韓国人のソルラルの過ごし方は?
韓国では陽暦でも新年の祝いをしますが、日本のような年末年始休暇はなく1月1日が祝日になっているだけ。そのため、韓国の企業で働いている人は、12月31日も1月2日も通常通り勤務があるので、1月1日にお正月気分を味わう時間はあまりありません。
そんな韓国で、お正月連休があって故郷に帰省したりするのが陰暦1月1日の「 旧正月(ソルラル)」です。韓国の旧正月はどういうものなのか、見てみましょう。
準備
ソルラルの贈り物
1週間ほど前になると、 百貨店や 大型マートは「ソルラル」の贈り物を買う客であふれます。韓国では親しい人への贈り物ももちろんですが、親への贈り物も必須です。
旧正月の連休スタート!
ソルラルは韓服(チマチョゴリ)で
昔は、新年を新しい気持ちで迎えようと、新しい服を準備する風習がありましたが、最近はあまり見かけなくなりました。
しかし新婚夫婦や小さな子どもたちは、 チマチョゴリ(韓服、ハンボッ)を着て挨拶することもまだ多いようです。
故郷へ到着
親戚への挨拶まわり
故郷に到着したら、ゆっくり一休み!といきたいのですが、すぐに地元の親戚の家々への挨拶まわりが始まり、長旅の疲れを癒す時間はありません。
料理、茶礼床(チャレサン=先祖供養のお膳)の準備
挨拶まわりが終わったらすぐに茶礼床の準備の始まり。でも、法事の準備をするのは女性だけで、料理の準備も一日がかりです。一方、男性は寝て、食べて、花札やゲームをして遊んでいます。仲が良い新婚さん夫婦も、この連休を境にケンカが始まることもあるとか。
親戚同士が集まれば…
お正月の遊びといえば、ユンノリ、花札と相場が決まっています。
新年の挨拶(セベ)
挨拶を受けた人は、ためになる話や言葉 をかけてあげて、 セベットン(お年玉)をあげます。このお年玉が子供達にとっては一番の楽しみ。40~50歳の大人でも、おじいさんからお年玉をもらえることがあるそうです。
先祖供養の簡単な儀式、茶礼(チャレ)
茶礼床
「茶礼」は午前中に行われます。このときだけは男性陣の出番。先祖にお酒をついで、「今年一年よろしくお願いします」と礼を捧げるのが、この「茶礼」。
「ソルラル」のメインイベントですが、ここに一番苦労した女性陣は参加できず、多くの場合、部屋の外で見守ります。しかしながら最近は少しずつ変わってきて、女性たちも参加する家庭もあるそうです。
トックッ(お餅入スープ)を食べる
「茶礼」が終わったら、家族全員で トックッを食べます。お餅入スープといっても、お雑煮とはまったく違うもの。うす~く切った白いお餅と少しの具が入ったスープ。本来はお餅以外は何も入れないのが良いみたいです。新年に厳粛な心をもつためだそう。
「トックッを食べるとめでたく1歳年をとる」といわれてます。
墓参り(ソンミョ)
トックッを食べ終わったら、先祖のお墓参りに出かけていきます。韓国では昔は土葬が多かったため、地面が盛り上がっているお墓が多いのが特徴です。
再び地獄の帰省ラッシュへ!
「ソルラル」の翌日は連休の最終日になっていることが多く、明日からは出勤や登校です。日本のようにしばらくはお正月気分でいられる、という感じではありません。
「ソルラル」を終えて、家族とのしばしの別れの後には、Uターンラッシュが再び待っているので、気持ちをしっかりと保って出発します。
連休終了
そして次の日からは、普段とかわりない毎日が始まります。
こうしてみると忙しくて大変な日という印象を受けますが、家族が久しぶりに全員あつまって過ごすこと、それが韓国人にとってはとても大事なことなんでしょうね。でも、やっぱり「もう、うんざり!」と思っているお嫁さんも結構いて「ソルラル」や「 秋夕(チュソク)」前後には『お嫁さんシンドローム』なんて言葉が流行るんだとか…
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