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2005年11月29日、この一年の最高の韓国映画を決定する最大の祭典、「青龍映画賞 授賞式」が汝矣島KBSホールにて行なわれました。
「青龍映画賞」は、1963年より続いている、韓国内最高の権威を持つとも言われる映画賞。候補作はインターネットによる一般投票(30%)と、700人の映画人による予審団の調査結果(70%)を合算して選定されています。
とにかく今年は有力候補づくし。一年間の韓国映画を振り返る意味で、主要な賞の候補を紹介しましょう。 |
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作品賞候補 |
今年の話題作といえば、まずパク・チャヌク監督の復讐3部作の最終章にあたる「親切なクムジャさん」。前評判が先行しすぎたせいもあり、好き嫌いが別れた映画ですが、映画人にはどのような評価が下されるか…。そして、興行成績としては最高だった「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」、朝鮮戦争を扱っているのにエンターテイメントとしての「軽さ」が新しかった作品。これは一般人ウケが良いのではないでしょうか。エイズに冒された女性とその恋人の物語「ユア・マイ・サンシャイン」、実在する自閉症児を描いた「マラソン」も非常に感動させてくれました!チャ・スンウォンが珍しくシリアスな役柄を演じた、朝鮮時代の連続殺人劇「血の涙」も候補に。
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親切なクムジャさん |
ユア・マイ・サンシャイン |
ウェルカム・ トゥ・
ドンマッコル |
マラソン |
血の涙 |
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主演女優賞候補 |
大接戦の主演女優賞。イ・ヨンエは、これまでの清楚なイメージをくつがえして殺人者という役柄が新鮮でした。劇中の「あんたこそうまくやれば」のセリフは流行語にもなりました。それに対抗するのがエイズに冒された女性を演じ、多くの観客の涙を誘ったチョン・ドヨン。さらに、コメディー女優のイメージをぬぐいさったキム・ジョンウン、大人の演技で評価が高かったソン・イェジンも参戦。また助演女優とダブルでノミネートされたカン・ヘジョンも今大注目の演技派女優。う~ん、これ以上ない熾烈な戦いではないでしょうか!
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イ・ヨンエ
(親切なクムジャさ
ん) |
チョン・ドヨン
(ユア・マイ・サンシャイン) |
ソン・イェジン
(四月の雪) |
カン・ヘジョン
(恋愛の目的) |
キム・ジョンウン
(親知らず) |
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主演男優賞候補 |
新人とベテランの新旧対決になったのが、主演男優賞。チョ・スンウ、リュ・スンボム、パク・ヘイルはすべて20代のニューフェイス。対抗するのが、イ・ビョンホン、ファン・ジョンミンのベテラン。個人的にはパク・ヘイルが「恋愛の目的」で演じたナンパ男がすごく気に入っているのですが、他の候補を押さえるのはちょっと厳しいかな…?
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パク・ヘイル
(恋愛の目的) |
リュ・スンボム
(こぶしが泣く) |
チョ・スンウ
(マラソン) |
イ・ビョンホン
(甘い人生) |
ファン・ジョンミン
(僕は君の運命) |
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いずれも、誰が取ってもおかしくない顔ぶれ。スターが大集合するということで、当日KBSホール前では17時からファンや取材陣でずらり!日本からのファンもたくさん見られました。開始直前には初雪が降るというハプニングも。すぐやんでしまいましたが、まるでお祝いとして降ったかのようで、盛り上がりも最高潮。
18時半、盛大なる花火とともに、ついにレッドカーペットセレモニーがスタート。ファンの大歓声の中、華麗な衣装を身にまとい、次々とスターたちが登場しました。イ・ビョンホンやチャン・ドンゴンが通ると、日本人ファンの歓声がひときわ目立ちました。
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イ・ビョンホンに歓声を送る日本人ファン |
舞台裏では凄まじい取材合戦が |
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チャン・ドンゴン |
カン・ドンウォン |
ハ・ジウォン |
チェ・ミンシク |
「家門の危機」
の出演トリオ |
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午後8時、生放送の授賞式がスタート。司会は今年もチョン・ジュノ&キム・ヘス。この2人はこれで4年目の司会になります。
観覧チケットの一般販売はされなかったそうですが、イベント抽選などによって選ばれた運の良い一般客、ほか取材陣などで会場はいっぱいに。新人男優賞を皮切りに、受賞者が次々に発表されました。 |
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新人男優賞 |
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「天国の階段」でおなじみのシン・ヒョンジュンがプレゼンターでした。受賞したのは、いま韓国で人気上昇中のチョン・ジョンミョン(「台風太陽」)。チャン・ドンゴンのお祝いの握手を受けてから舞台へ。今日は自身の誕生日にあたるそう。おめでとう! |
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新人女優賞 |
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プレゼンターは、イ・ビョンホンとイ・ヨンエという豪華なツーショット。「“あんたこそうまくやりなさい”のセリフが流行りましたが、僕にも言ってくれませんか。イ・ヨンエさんに言われるとホントにうまくやれそうな気がするんですが」とイ・ビョンホン。イ・ヨンエは照れながらも「イ・ビョンホン氏、うまくやりなさい」と声をかけ、観客の笑いを誘いました。受賞したのは、キム・ジス(「女、ジョンヘ」)。 |
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照明賞/美術賞 |
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今年新しくできた照明賞。記念すべき初年度の受賞は「刑事」のイ・ヒョンジュ、チョ・グニョン。受賞者の代わりに、主演したカン・ドンウォンが舞台にあがりました。美術賞も「刑事」が受賞。受賞者の代わりに、主演したハ・ジウォンが舞台に。映画としてはコケてしまった「刑事」でしたが、確かに映像はきれいでした。 |
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人気賞 |
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ネット投票で決められた人気賞。今回は、カン・ドンウォン、ハ・ジウォン、キム・スミ、チョ・スンウの4人が受賞。カン・ドンウォンは二年連続の受賞でした。プレゼンターのパク・チュンフンに、好きな人にはどうアプローチするのかと聞かれたところ、「何もしません。それが逆に効果があったりするんです」とコメント。意外とかけひき上手なのかも。
チョ・スンウは、「こうやって舞台にたてること、また愛する人と一緒にいられることが幸せ」とコメント。恋人のカン・ヘジョンへの配慮を忘れません。 |
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特別ステージ |
特別ステージでは、映画「家門の危機」の出演者たちが歌を披露。途中で司会のチョン・ジュノをムリヤリ交えるというハプニングが。はじめは嫌がっていたチョン・ジュノ、急に開き直って激しいダンス!これには会場中が笑いました。 |
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息ピッタリの司会 |
チョン・ジュノさんの、ユーモアがあって機転がきく司会はとっても魅力的でした。俳優としてはもちろんですが、司会の才能もあるんですね。キム・ヘスとの息もぴったり。このふたり、休憩中もとっても仲良しそうでした。 |
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助演男優賞
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プレゼンターは、ソン・イェジン&リュ・スンボム。受賞したのは「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」で茶目っ気のある北朝鮮兵を演じたイム・ハリョン。 |
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助演女優賞
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助演女優賞は文句なしで「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」のカン・ヘジョンでしょう!江原道(カンウォンド)地方の方言を使いこなし、コミカルで純粋な演技で観客を魅了。主演女優賞をあげてしまいたいくらい素晴らしい演技でした!「監督、家族…そして私の恋人に、感謝の気持ちを伝えたい」と、コメント。カン・ヘジョン&チョン・スンウカップルは、舞台の上でも外でも終始ラブラブでした。プレゼンターは、キム・レウォン&キム・ジョンウン。 |
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脚本賞
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脚本賞は、キワどいセリフの掛け合いがかなり面白かった「恋愛の目的」が手にしました。脚本家の代わりに主演のパク・ヘイルが舞台へ。短く揃えた前髪と黒ぶちメガネがかわいかったペク・ヘイル、「この賞金使っていいんですよね、一杯やらないと」とふざけてみせました。 |
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主演男優賞
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昨年度の受賞者、チャン・ドンゴン&イ・ナヨンがプレゼンターとして登場。受賞したのは、「君は僕の運命」のファン・ジョンミン。「トヨン、君と一緒に共演できたのは本当に奇跡のようだった。ありがとう」と、客席のチョン・ドヨンに感動のメッセージを送りました。最後は「このファン・ジョンミンの運命である、妻に感謝したい」の一言で締めくくり。くぅ~、かっこいい!
合わせて「君は僕の運命」は、監督賞も受賞しました。 |
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主演女優賞 |
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チェ・ミンシクの口から発表された主演女優賞は、「親切なクムジャさん」のイ・ヨンエ。発表された瞬間、両手で顔を覆い、しばし動けなかったイ・ヨンエ。パク・チャヌク監督に支えられるようにして立ち上がり、舞台へ。頬はすでに大粒の涙で濡れていました。「この映画では、渾身の演技をつくした。気に入った人も失望した人もそれぞれ多かったようで、胸が痛かった。でもこの瞬間だけは、全ての人の祝福を受けたい」と泣きながらコメント。 |
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作品賞 |
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クライマックス、最後までどうなるかわからなかった作品賞は「親切なクムジャさん」で決定。「まさか受賞するとは・・・。ヨンエが取ったから悔いはないと思っていました」と、パク・チャヌク監督。ベテランの壁は厚かった! |
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「親切なクムジャさん」「君は僕の運命」「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」の三作が主要な賞を仲良く分けた今年の青龍映画賞。各賞に各作品がうまいこと配分されすぎてて、妙に計算された感があるのがちょっと気になるところではありますが、やっぱりこれで妥当なのかもしれません。
「親切なクムジャさん」は早くも日本でも公開されているそうで、日本でも韓国映画に接する機会はこれからもますます増えそうですね。これからも目が離せない韓国映画、また来年のレポートをお楽しみに!
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受賞者リスト |
最優秀作品賞 |
「親切なクムジャさん」 |
監督賞 |
パク・ジンピョ(「君は僕の運命」) |
主演男優賞 |
ファン・ジョンミン(「君は僕の運命」) |
主演女優賞 |
イ・ヨンエ(「親切なクムジャさん」) |
助演男優賞 |
イム・ハリョン(「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」) |
助演女優賞 |
カン・ヘジョン(「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」) |
新人男優賞 |
チョン・ジョンミョン(「台風太陽」) |
新人女優賞 |
キム・ジス(「女、ジョンヘ」) |
新人監督賞 |
チョン・ユンチョル(「マラソン」) |
撮影賞 |
キム・チヨン(「甘い人生」) |
音楽賞 |
キム・ジュンソン(「マラソン」) |
美術賞 |
イ・ヒョンジュ・チョ・グニョン(「刑事」) |
技術賞 |
シン・ジェホ(「血の涙」) |
脚本賞 |
コ・ユニ、ハン・ジェリム(「恋愛の目的」) |
照明賞 |
シン・ギョンマン(「刑事」) |
最多観客賞 |
「ウェルカム・トゥ・ドンマッコル」 |
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