え

【牙山、井邑聯合ニュース】韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）批准案の国会処理反対と政府の買取価格が安い公共備蓄米制度の廃止を訴え、全国の農家が一斉にデモを開始した。

　全国農民会総連盟（全農連）の地域別連盟は９日午前１０時から、各地の市・郡庁や地元国会議員の事務所前に米俵を積み上げ、公共備蓄米の袋を燃やすなどして抗議行動を開始した。午後には各地で政党や市民団体とともにろうそく集会を開き、１０日にはソウルで開かれる「韓米ＦＴＡ阻止３次汎国民大会」に参加する方針。韓米ＦＴＡで韓国は、農畜産物や乳製品で関税を撤廃するが、コメは守った。

　忠清南道牙山市の温泉洞の庁舎では午前９時ごろ、３０人がフォークリフトを使って土のう１００個を積み上げ、抗議の意味で牙山農民会長ら３人が頭を剃った後、韓米ＦＴＡ反対や基礎農産物の国家買い取り制度の実現を訴えた。また、同公州市でも庁舎や国会議員事務所前で集会が行われた。

　忠清北道の清原郡や忠州市、慶尚北道でも反対集会やデモが行われた。

　全羅南道では順天市や長興、霊光、和順、康津郡など１０の市・郡で５００人が参加し、各市・郡庁舎前に５０００個の米俵を積み上げ、公共備蓄米の袋を燃やすなどして反対を訴えた。

　全羅北道では井邑市でコメ袋２５００個、益山市では４０００個を庁舎前に積み上げるなど、９の市・郡で集会が行われた。釜山市や江原道の春川市でもデモが行われた。

　全農連全羅北道連盟のソ・ジョンギル議長は、「公共備蓄米の買い取り価格が生産費にも満たない状況で、政府は２００９年産の備蓄米まで値下げし、米価を引き下げている」として、「そのうえ韓米ＦＴＡ批准によって韓国農業をつぶそうとしている」と批判した。また、農産物価格の安定と自然災害による被害を防ぐため、基礎農畜産物の国家買い取り制を法制化するよう訴えた。