韓国旅行「コネスト」 韓国の市民団体(中編) | 社会全般 | 韓国文化と生活
KONEST

韓国の市民団体(中編)

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前編では、暮らしの問題から社会的な問題まで、韓国社会の実情を反映した様々な市民団体があることをご紹介しました。それぞれの課題に向かって色々な活動が行われていますが、その一員としてかかわることのできる方法のひとつに「ボランティア」があります。

特に留学就職などで韓国に暮らす方々は、空き時間や週末を活動時間に充てることができるので余暇の過ごし方としてもおすすめ!今回は、韓国でボランティア活動を始めるにはどうしたらよいのか、具体的な方法をご紹介します。
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どんなことができる?多様な活動分野から選ぼう
「関心はあるけど、自分には何ができるんだろう?」そう思う方も多いかもしれません。ボランティアとひとくちに言っても、その活動分野や活動内容は非常に多岐に渡ります。また、社会福祉や保健・医療など、特別なスキルを必要とする一部分野では、現在取得している資格(ホームヘルパー、介護福祉士、医師、看護師など)を生かせる場合もあるので参考にしてみてください。
分野 主な活動場所 活動内容
社会福祉 保育園、育児院、社会福祉施設(老人、障がい者) 理容美容、家庭訪問、食事提供、行事の手伝い
文化 文化財、古宮、博物館、美術館 文化施設案内、イベント補助、観光案内
環境保護 公園、河川、山、路地 環境整備活動、キャンペーン、リサイクル運動
保健・医療 地域の社会福祉機関 診療、健康増進キャンペーン、ホスピスでの活動
国際関係 NGO、社会福祉機関 通訳、ホームページ翻訳、書籍翻訳、外国語教育
公共機関 地域の社会福祉機関 行政事務補助、案内・広報
災害・救護 街頭、災害地域 災害予防キャンペーン、復旧支援
※活動分野は一般的な例です
忠清南道(チュンチョンナムド)泰安(テアン)沖

原油流出事故(2007年)の復旧活動
忠清南道(チュンチョンナムド)泰安(テアン)沖
原油流出事故(2007年)の復旧活動
お年寄りへのマッサージボランティア
お年寄りへのマッサージボランティア
春を前に地域内の歩道へ花を植える活動
春を前に地域内の歩道へ花を植える活動
※写真:麻浦区ボランティアセンター提供
韓国でLet’sボランティア!活動までの流れを紹介
ボランティアは初めて、という方は、自宅や学校、職場など身近な場所でスタートしてみるのはどうでしょう。また、特技や資格を生かせる活動先や分野が既に決まっている場合もあるかもしれません。ここでは、「身近な地域ではじめる場合」と「活動希望先・分野が決まっている場合」の2つのケースについて、活動までの流れをみていきましょう。
<身近な地域ではじめる場合>
1.活動したい地域のボランティアセンターを探す
2009年、ソウル市に登録されているボランティア人口は何と100万人以上!ボランティアや市民活動に関心の高い韓国では、行政システムも比較的整っています。中でも代表的なのが、国内約250の地方自治体(道・市・郡・区)に設置されている地域ボランティアセンター。「社団法人韓国ボランティアセンター中央会」のホームページ(韓国語)では、全国各地のボランティアセンターを検索することができます。
韓国ボランティアセンター中央会の

ホームページ
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ホームページ
ページ上段のメニューから「ボランティアセンター案内」→「地域センター案内」を選ぶ
ページ上段のメニューから「ボランティアセンター案内」→「地域センター案内」を選ぶ
韓国地図をクリックすると、その地域のボランティアセンターの情報が表示される
韓国地図をクリックすると、その地域のボランティアセンターの情報が表示される
~地域ボランティアセンターのホームページをのぞいてみよう~
ソウル市ボランティアセンター

(一部、外国人向け英語コンテンツあり)
ソウル市ボランティアセンター
(一部、外国人向け英語コンテンツあり)
麻浦区(マポグ)ボランティアセンター
麻浦区(マポグ)ボランティアセンター
ホームページ内には求人リストも
ホームページ内には求人リストも
2.申し込む
外国人の場合、各地域のボランティアセンターにつながる専用電話(市外局番-1365番、韓国語のみ)にかけるか、または直接ボランティアセンターを訪問して申し込み&登録を行います。ソウル在住者は、市が運営する電話相談サービス「タサンコールセンター(局番なし120番、日本語可)」でもボランティアに関する案内を受けることができます。
※韓国国内の市外局番はこちらを参照
やってきたのは麻浦区庁
やってきたのは麻浦区庁
~地域ボランティアセンターは、こんなトコロ! 麻浦区の場合~
地域ボランティアセンターは、自治体庁舎の中にある場合もあれば、単独の施設として存在している場合もあります。今回コネスト記者が訪ねてみたのは、ソウルワールドカップ競技場の近くにある「麻浦区ボランティアセンター」。

申し込み手続きから活動分野についての相談、ボランティアに関する資料閲覧まで、気軽に立ち寄れ利用できます。
センターがあるのは区庁舎1階
センターがあるのは区庁舎1階
センター内部
センター内部
連絡先や外国人登録番号(居所申告証番号)などを申込書に記入(英語版あり)
連絡先や外国人登録番号(居所申告証番号)などを申込書に記入(英語版あり)
ガイドブック(左・黄色)や基本教育受講後にもらえるボランティア手帳(中央・黒)など
ガイドブック(左・黄色)や基本教育受講後にもらえるボランティア手帳(中央・黒)など
親身に相談にのってくれる
親身に相談にのってくれる
ボランティア関連の書籍も色々
ボランティア関連の書籍も色々
3.基本教育の受講&活動へ
登録が済んだら、各自治体で月1回実施している基本教育に参加します(日程は各自治体で異なる)。講義は韓国語で行われますが、団体(10人以上)で申し込む場合は通訳ボランティアの助けを借りられる場合もあるそう(要問い合わせ)。基本教育の受講は義務ではありませんが、ボランティアの概念や活動の際の姿勢やマナーなど基礎知識を学べるので受講しておくと良いでしょう。

活動は、各地域のボランティアセンターホームページに掲載されている求人リストで検索して電話で申し込めばOK。また、ボランティアセンターを訪問すれば、相談を通じてより希望に沿った活動を探すことができます。
基本教育の様子
基本教育の様子
除雪作業ボランティア(2010年1月)
除雪作業ボランティア(2010年1月)
※写真:麻浦区ボランティアセンター提供
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<活動希望先・分野が決まっている場合−韓国移住女性人権センターを例に>
韓国移住女性人権センターのホームページ。

右側に「自願活動案内」の表示
韓国移住女性人権センターのホームページ。
右側に「自願活動案内」の表示
1.情報収集&連絡する
ボランティアを必要とする市民団体の多くは、ホームページ内にボランティアを意味する「自願奉仕(チャウォンポンサ、자원봉사)」や「自願活動(チャウォンファルトン、자원활동)」、「奉仕活動(ポンサファルトン、봉사활동)」などの名でコーナーを設けて募集をかけています。

大抵は活動内容が記載されているので、自分にできそうな活動なのか、事前にきちんと確認を。気持ちが固まったら、電話やメールで直接連絡を取ってみましょう。「活動したい分野はあるけど団体が分からない…」というときは、「市民運動情報センター」のNGO検索ページ(韓国語)が便利。活動分野や地域を指定して韓国国内の市民団体を探せます。
やってきました。少し緊張気味
やってきました。少し緊張気味
2.訪問&活動内容相談
活動希望先の団体と連絡がとれたら、詳細な活動内容を相談・決定するために直接足を運びます。

今回コネストスタッフは、以前から関心を持っていた国際結婚女性に関する団体を探してみたところ、韓国語を教える活動などを行っている「韓国移住女性人権センター(ソウル市鍾路区崇仁洞)」という市民団体を発見。

早速ホームページを見て連絡後、施設や韓国語教室の見学なども兼ねて訪問してみることになりました。
訪問後、まずはボランティア登録用紙に必要事項を記入。そして現在の語学力を確認するため韓国語のレベルテストを受けました。テストの結果をもとに団体スタッフと活動内容について相談すると、韓国語講師を希望する場合は、韓国語を母国語としないため、アシスタントからスタートするのが良いのではないかというアドバイス。

他にも、面談時の通訳、母国語でセンターのプログラムを電話案内する活動、イベント案内チラシの翻訳など、様々な活動があることを詳しく教えていただけました。
登録手続きをしながら活動内容について相談
登録手続きをしながら活動内容について相談
登録用紙には韓国語能力試験など

保有資格や滞在歴なども記入
登録用紙には韓国語能力試験など
保有資格や滞在歴なども記入
3.活動へ
具体的な内容などが決まったら、所定の日時、場所へ行き活動します。ボランティア申し込み者を対象に、実際の活動前に研修が行われる場合もあります。

ボランティアを求める人々や、ボランティアが必要とされる状況がすぐに見つかれば、すぐに活動を始めることができますが、特定の団体での活動を希望する場合、ボランティアに登録したものの、なかなか機会がやってこないことも多々あります。そういった場合は、気長にスキルを磨きながら機会を待つことも大切です。
自分の意思で始めるため責任も伴うボランティア。しかし、多くの人が役割を果たせたときのやりがいや達成感はひとしおだと言います。韓国移住女性人権センターの韓国語教室で出会った、ボランティア参加者と利用者のお二人に実際にお話を聞いてみました。
チョンさん(左)とウォンさん(右)
チョンさん(左)とウォンさん(右)
チョン・ウンミさん(2008年より韓国語講師として活動中):インターネットを通じて団体の存在と韓国語講師の募集を知りました。本職でも韓国語を教えていますが、その経歴を生かしたいと思い、すぐにメールを送りました。

私が担当するのは「言葉の習得」という国際結婚女性にとって切実な問題。趣味として始めるボランティアもありますが、十分に実力をつけてから活動を始めることで、より利用者の満足を引き出せる場合もあります。
ウォン・ジヨンさん(ベトナム出身、2002年来韓):韓国語教室は2年目で、今上級クラスです。ささいな質問でも最後まできちんと答えてくれるので助かります。私自身まだ学ぶべき部分は多いですが、最近、韓国に来て間もないベトナム出身の女性たちに母国語で韓国語を教える活動をはじめました。
制度の整った韓国でチャレンジしてみよう!
ボランティアに関して、行政の制度化、民間の取り組み、ともに高い水準にある韓国。以前から関心はあったけれどきっかけがなかったという方、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

活動分野が多様な分、韓国語のレベルに応じてできることも色々ありますよ。たくさんの出会いや発見を得られるボランティア活動は、韓国社会とのつながりを深められる貴重な機会になるでしょう。
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  最終更新日:10.01.28
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