韓国旅行「コネスト」 第74回~Hemenway(ロックバンド) | 日韓わったがった ―韓国で、はたらく。 | 韓国文化と生活
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第74回~Hemenway(ロックバンド)

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韓国系アメリカ人と日本人の4人のメンバーからなる日本のロックバンドHemenway(ヘメンウェイ)。キャッチーで前向きな歌詞と独特の音の世界観との調和で、2011年のデビュー以来、多くの音楽ファンの心をとらえています。2013年には「仁川(インチョン)ペンタポートロックフェスティバル」「日韓交流おまつり」でライブを披露するなど、韓国での活動もスタートしました。今回はソウルを訪れた彼らに、バンドの結成経緯から目指すべき音楽観、韓国でのコンサートに対する思いまでたっぷり伺いました。
Hemenway メンバープロフィール
Isaac(アイザック 右2番目) 
担当:ボーカル&ギター、曲制作
年齢:26歳(1987年生)  
出身:ソウル(12歳でアメリカに移住)

Charm(チャーム 右1番目) 
担当:ギター、曲制作
年齢:26歳(1987年生) 
出身:ソウル(8歳でアメリカに移住)

Ogaching(オガチン 左2番目) 
担当:ベース
年齢:34歳(1979年生) 
出身:神奈川県

Toshi(トシ 左1番目) 
担当:ドラムス
年齢:32歳(1981年生) 
出身:大阪府
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バンド名は、学生時代の原点の地
アイザック
アイザック
アイザック(ボーカル&ギター):Hemenwayはメンバー全員がアメリカのバークリー音楽大学の出身で、大学時代に知り合った縁を元に2010年に日本で結成しました。僕とギターのチャームは、韓国のソウル生まれ、アメリカ育ちの韓国系アメリカ人です。

チャーム(ギター):たまたまどちらもロサンゼルスに住んでいましたが、知り合ったのは大学に入学してからです。2人とも日本の文化や音楽が好きで、すぐ意気投合しました。

オガチン(ベース):日本人である僕たちの影響でアイザックとチャームが日本の音楽に興味をもったと思われるかもしれませんが、実際は逆です。僕らはむしろ洋楽に興味があってアメリカに留学したので、アイザックとチャームのほうが学生時代から日本の音楽シーンに詳しかったです。
オガチン
オガチン
トシ(ドラムス):僕とチャームはルームメイトとして2年半生活を共にしていましたが、チャームのほうが僕に日本のCDを薦めてくれたりしていました。

アイザック:日本の音楽に触れたきっかけは、日本に関心のあった両親の影響で幼少時に日本語を習いはじめたことです。新潟にホームステイしたこともあります。日本語の勉強は長く続けていて、その流れで日本の漫画やゲーム、音楽を好きになりました。

チャーム:僕の場合も日本語の勉強こそしていませんでしたが、アニメ「ガンダム」を観たり、子どもの頃から日本のサブカルチャーに興味をもっていました。
チャーム
チャーム
アイザック:ただ学生時代は、セッションやプロジェクトでメンバーの誰かと誰かが作業をする機会はあっても、4人での活動は行ったことはありませんでした。特に僕とオガチンは、実はバンド結成時まで互いに面識がほとんどなかったほどです(笑)。

チャーム:バンド結成のきっかけは僕とアイザックの訪日です。卒業後、僕らは好きだった日本の音楽シーンで活動することを目標とし、2人で曲作りをしながら日本のレコード会社等にアプローチをしていました。そんな中、現在の所属レコード会社に好感触を得たのです。「バンド形式で見てみたい」という話があり、ちょうど同時期に日本に帰国したトシくんとオガチンを誘ってライブを行ったところ、ありがたいことにほどなくして契約が決まりました。
トシ
トシ
アイザック:長く練習を共にした相手でなくても、その場で呼吸が合って面白い音が生まれる経験があります。僕ら4人がバンドとして初めて合わせたときも、元々互いの音楽性を知っていたことに加え、そんなある種の勢いが後押しになったという感覚でしたね。

トシ:バンド名のHemenwayは、大学時代に僕とチャームが住んでいたアパートのすぐ前の通り「Hemenway Street」からとりました。アイザックとオガチンも当時その近くに住んでいたので、メンバー全員の共通点としてぴったりだなと思ったのと、皆が立ち返られる原点としての意味も込めています。
日本・アメリカ・韓国…3つの文化が交差
オガチン:日本、アメリカ、韓国という3つの文化的バックグラウンドが1つのバンドの中に存在しているのは、Hemenwayというバンドの特徴であり、強みです。アイザックとチャームは日・英・韓の3カ国語が話せるので、Hemenwayの公式twitterは日本語で、facebookでは英語と韓国語でメンバー自らが情報を載せています。楽曲制作も主にチャームとアイザックが担当しており、J-ROCKというジャンルの中にはありますが、異なる文化で培われた感性が自然と楽曲に盛りこまれているんじゃないかと思います。

チャーム:最初に影響を受けたアーティストはX-JAPANです。ロサンゼルスのリトルトーキョーと呼ばれるエリアに日本のCDを扱う店があって、ライブ音源を聴いたのが僕のJ-ROCKの原体験です。
アイザック:僕は、現在同じレコード会社の先輩であるL’Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)が中学生の頃から大好きで。
公式facebookは韓国語・英語で発信
公式facebookは韓国語・英語で発信
『L’Arc~en~Ciel Tribute』にも参加
『L’Arc~en~Ciel Tribute』にも参加
昨年発売された彼らのトリビュートアルバム『L’Arc~en~Ciel Tribute』では、Boyz II Men(ボーイズツーメン)やVince Neil(ヴィンス・ニール)などの海外大御所アーティストが参加する中、僕たちのカバーも1曲収録させてもらいました。
チャーム:ボーナストラックに入っている『Caress of Venus』という曲ですが、元々日本語だった歌詞の一部を英語と韓国語に翻訳してアレンジしたのが僕らならではの工夫です。他の参加アーティストに比べてまだまだの僕たちHemenwayがバンドとしての特色をどこで出せるのか考えた末、3カ国語での表現を選択しました。
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メンバーとK-POPアイドルの意外なつながり!?
ワンダーガールズ
ワンダーガールズ
アイザック:アメリカに移住してからも韓国には度々行く機会がありましたし、韓国の歌手にも好きな人は多いです。ユン・ドヒョンやNellなどのロックサウンドに影響を受けました。チャームのほうは韓国の音楽ともっと関わりが深く、実はアイドルグループの曲の制作に関わっていた経歴があります。
チャーム:デビュー前に、韓国の音楽事務所・JYPエンターテイメントのセッションギタリストとして働いていました。Wonder Girls(ワンダーガールズ)の「Nobody」のアレンジバージョン、「Anybody」という曲への参加をきっかけにニューヨークにあったJYPの事務所とつながりができ、2PM(ツー・ピーエム)など所属歌手の曲作りに携わりました。基本的にはアメリカで録音した音源を送り、韓国で楽曲として完成する流れでした。今の僕らのサウンドとはジャンルの異なる音楽ですが、自分の感性を広げる上でも、当時の経験はとても貴重だと思っています。
幅のある音楽性を「楽しんで表現」
アイザック:メンバーそれぞれの音楽的関心事や学んできたことに幅があるのも、面白い点です。例えばトシくんはクラシックを勉強してきたり。

トシ:ティンパニーや小太鼓などクラシックの打楽器を日本の大学で専攻していました。その後ジャズに興味をもってバークリーではジャズを学び、今はロックとなる変遷を経ています(笑)。今年の9月発売の『Will You Stay?』という曲では小太鼓をポイントに使用しましたが、かつて学んだことがバンドとしての表現に生かされることも多いです。

チャーム:バークリー音楽大学は理論的な学習に力を入れていることで有名ですが、そこでの学びを織りこむことでHemenway独自の音を作る、というのもバンドのコンセプトとしています。一見シンプルなメロディラインであっても音楽的に細かい工夫を入れたり、「あるようでない」音を作るのが目標です。
オガチン: 誰が聴いてもいいと思えるような曲を作るという前提の上で、自分たちなりの方法を探していけるのがベストですね。
韓国での活動開始…夏フェスへ参戦!
韓国を代表する夏フェスに参戦
韓国を代表する夏フェスに参戦
トシ:メジャーデビューして2年間、楽曲発表もライブも日本を拠点にしてきましたが、今年は韓国の野外音楽イベント「仁川ペンタポートロックフェスティバル2013」へ参加し、初めて韓国で音楽活動を行いました。

アイザック:5曲ほど披露した中で、韓国の歌手のカバー曲を1曲だけ入れました。それが少女時代(ソニョシデ)の『Gee』です(笑)。僕らは韓国語もできるし、ロックフェスティバルでアイドルの曲をやるのも斬新かなと。韓国で歌うのは初めてでしたが、お客さんがみんな情熱的で、とても楽しく舞台に立てました。
Hemenwayは3日目の最終日に演奏
Hemenwayは3日目の最終日に演奏
オガチン:お客さんの反応に日韓の違いを感じられたのが面白かったです。日本のお客さんはまず曲が自分の感性に合うかを判断した上で反応を見せるという印象ですが、韓国のお客さんは、曲を知っているか否かに関わらず、よりストレートに場の雰囲気自体に乗ってくれているのを感じました。

チャーム:お客さんには日本語の歌詞がわからないためかもしれませんが、日本ではサビの部分が頂点になる曲なのに、韓国ではギターの見せ場で歓声がおきるなど、同じ曲でも盛り上がる部分が異なりました。演奏する僕らの予想がいい意味で裏切られるような反応は、とても新鮮な体験でしたね。
芯は通しながら、進化する姿を
9月にゲスト出演した「日韓交流おまつり2013」
9月にゲスト出演した「日韓交流おまつり2013」
トシ:2013年の初めからは10ヵ月連続のデジタルシングルリリースに取り組んだり、楽曲作りも精力的に進めていますが、実はまだアルバムを出したことがありません。今後はアルバムを作って、より幅広い曲を多くの人に届けるのが目標です。コンサートも精力的に、より大きな会場でできるようになりたいです。

アイザック:韓国はやはり生まれた国ということで思い入れも強いですし、日本はもちろん、今後は韓国での活動も増やせたら嬉しいです。韓国のファンの方々にもっと近づくためにも、いつかは韓国でも単独ライブを行ってみたいです。
チャーム:韓国でいうと、僕はいつかバラエティの『無限挑戦(※)』に出演したい…(笑)。そんな人気番組に呼んでもらえるように、Hemenwayの知名度を上げられたらいいですね。僕やアイザックが日本のロックを聴いたときに感じたようなわくわくする感覚を、今度は僕たちの演奏に対して感じてもらえるように、立ち位置をつくっていけたらと思います。

オガチン:Hemenwayで活動しながら、音楽の難しさと面白さを同時に実感しています。バンドとしての筋は通しつつ、曲のバリエーションやライブの方法など、今後もいい意味で変わっていく余地がたくさんあります。どんな進化を見せるか僕たち自身も楽しみですし、ファンの皆さんもそんなHemenwayの姿にこれからも期待してほしいです。

※無限挑戦…毎週土曜日にMBCで放送されている韓国の人気バラエティ番組。コメディアンのユ・ジェソク、ノ・ホンチョルなどのレギュラーメンバーのほか、毎週有名芸能人がゲストで登場する。
インタビューを終えて・・・
実際に聴いてみると、音も歌詞も驚くほどすんなり耳に入りこんでくるHemenwayの音楽。メンバーの多彩なバックグラウンドと音楽に対する強い思いは、複雑さより、余計なものがそぎ落とされたシンプルさとして表現されているのではないかと感じました。日本はもちろん、すでに韓国の音楽ファンも注目のHemenway、これからさらに様々な音楽を届けてくれることを願っています。
Hemenway
米国ボストンのバークリー音楽大学で出会った韓国系アメリカ人のIsaacとCharm、日本人のOgachingとToshiの4人により2010年に東京で結成。2011年11月「Listen」でメジャーデビュー。デジタル配信限定シングルを含む楽曲リリース、東京、大阪を中心とした単独ライブ等を通じ活動。所属芸能事務所はアミューズ、所属レコードレーベルはキューンミュージック。
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  最終更新日:13.10.23
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