コネストの目!ニュースで見る韓国~2008年夏編~
2007年5月にスタートした「韓国HOTニュース」コーナー。今、韓国でどんなことが起こっているのか、どんなニュースが話題なのかをリアルタイムで知ることができると、読者の皆さんから好評を得ています。
コネストでは、今夏話題性の高かったニュースをピックアップしてご紹介!ニュース報道を通して韓国の「今」に迫ります!
政治:韓米牛肉交渉妥結
2008年4月、狂牛病の危険がある米国産牛肉の輸入再開を発表した韓国政府に対し、安全性を問題視する国民は猛反発。徐々に悪化する世論を受け実施された韓米両国の追加交渉が6月21日、生後30カ月以上の牛肉を韓国に輸入しないことで合意しました。
しかし、この牛肉輸入問題が引き金となり、内閣は発足からわずか3カ月で総辞職に追い込まれるなど国政は大きく混乱、李明博(イ・ミョンバク)政権の主要公約だった「747(今後10年間で平均7%の成長を実現し、10年後に国民所得4万ドルを達成、世界第7位の経済大国になること)」の達成も遠ざからざるを得なくなりました。
◀ 米牛肉輸入および国政刷新についての会見で謝罪する李大統領
政治:金剛山韓国人観光客射殺事件
7月11日、北朝鮮・金剛山(クムガンサン)特区内の海水浴場付近で、韓国人観光客の女性が胸と足に銃弾を受け死亡する事件が発生しました。午前4時30分頃、1人で散歩に出かけた女性が、北朝鮮側の軍事保護施設地域だと知らずに入り込み、見張りの兵士から銃撃されたと見られています。金剛山観光事業を主催する現代峨山(アサン)はこの事件を受け、真相が明らかになるまで金剛山観光を暫定中断することを決めました。一方、死亡地点や死亡時刻などについて韓国政府の中間調査結果と北朝鮮側の主張に開きが見られるなど依然として疑惑が残っており、事件は長期化の様相を呈しています。
▲ 現代峨山が公開した事件現場付近の 観光統制フェンス
社会:都心で大規模キャンドル集会
5月初旬に始まったソウル都心での米国産牛肉輸入に反対するキャンドル集会が、警察による参加者の強制連行、輸入衛生条件の長官告示発表などを経て徐々に大規模化。6・10民主化抗争21周年目に当たる6月10日夜には6万人余りが市庁(シチョン) 前広場に詰め掛け、牛肉問題発生以来最大規模のキャンドル集会が行われました。参加者は家族連れ、青少年、大学生、会社員など様々。野党政治家や労働組合、宗教界など各界からも賛同が相次ぎました。こうした反対デモは、追加交渉を受けての新輸入衛生条件告示発効後さらに過激化、警察の過剰鎮圧による負傷者まで続出し、ソウル中心部は連日騒然とした雰囲気に包まれました。
▲ 都心を埋め尽くしたキャンドル
社会:例年より早い猛暑到来
例年なら7月下旬に訪れる本格的な暑さが、今年は北太平洋高気圧の異例の発達で半月以上も早い7月初旬に始まりました。最高気温が猛暑特別注意報の基準となる33度を越えた日は、6~8月にソウルで29日、大邱(テグ)は60日を記録。猛暑による65歳以上の高齢者の死者は、例年平均の倍にも達しました。また、夜でも最低25度以上という熱帯夜も各地で増加、専門家はその理由について、「地球温暖化で韓国全体の平均最低気温が日増しに上昇しているため」と分析しました。
避暑のため漢江(ハンガン) 市民公園を訪れた市民たち ▶
経済:米国産牛肉売れ行き好調
キャンドル集会の発端となった米国産牛肉が、7月1日、韓国国内で販売開始されました。この日、ソウル市内のある輸入肉専門精肉店では5時間で全量が売り切れたほか、電話での注文が殺到するなど好調な売れ行きを見せました。精肉店、一般飲食店での販売に続き、7月下旬には「LAカルビ」と呼ばれる米国産骨付き牛肉も4年7カ月ぶりに国内に上陸。業界関係者は「予想外の好調な売れ行き。今後、秋夕(チュソク) を控えて需要はますます増加するだろう」との見込みを示しました。
◀ 店頭に並べられる米国産牛肉
経済:原油高騰で省エネ・節電進む
原油価格の高騰が続くなか、地方自治体などの公共部門を筆頭にエネルギーの使用を控える省エネや節電対策が活発化しました。ソウル市は街灯や歩行灯の点灯を半分に減らす隔灯制(2基のうち1基だけ点灯する)を拡大実施する方針を示したほか、市内の交通信号機を2009年までにすべて高効率の省エネLED(発光ダイオード)信号灯へ付け替えることを発表しました。また庶民の間では自転車の利用が急増、ヘルメットやバッグなど自転車用品の売上高も例年に比べ大きく伸びました。
軽装勤務が認められた大邱(テグ)市西区(ソグ)庁の職員たち ▶
文化・芸能:クォン・サンウ結婚発表
7月18日、韓流スターとして知られるクォン・サンウが、ソウル市内のホテルで記者会見を行い、ミスコリア出身の女優ソン・テヨンと9月に挙式することを電撃発表しました。共演経験のない2人ですが、共通の知人を通じて知り合い、交際をスタートしたとか。クォン・サンウはプロポーズについて、「指輪を渡す際、感極まって泣いてしまった」というエピソードも紹介するなど、終始明るい笑顔で会見に臨みました。会見場にソン・テヨンは姿を現しませんでしたが、クォン・サンウは「すべてをかけても惜しくない女性」とフィアンセに対する限りない信頼と愛情を明かしました。結婚式は9月28日にソウルの新羅(シーラ)ホテル にて非公開で行われる予定です。
▲ クォン・サンウ(左)とソン・テヨン(右)
文化・芸能:日韓で活躍する俳優・アーティスト増加
今期は韓国・日本での活動を本格化させる両国の俳優・ミュージシャンが飛躍的に増えた時期でした。4月初旬から日本に滞在中の5人組アイドルバンド「FTアイランド」は、6月に日本で初めてミニアルバムをリリース。タワーレコードのワールド部門ウイークリーチャートで1位を記録すると同時に、ベストセラーチャートでもトップに立ち注目を浴びました。さらに東京・名古屋・大阪などでライブハウスツアーも展開、各地で多くのファンの声援を受けました。
FTアイランド ▶
新メンバーのイ・ソクフンを迎えた男性グループSG WANNABE+は、2006年以来7回目となる日本でのソロコンサートを開催するとともに、日本第1弾シングルをリリースしました。シングルのタイトル曲「GET ALONG TOGETHER」は、1993年に180万枚の売り上げを記録した山根康弘の同名曲をリメイクしたもの。同氏もサウンドプロデューサーとして参加するなど、注目の1枚となっています。
◀ SG WANNABE+
一方、活動の舞台を韓国に広げる日本のタレントやアーティストも続々登場しました。韓国のドラマやCMの挿入曲に使われ、国内の音楽ファンにもなじみが深いビーザボイスや、人気バンドのバンプ・オブ・チキンはソウル市内で来韓公演を行い、大勢の観客を集めました。また2004年から毎年韓国を訪れ、2006年には仁川(インチョン)ペンターポート・ロックフェスティバル にも出演したビジュアル系ミュージシャン、雅(Miyavi)も、和太鼓演奏など和風な要素を取り入れたステージを韓国で披露しました。
雅(Miyavi) ▶
韓国のドラマや映画に主要キャストとして出演する日本の俳優も登場。中でもダンキンドーナツ のCMやMBCドラマ「ソウルメイト」などへ出演経験のある大谷亮平は、韓国の芸能事務所と専属契約を締結。自身も韓国語の発音練習に積極的に励んでおり、今後の活躍が期待されています。
◀SBSドラマ「東京、天気雨」制作発表会での大谷亮平
スポーツ:ソウルで初のW杯予選南北戦
南アフリカ共和国で開催される2010年W杯。そのアジア3次予選最終戦として、韓国対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)戦が、ソウルのワールドカップ競技場で開催されました。60年以上の南北分断という歴史を抱えた両国。実は今回がソウルで開催される初めてのW杯予選南北対決でもあり、試合の行方はもちろん、南北の和解へ願いを込めるイベントとしても大きな注目を集めました。 関連記事:サッカーW杯予選南北戦レポート
試合は韓国が終始ペースを握るも、北朝鮮の堅い守備に阻まれ、0対0の引き分けという結果。しかしスタジアムには巨大な韓半島旗がはためき、南北両選手の健闘をたたえる割れんばかりの拍手が巻き起こるなど、国民の統一への強い思いが改めて確認された記念すべき日となりました。
◀ 北朝鮮選手を起こすアン・ジョンファン選手
スポーツ:北京五輪開幕
2008年8月8日午後8時(日本時間午後9時)、北京五輪が開幕しました。今回のオリンピックには過去最多となる205カ国の選手が参加、17日間にわたって熱戦を繰り広げました。韓国選手の活躍も目立ち、アーチェリー、柔道、競泳、重量挙げ、バドミントン、テコンドーなどで史上最多となる金メダル13個を獲得、メダル数では総合7位となる健闘を見せました。中でも「マリンボーイ」こと朴泰桓 (パク・テファン、19、檀国大)は、男子自由形400メートルで韓国競泳史上初となる五輪金メダルを獲得、続く自由形200メートルでもアジア新記録をマークして銀メダルを獲得し、韓国国民に大きな感動と喜びをもたらしました。
2つのメダルを手に笑顔の朴泰桓 ▶
また重量挙げ女子75キロ超級に出場した張美蘭(チャン・ミラン、25、高陽市庁)は、スナッチ、ジャーク、スナッチ+ジャークなど3部門で世界新記録を樹立して金メダルを獲得、その力闘に韓国はもちろん世界が大いに沸きました。
李明博政権初期となった2008年夏は、米国産牛肉輸入をめぐる一連の問題で韓国の政治、そして社会が大きく混乱し、騒然とした時期になりました。特に連日行われたキャンドル集会は、食品の安全性と国政に対する国民の関心の高さを如実に反映しました。また一方では、韓国だけでなく世界を舞台に大きな活躍を遂げるスポーツ・芸能分野の人物たちが続々登場、希望と感動をもたらしてくれました。
さあ、来シーズンはどんな出来事が私たちの元に届くのでしょうか?芸能でもよし、食べ物でもよし、スポーツでもよし、どんな面からでもいいので韓国にアクセスし、もっと韓国を知ってもらいたい。そんな思いで、これからもコネストは韓国からニュースを発信し続けます。皆さんもぜひ、韓国のニュースにご注目くださいね。
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掲載日:08.08.26※内容は予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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