<2023年5月、義務警察制度が廃止>
義務警察制度は「第2の芸能兵士制度、兵役の受け皿」という声も多く、2017年6月に BIGBANGメンバーのT.O.Pの大麻吸引事件などの影響を受けて、警察庁は2018年から段階的に20%ずつ人数を減らしていき、2023年5月17日をもって義務警察制度が全面廃止となることになりました。
軍隊?警察? 芸能人に人気の義務警察って?
韓国男子であれば避けては通れない 軍隊。軍人というと陸海空軍で有事に備え厳しい訓練をこなし、銃や手榴弾、戦車などを使いこなすイメージが強いですが、 ソウル地方警察庁などや各地方の警察庁に所属し警察のアシスタント的業務を行なう義務警察(ウィムギョンチャル)もあります。
1967年9月に創設され、主に犯罪やテロ、災害、交通の巡察・警備・検問などを行なっており、略して「義警(ウィギョン)」とも呼ばれています。
義務警察の中でも配属先は様々です。
芸能人は「警察広報団」での服務が多い
特に最近芸能人に人気なのが、ミュージカルやコンサートなどの公演を行なう警察広報団(旧ホルラギ演劇団)。
2000年1月に新設されてからあまり関心を寄せられることはありませんでしたが、2008年に俳優チョ・スンウとリュ・スヨンが警察広報団で活動し始めたことにより少しずつ知られるように。
その後同じく広報活動を主に行なっていた 芸能兵士制度(国防広報支援隊)が2013年8月に廃止されると警察広報団に応募する芸能人が急増。第2の芸能兵士制度になるのではとの懸念の声も上がりました。
実際、2014年3月に俳優チェ・ジニョクが合格発表後にインターネット上で非難を浴びたことから、最終的に入隊を断念し陸軍へ現役入隊。同時期に応募していたことが公になった俳優 ユ・アインは、最終面接を受けずに辞退しました。
具体的にはどんな仕事がある?
観光警察は外国語ペラペラで観光客の強い味方!
義務警察は大きく分けて3種類。警備隊や巡察隊、検問所、観光警察隊などに所属する一般義務警察と、警察広報団を含む特技要員、1996年6月に設立された竹島(韓国名・独島)警備隊があります。
一般義務警察 |
特技要員(警察広報団など) |
独島警備隊 |
交通整理や防犯パトロール、各種集会やデモが行なわれる際の安全管理など、治安と秩序を守る業務を遂行します。人気観光地・明洞(ミョンドン)や弘大(ホンデ)の観光警察センターで勤務する観光警察隊はぼったくりなど不法行為を取り締まり、旅行中の不便を解決! |
芸能分野で犯罪予防・警察広報に関する公演活動を行なう警察広報団の他、ウェブデザイン、美容師、栄養士、物理治療や通信装備、コンピューター修理、施設メンテナンスなど分野は全部で15。それぞれの特技を活かした専門業務を行ないます。 |
24時間警備を行ない、韓国の主張する領海内に外部勢力が侵入したら近隣の海洋警察や海空軍に通報。島に接近した場合は逮捕または拿捕します。 |
義務警察出身または入隊予定のスター
俳優チョ・スンウ / 警察広報団
2010年10月23日除隊
俳優リュ・スヨン / 警察広報団
2010年9月6日除隊
俳優イ・ジェフン / 警察広報団
2014年7月24日除隊
ソンジェ(超新星) / 警察広報団
2014年8月28日入隊
ホ・ヨンセン(SS501出身) / 警察広報団
2015年7月30日除隊
チャンミン( 東方神起) / 警察広報団
2017年8月18日除隊
シウォン(SUPER JUNIOR) / 警察広報団
2017年8月18日除隊
シア・ジュンス( JYJ) / 警察広報団
2017年2月9日入隊
キム・ヒョンジュン(SS501出身) / 警察広報団
2017年4月6日入隊
メリットいろいろ♪「ここがオイシイ、義務警察」
1.愛する家族や恋人と離れたくない人に朗報。配置場所は第4希望まで出せる。
2.みんなで行けば恐くない。友人や家族、同僚など3人まで一緒に入隊できる。
3.週45時間勤務、週休2日制。週1回の外出、2カ月に1度3泊4日の長期外泊可能と自由な時間多し。
4. 大学のオンライン講義を受けることで、単位取得可能。同期に取り残されなくてすむ!
5.憧れの警察に一歩近づける。除隊後は警察公務員特別採用のチャンスあり。
競争率約20倍!人気の義務警察にはどうすればなれる?
メリットが多数あり芸能人はもちろん一般人からも人気の義務警察は、平均競争率がなんと約20倍(2017年2月時点)。倍率の高さや諦めずに数回以上応募する人もいることから、考試という韓国の国家公務員試験をもじって「義警考試(ウィギョンコシ)」なる新造語ができるほどです。
応募は 徴兵検査で1~3級の現役に判定された場合にでき、すでに決まっている陸海空軍など他の軍への入隊日が29日以内に迫っている人や、兵役逃れをした人などは対象外。なお特技要員に応募する際には、各分野の資格や6ヶ月以上の職務経歴などが加わります。
試験内容は適性検査と身体・体力検査、面接の3つ。全て合格したら犯罪経歴がないかチェックし、最終的に合否が決まります。合否判定には32年間面接が重要な役割を担ってきましたが、義務警察ばかりに応募が偏る現状を解決するため、2015年11月からは面接を廃止。試験をクリアした人の中から、抽選で選抜されることになりました(警察広報団を含む一部所属先については、抽選対象外)。
ちなみにこの方式は1988年、カチューシャ( 駐韓米軍で勤務する軍人)の試験に抽選制度を導入した後、競争率が落ちた事例を元に練られた対策です。人気の高い義務警察も、抽選対象外の一部所属先を除いて運で決まることになり、今後応募が減少するかもしれません。
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