現金領収証(현금영수증)制度とは?
韓国在住者の方は買物時、店員さんに「現金領収証は必要ですか?(ヒョングム ヨンスチュン ピリョハセヨ?)」と質問されたことはありませんか?現金領収証は納税と関わりがあります。
年末調整(韓国では年末精算と言う)時には所得控除の対象となるので、韓国で仕事をし、納税をしている人には知っておくとよい制度と言えます。
現金領収証制度は現金支払時に専用カード、もしくはあらかじめ登録しておいたカード( 積立式カード、クレジットカードなど)、 携帯電話番号などの情報を提示すれば加盟店が現金領収証発行装置を通じて、現金領収証を発給し、現金決済の内容別内訳が国税庁に通知される仕組みです。
昔ながらのクモンカゲ(個人商店)には領収証がない
現金領収証制度は2005年1月1日から始まりました。国税庁のクレジットカード利用推進策により、飛躍的にカード利用率は高まったものの、民間消費支出のおよそ50%が現金で占められ、領収証を伴わない現金取引が主である自営業者の所得把握が難しいことから導入された制度です。
現金領収証を集めて年末調整で還付金を
所得税を納めている勤労所得者及びその扶養家族は総給与額の20%を超過する現金使用額の20%が500万ウォンを限度として、年末調整時に所得控除の対象となります。
現金領収証制度を利用しなかったAさん
総給与額が3,000万ウォンであるAさんの総支出額2,000万ウォン中、
1,000万ウォンをクレジットカードで支払った場合の所得控除額は?
(クレジットカードの使用額−総給与額×20%)×20%
=(1,000万ウォン−3,000万ウォン×20%)×20%
=80万ウォン(所得控除額)
現金領収証制度を利用したBさん
総給与額が3,000万ウォンであるBさんの総支出額2,000万ウォン中、
1,000万ウォンをクレジットカードで支払い、800万ウォンは現金領収証をもらった場合の所得控除額は?
(クレジットカード、現金の使用額−総給与額×20%)×20%
=(1,800万ウォン−3,000万ウォン×20%)×20%
=240万ウォン(所得控除額)
※現金領収証制度を利用したBさんはAさんにくらべて所得控除対象額に160万ウォンもの差が生じました。
現金領収証のもらい方
「ヒョングム ヨンスチュン チュセヨ」
金額に関係なく現金で支払った場合に受け取ることができます。以前は5,000ウォン以上の場合が対象でしたが2008年7月1日以降、金額は関係なくなりました。現金での支払い時には「現金領収証をください(ヒョングム ヨンスチュン チュセヨ)」と言いましょう。
その際、国税庁発行の現金領収証専用カード、あらかじめ登録しておいたクレジットカード、各種メンバーシップカードを提示、もしくは携帯電話番号、 外国人登録番号(在日韓国人の場合は国内居所申告番号)のいずれかを精算時に伝えて、入力してもらう必要があります。
なお、現金領収証の発行を拒否した事業主がいれば告発することができる制度もあります。
現金領収証サービスのHPから会員登録をする
この制度を利用するためには、まず国税庁の現金領収証サービスホームページから、会員登録をする必要があります。
※日本語OSのPCで登録する場合、文字化けすることがあります。韓国語OSのPCで登録手続きをすることをおすすめします。
サイトへアクセス
1.現金領収証サービスホームページへアクセスします
2.右上の会員加入(회원가입)のボタンをクリック
3.利用約款を読み、消費者(소비자)を選択して同意するをクリック
個人情報入力
外国人登録番号(在日韓国人の場合は国内居所申告番号)、名前を入力します。名前を入力後はすぐ横の「実名確認」ボタンをクリックします。
外国人登録時に記載した通りでないと認識されませんので、姓と名の間のスペースの有無などに注意してください。
使用ID(右の「重複確認」で他のユーザーと重複がないかを確認)、パスワード、パスワードの確認、電話番号を入力します。
宝くじへの参加を希望する場合は口座の名義人、銀行、口座番号を入力し、その他項目は任意で記入し、最後に確認ボタンをクリックします。
精算時に提示する情報を入力します。上から現金領収証専用カード、その他のカード類の番号を入力するようになっています。
自分が利用する予定のカード番号 (13桁以上、19桁以下) を入力し、登録ボタンをクリックします。携帯電話番号は個人情報入力時のデータが反映されています。
【参考】 使用できるカードの例
下の部分は必要に応じて、給与所得者もしくは個人事業主が勤務先または業務上の支出経費用の現金領収証の発行を希望する場合は事業者登録番号を入力します。
登録されたという表示が出るので、確認ボタンをクリックすれば会員登録の完了です。
現金領収証専用カードとは?
現金領収証専用カードの作成には別途申請が必要になります。会員登録時、申請を促すウインドウが表示されるので、指示に従って入力していきます。現金領収証専用カードは1人あたり1枚だけ申請が可能です。
専用カードには番号以外の情報がないので個人情報の流出防止、精算時に携帯電話番号や外国人登録番号をいちいち入力する手間が省け、入力ミスを防げる、というメリットがあります。
1.専用カードの希望配送地を入力。自宅でも勤務先でも任意で指定できます。
2.入力した住所に間違いがないか確認画面が現れるので問題がなければクリック
3.登録されたという表示が出れば完了。1週間程度で配送されます。
4.専用カードが配送されてきたら現金領収証サービスホームページにアクセスし、ログインした後、会員情報管理のカード・携帯電話番号変更のページを見てみると、送られてきたカードの番号が登録されていることが確認できます。
現金領収証制度を積極的に利用しよう
日常の買物の支出額が年末調整の所得控除の対象になるのが日本とは異なる点で、また、その額は年間を通してみると無視できない大きさです。また月に一度の宝くじもちょっとしたボーナスで楽しみがあります。韓国で所得を得て、納税をしている人ならば、積極的に利用してメリットを享受しましょう。
現金領収証相談センター(電話):1544-2020
ホームページ:http://www.taxsave.go.kr
<事業主の方へ>
雇用した従業員の年末調整など、会計・税務を代行する税理士法人もあります。日本語で韓国の会計・税務サービスを提供できる税理士法人で、現在、韓国で活動している日本人経営者さまを、日本語でサポートしています。
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