韓国海苔巻きキムパッは手軽に食べられて、子どもから大人まで老若男女に人気のメニュー。専門店や コンビニ、 屋台などで気軽に購入できます。
カラフルで見た目も楽しめるキムパッは栄養価が高く、人気韓国料理のひとつ。そんなキムパッの種類や特徴、起源から作り方までキムパッのあれこれを探ってみましょう!
キムパッとは?
キムパッとは、ご飯といろんな具を海苔で巻いた韓国風海苔巻きのこと。韓国では 軽食(粉食、プンシッ)に分類されます。
一口大に切られ食べやすいことから、遠足や登山で食べられる定番のお弁当メニューとして親しまれており、移動中など時間のないときに食べるファーストフード的存在でもあります。
キムパッはどういう意味?
ハングルで김밥と書きます。韓国語で「김 キム」は 韓国海苔、「밥 パッ」はご飯を指します。「キンパ」「キンパッ」「キンパプ」「キムパプ」などとカタカナ表記が異なりますが、全て同じ韓国海苔巻きを指す単語です。
長さ20cm/重さ300g/太さ4.5cmが一般的なサイズ
(反時計回りに)玉子焼き、ハム、たくわん、ニンジン、ほうれん草、ごぼう、オデン(練り物)
キムパッの起源
キムパッは、 テボルム(陰暦1月15日)にご飯を海苔や干した山菜で包んで食べる風習から来ていると言われています。のちに家庭で食べるおかずや数種類のおかずを、外出する際にお弁当として簡単に持っていけるようにと誕生したのがキムパッだとか。
初期のキムパッは、ごま油や塩で味付けしたご飯にほうれん草やたくわんを入れただけの おにぎりのようなものであり、徐々に生活が豊かになるにつれ多くの具が加わるようになりました。
その後、1990年代には飲食店で気軽に食べられる「即席キムパッ」という外食産業が誕生し、お客さんのニーズに応えながらツナ、牛肉、キムチ、チーズなどのバラエティーに富んだキムパッが登場します。
キムパッが日本の海苔巻きの影響を受けているという説もありますが、韓国が先に海苔を食べたと言う記録も残っており諸説様々です。
キムパッの材料
ごぼうやたくわん、ソーセージなどはキムパッ用の細長い具材として 大型マートなどで販売されています。ほうれん草やニンジン、卵焼きなどは別途用意する必要があります。食べやすさに反して、作るのはなかなか手間がかかります。
ご飯
海苔
たくわん
炒めたニンジン
ほうれん草の和え物
(写真では茹でたニラ)
ごぼうの煮付け
玉子焼き
ハム
キムパッセットで手軽に
巻きすのいらないミニタイプ
味付けソース、胡麻ふりかけ、海苔、ごぼう、たくわん、ニンジンが揃ったキムパッセット!
ご飯に味をつけて海苔にご飯と具を載せて巻くだけで完成、子どもでも簡単に作れます。おみやげとしてもおすすめ。
玉子やほうれん草など家庭にある具材をプラスしても良いでしょう。大型マートなどで手に入ります。
日本で人気のバンダイのおもちゃ「のりまきまっきー」は バンダイコリアからも「ドルドルマリキムパッ」として韓国で発売しています。
キムパッの作り方の手順
1.ご飯にごま油、味塩を入れて十分に冷まします。
2.茶碗1杯分のご飯を手に取ります。
3.巻きすの上に海苔を載せ、ご飯を広げます。海苔の上部にはご飯を載せないのが
ポイント。
4.たくわん、炒めたニンジン、ほうれん草の和え物、ごぼうの煮付け、玉子焼き、ハムを順に入れていきます。
5.具があふれ出ないように巻きすでギュッと押しながら巻きます。
6.ひと口大に切ります。
キムパッ作りのコツ
ご飯と具は適量を入れないと溢れ出たりスカスカになるので要注意。
具は、細かく切ったほうれん草、ごぼうは内側に、たくわん、玉子、ハムなど長く、くずれにくいものは外側に入れて巻くと、ボロボロと中身があふれ出ません。
具を並べる位置に注目!
ツナマヨがあふれ出ないよう
エゴマの葉でくるむ
力加減も大事で、押すように力強く巻くとご飯がかたくなり、逆に力を入れずに巻くと海苔、ご飯、具がくずれてしまいます。
ご飯や具が温かいと傷みやすいので、作ってすぐに食べない場合はしっかり冷ましてから。何かひとつでも温かいと失敗のもと。最低1時間は冷ますようにしましょう。ご飯が温かいと海苔もふやけてしまいます。
代表的なキムパッの具材
一般的なキムパッには、たくわん、ニンジン、ほうれん草などが入っていますが、メインとなる具材によって、キムパッのメニュー名が変わります。
ツナ(韓国語でチャムチ)は「チャムチ・キムパッ」に、チーズは「チーズ・キムパッ」、プルコギが入ると「プルコギ・キムパッ」などと呼ばれます。
野菜キムパッ(야채김밥)
ツナキムパッ(참치김밥)
チーズキムパッ(치즈김밥)
牛肉キムパッ(소고기김밥)
変わりキムパッ
海苔の代わりに卵焼きで巻いたものや、ミニサイズのキムパッ、ご飯自体を栄養価の高いものにしたりするなど、お店によって形態もさまざまです。
卵で巻いたキムパッ(계란말이김밥)
ミニサイズのキムパッ(꼬마김밥)
あわび入りご飯キムパッ(전복김밥)
キムパッのベストコンビは?
日本でおむすびと漬物を一緒に食べるように、韓国ではキムパッを食べるときはたくわん(タンムジ)を一緒に食べるのが基本!
キムパッを テイクアウトする際は、キムパッにたくわんの味が染み込まないようにと、親切にたくわんを別途ビニール袋に入れてくます。
キムパッだけを食べるにはなんだか少し物足りないということで、飲食店で食べるときはキムパッと一緒に ラーメンや トッポッキ(お餅の甘辛炒め)、ラポッキ(ラーメン+トッポッキ)などの粉ものも食べる人が多いとか。キムパッと粉ものはベストコンビのよう。
キムパッは縦に食べる?
縦長のキムパッを箸を使わずに、節分の日に食べる海苔巻きのごとく縦に食べる人も。
たいていキムパッをテイクアウトするとアルミホイルに包まれており、アルミホイルを食べる分だけはがして食べる器用な技を披露。ゆっくり食べる時間がないという人、面倒くさがりの人たちがこのように食べるようです。
切れていないキムパッをバクバク噛みちぎりながら食べたいという人は、お店で「切らないで(アンチャルラジュショドテヨ)」とリクエストしましょう。
キムパッ専門チェーン店をはじめ、軽食店、コンビニ、屋台など、どこでもすぐに買えて、食べられるキムパッ。味や具材がお店ごとに違っていて、食べ比べてみると楽しいかも。
キムパッチェーン店や軽食店
キムパッをはじめラーメンなどの粉もの類、ビビンバなどの食事類も揃っているキムパッチェーン店を利用する人が多く、テイクアウトもできるのでゆっくり食べる時間がないという方にもおすすめ。また1人で利用する人も多く、お一人様にぴったり。
コンビニ、屋台
忙しい朝の通勤・通学時間や昼食タイムなどに買って食べる人が多いコンビニ、屋台のキムパッ。手軽さと安さも魅力のひとつ。駅の構内にはスタンド形式のお店やテイクアウト専門店などもよく見かけます。
コンビニで売っているキムパッ
天ぷら、オデンなどの屋台で一緒に売られていることが多い
有名チェーンキムパッ天国の不思議
有名なキムパッチェーン店「 キムパッ天国(チョングッ)」。実は、同じ「キムパッ天国」でも経営する会社が違います。異なる会社が同じ商号を使ってもOKだなんて驚き!あるキムパッ天国の本社に電話して味に違いがあるのか聞いてみたところ、「どこも同じだと思いますよ。」とあっさりひと言。それでは実際にどうなのか2社の「キムパッ天国」の牛肉キムパッを比較してみました!
A社のキムパッ天国
薄切り牛肉使用。お肉に醤油ダレの味が
しっかりついていて量も多い。
B社のキムパッ天国
細かく切った牛肉使用。お肉がパサパサして
少し硬い。量も少なくタレの味がほどんどしない。
※同じ会社のキムパッ天国でも店舗によって、味、具材などが多少異なることもあります。
進化するキンパッは海外でも人気韓国料理に
時代によって少しずつ味、形、食べ方など変化し続けているキムパッ。
韓国農林畜産食品部と韓食振興院が2022年に外国人を対象にしたアンケートでは、よく食べる韓国料理の1位は チキン、2位は キムチ、3位 ビビンバ、4位トッポッキ、5位キムパッという結果も。今や立派な韓国フードの代表といえるでしょう。
どこでも手軽に食べられて、種類も豊富。韓国旅行の際には日本の海苔巻きとは違うキムパッをぜひ試してください。
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