コネストの目！ニュースで見る韓国～2014年春編～

４月16日午前、韓国南西部・珍島(チンド)沖で済州島(チェジュド)に向かう途中だった大型旅客船「セウォル号」が転覆、300名以上の死者・行方不明者を出す大惨事が発生しました。犠牲者の大部分が修学旅行中の高校生だったことから韓国中は深い悲しみに包まれ、事故後、全国各都市に設けられた焼香所には弔問客の姿が途切れませんでした。また同月25日、首脳会談のため訪韓したオバマ米大統領も会談前の挨拶で黙とうを捧げることを提案、哀悼の意を表しました。

音楽やドラマを通じ各国を席巻して久しい韓流ですが、近頃は芸能だけにとどまらず他分野でも韓国独自のコンテンツ・技術を世界に披露し、関心を高めようとする傾向が見られます。
韓国は４月に開催されたロンドン国際ブックフェアに主賓国として参加。会場の大部分が韓国近代文学・ウェブ漫画の紹介空間となり来場者の注目を集めました。また、イタリア・ミラノでは韓国工芸デザイン振興院(KCDF)主催で陶芸や韓紙作品を紹介する工芸展が開催。韓国の伝統文化を世界のデザイン発信地でアピールしました。食品分野では料理の「味」を強調する従来の海外進出戦略から一歩進み、紙状の豆腐や粉末マッコリなど輸出を念頭に置き容量を軽減した食品が登場。製品開発段階からグローバル市場を狙う企業も増えてきています。

３月下旬から４月上旬にかけ、京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)、北方限界線(NLL)に近い白翎島(ペンニョンド)、江原道(カンウォンド)・三陟(サムチョク)と、韓国内３カ所で立て続けに墜落した状態で発見された無人航空機。無人機にはデジタルカメラが搭載され、大統領官邸である青瓦台(チョンワデ)や主要軍事施設を撮影したことが分かりました。韓国国防部は、無人機の移動および撮影経路が軍事施設密接地域上空だった点、過去に北朝鮮が公開した無人機と色が酷似している点などを挙げ、北朝鮮製であると判定。一方、北朝鮮側は無人機との関係を正式否定しており、南北間の攻防は本格化の様相を見せています。

今年２月、就任１周年の世論調査では60％を超える支持率を誇っていた朴槿恵(パク・クネ)大統領ですが、「セウォル号」沈没事故後の５月初旬には支持率が40％台まで大きく落ち込みました。救助活動時の政府の様々な不手際に対し、国民の不満や怒りが募った結果と見られます。こうした状況を受け、朴大統領は５月、政府組織改編や国家安全処の新設など５分野27措置からなる「国家システム改革策」を発表。そのうち救助過程で問題が多く批判の的となった海洋警察の解体や、真相調査委員会を含む特別法制定など半数以上の措置を６月末までに終えることを明らかにしました。

2014年４月の経常収支は44億ドルを超え、27カ月連続で黒字を記録中の韓国。FTA発効２年を迎えた対米輸出が自動車や化学製品など主力製品を中心に好調なうえ、通信機器部門では全世界125カ国で同時発売されたサムスン電子製スマートフォン「ギャラクシーS５」がけん引しました。輸出を支える企業各社は、市場におけるシェア拡大に必要な国際競争力の強化にも懸命です。LG電子は高い技術力を背景にローカルブランドとの差別化戦略を展開。欧州地域では消費者の生活スタイルに考慮した高効率家電で市場の攻略を進めています。また中国市場では最新技術を駆使した曲面テレビに中国人の好むデザインを加えた新製品を発表。地域特化型マーケティングで世界市場での製品競争力を高めています。

今年１月にニコル、４月にジヨンが契約満了のタイミングで脱退し、３人体制となったKARA。５月初旬、活動再開を待ちわびる全世界のファンに向け、ファンミーティング開催といううれしいニュースが飛びこんできました。さらに数日後伝えられたのは、新メンバー補充の発表。しかも「KARAプロジェクト」と題された公開オーディション番組を通じて決定されるということで大きな話題となりました。所属事務所DSPメディアは、「KARAプロジェクト」初回放送日(５月27日)を前に公式ホームページでメンバー候補７人を発表。それぞれ異なる魅力を放つ実力派候補者たちが結集した今回の選抜プロジェクト、メンバーの座をつかむのは果たして誰なのか、注目が集まっています。

５月７日発売されたアルバム「Overdose」が韓国のみならず中国や台湾の音楽チャートでも首位となるなど、アジア圏で圧倒的な人気を見せつけている12人組ボーイズグループEXO(エクソ)。そんなEXOに、アルバム発売日翌週に当たる15日、メンバーの脱退騒動が浮上しファンの間に動揺が走りました。中国人メンバーの１人KRIS(クリス)が、所属事務所を相手取り専属契約解除を求める訴訟を起こしたのです。KRIS側は契約や収入面で所属事務所から不当な扱いを受けたと主張。一方で、「KRISが韓国生活への適応に悩んでいた」と話す関係者も現れ、訴訟の行方はもちろん、KRISが人気絶頂の最中チーム脱退を決意した理由にも耳目が集まっています。

日本時間６月13日～７月14日に開催されるサッカーワールドカップブラジル大会。開幕を１カ月後に控えた５月、23人の代表メンバーが発表されました。平均年齢が過去の韓国代表の中で最も若く経験不足が懸念される一方、体力的な優位と国際舞台で活躍する17人もの海外組の存在が競争力となり好成績が期待できるという予測も出ています。国際サッカー連盟(FIFA)の最新ランキングでは55位の韓国。同組のベルギー(12位)、ロシア(18位)、アルジェリア(25位)より下位に位置するものの、歴代最強との呼び声高いミッドフィールド(中間守備)を生かした機動力あふれる試合運びで一次リーグ突破をめざします。

沈みゆくセウォル号、そして増え続ける犠牲者を伝えるニュースが連日流れ、胸をしぼられるような悲しみに覆われた2014年春。
一刻も早く未だ残る行方不明者の捜索と事故の真相究明が行なわれ、二度と同じような惨事が起きないことを願うばかりです。
事故から早２カ月近く経ち、自粛されていた放送や文化行事等が徐々に再開されつつある韓国。さあ、来シーズンはどんな出来事が私たちの元に届くのでしょうか？芸能でもよし、スポーツでもよし、どんな面からでもいいので韓国にアクセスし、もっと韓国を知ってもらいたい。そんな思いで、これからもコネストは韓国からニュースを発信し続けます。皆さんもぜひ、韓国のニュースにご注目ください。