2026年の秋夕は9月25日!韓国の秋を代表する名節
秋夕(チュソク)とは、親戚一同が故郷に集まって先祖の墓参りをし、秋の収穫に感謝する日です。 旧正月(ソルラル)と並ぶ代表的な韓国の名節で「 ハンガウィ」とも呼ばれます。
毎年秋夕当日(旧暦8月15日)とその前後1日ずつが 祝日となります。
秋夕は、古く新羅時代(紀元356年~935年)に始まったと見られています。1年で月が最も明るく輝く旧暦8月15日には古来より盛大な祭りが行なわれ、時代と共に名節としての風習が形成され、今に伝わるようになりました。
秋夕連休中に観光できるところはどこ?
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2026年は9月25日(金)が秋夕の当日です。
通常は前日と翌日が祝日となります。
2026年の「秋夕連休」は木曜日と土曜・日曜を含め、4連休となります。
連休を利用して、故郷への帰省や海外旅行に行く人で、駅や空港は混雑します。また、臨時休業する施設やお店も少なくありません。この時期に韓国旅行をする場合は、事前に確認するのがよいでしょう。
墓参りは秋夕当日に行なわれる風習のひとつ。土をこんもりと盛った墓が一般的な韓国では、当日に備えて夏の間に伸びた草を刈り、墓の周囲を清掃しておく習慣があります。これを「伐草(ボルチョ)」といい、秋夕の約1カ月前から時間のあるときに済ませておきます。
たとえ、どんなに遠くにお墓があっても、伐草をするのは当たり前と考えられていて、「伐草しなければ子孫の証が失われる」とまで言われるほど。
ただ近年では土葬ではなく火葬を行ない、先祖代々の土地ではなく、納骨堂や霊園に納めたりする家庭が増えています。「伐草(ボルチョ)」の風習も当たり前ではなくなってきました。
日本ではお盆の時期に親しい知人や日頃お世話になっている人たちにお中元を贈る風習がありますが、韓国の秋夕でも同じような光景が見られます。
秋夕が近づいてくると 百貨店や 大型マートには特設売場が登場し、 贈り物商戦が繰り広げられます。 海苔、食用油、韓国の伝統的なお菓子・ 韓菓(ハングァ)などの食品類や、シャンプー、洗剤、歯磨き粉といった生活関連の実用品などが売れ筋です。
 売場にはセット商品が並びます
 大量購入するお客さんの姿も
 長蛇の列をなすソウル駅の改札
 バスターミナルも早朝から大混雑
 出発を待ち構える地方行き高速バス
 人が大勢集まる駅前ではイベントも
 家族揃っての帰省の様子
 両親が上京する「逆帰省」も増加
一方、庶民の台所である 市場も大盛況。親戚一同が集うため、連休中の食材を買い求める人でにぎわいます。
先祖供養の祭祀「 茶礼(チャレ)」で使用する食材の調達も欠かせません。茶礼床(チャレサン)と言う祭祀のお膳には栗やなつめ、野菜の ナムルに肉、魚と、たくさんのお供え物がのるため、家庭の女性陣は買出し後も休む暇なく働き続けます。
韓国には名節に体を酷使してその反動で無気力になったり、体の節々が痛んだりする「名節後遺症」という言葉もあるほど。主婦たちにとっては怒涛の日々の始まりです。
 市場は大繁盛
 連休中の食材を買出しに
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多くの人が帰省したり、自宅で家族と過ごすため、都心の繁華街は人通りが少なく休業する店舗も目立ちます。
しかし最近は、若者を中心に帰省しない人が増え、連休中も営業するお店が年ごとに増えています。一方、故郷に戻って、古くからの伝統的な風習を守る人たちもいます。
 がらんと静まりかえる都心部の道路
 観光スポットでは秋夕の催し物も
秋夕の前日には、「 ソンピョン(松餅)」を作る家庭もあります。ソンピョンはうるち米の粉を水で練ったものに、小豆や栗、すりゴマと砂糖を混ぜたものなどを包み、松葉を敷いた蒸し器で作る秋夕の代表的な食べ物です。
韓国では、このソンピョンをきれいな形に作れれば、独身女性は結婚相手に恵まれ、妊娠している女性は可愛い赤ちゃんが生まれるとも言われています。
 最近は手軽なパック入りを購入する人が多い
9月下旬~10月初旬の秋夕の時期になると、田畑には五穀が実り鮮やかな黄金色となります。そんな季節柄、秋夕には収穫したての新米、お酒、果物などを先祖に供える習慣があります。
秋夕当日の朝に家族親戚が集まって行なわれるのが、韓国の法事「 祭祀(チェサ)」を簡易化した「茶礼」という儀式。お供え物を並べた茶礼床(チャレサン)を前に、秋夕にあわせて新しくあつらえた服を着て深く お辞儀をします。
 先祖に供える茶礼床
 正装姿でお膳に向かってお辞儀
 全員揃って礼をする家も
茶礼を終え、朝ご飯を食べたら、一家揃って墓参りに行きます。墓地では、先祖の墓を囲むようにして親戚一同が並び、お辞儀をする姿も見られます。
昔は先祖の墓参りが終わったら、近所の人たちと様々な民俗遊びをして過ごしたと言います。
その代表的なものが、韓国南西部の 全羅道(チョルラド)地方に伝わる「 カンガンスルレ」。かつては女性や子どもたちの遊びだったもので、皆が手をつないで円になり、左右に動きながら一緒に歌を歌います。
会いたい人同士が日時と場所を決めて会う「パンボギ」という風習もありました。昔は嫁入りした女性が実家の家族と簡単には会えなかったため、秋夕後に実家との中間地点で会い、半日ほど楽しい時間を過ごしていたと言います。
「半分だけ会う」という意味の「パンボギ」は、積もり積もった話の半分ほどしかできずに別れる、ということから来ています。
現代に入り家族の形も様々になってきている韓国。それでも秋夕になると、離れている家族や親戚がひとつの場所に集まることを大切にしています。
家族が仲睦まじく暮らし、先祖に礼を尽くすことを重んじる基本姿勢は、今も昔も変わらずに韓国の人々の心に根付いているようです。
秋夕は伝統的な名節として今後も受け継がれていくことでしょう。
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