韓国銀行によると、5万ウォン札の貨幣還收率(貨幣発行額に対する貨幣還收額の比率。比率が高いほど流通しているという意味)は2012~2014年の間に25%台まで落ち込みました。
カード社会の韓国では、現金よりもカード払いが一般的です。また、インターネットバンキングはもちろん、最近はモバイル決済サービスも充実しています。そのため、高額の紙幣が使われにくいことも関係しているかもしれません。
そんな中、2017年3月にはかつてない65%台まで回復。この背景には、大きく2つの要因が影響しているとされています。
1つは、韓国銀行が、かねてから社会的に疑惑が持たれていた5万ウォン札での裏金工作・不正取引の防止対策を2015年から積極的に行なったこと。5万ウォン札還收率の高い銀行や金融会社を対象に新札の1万ウォン札が割り当てられ、5万ウォン札回収が促されたことで、より正確な還收率の算出が実現したという見方です。
もう1つは、公務員や教職員らへの贈り物の上限を5万ウォン以下と定める「不正請託および金品授受禁止法」(通称キム・ヨンラン法)の制定(2016年9月)によって、法人カードの使用が自然に減り、代わりに現金払いが増えたことです。