陰暦で祝う韓国の名節
韓国に陽暦が取り入れられたのは1896年。当時の王・ 高宗の詔勅によって導入された(日本は1873年に明治政府が導入)。
陽暦が取り入れられて100年以上経った現在、すでに暦の上でしかその名残を見ることができない日本に比べ、韓国では今でも旧正月(ソルラル)、秋夕(チュソッ)をはじめとした主要な名節(ミョンジョル)は陰暦(太陰太陽暦)で祝われる。
陰暦は日常使う陽暦とずれがあるため毎年名節の時期が若干異なるが、韓国の人たちは陰暦の暦を見て確認する。
名節としては、1、3、5、7、9の奇数の月と日が重なる5つの吉日(1月1日の正月など)、1月、4月、6月、7月、8月の満月(その月の15日)を祝うポルムナルのほか、一年のうち一番暑い期間の三伏(サムボッ)、一年のうち一番夜の長い冬至(トンジ)、冬至から105日目の寒食(ハンシッ)などがあり、名節ごとに節食(チョルシッ)と呼ばれる名節料理を食べる風習も残っている。
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節食(チョルシッ)に見る名節文化
ソルラル(正月 설날) 陰暦1月1日
手前左・トックッ(餅汁) / 手前右・シッケ(米の飲料)
一年のうち最も大きい名節で、通常その前後1日が休日となる。 陽暦の正月と区別して 旧正(クジョン)とも呼ばれる(陽暦の正月は 新正(シンジョン)という)。
各家庭では祭壇が設けられ、家族や親戚が集まって新年の挨拶をする。正月料理の定番である トックッ(餅汁)は、純粋無垢な白い餅で新年を迎えることで万物の復活新生を意味するという。
「旧正月」に「トックッ」を食べる習慣がいつから始まったかは不明ですが、朝鮮時代の後期に書かれた「東国歳時記」には伝統行事に欠かせない料理として記載されている。
ピョンユッ(片肉)
チョニュオ(煎油魚)
ほかにピョンユッ(片肉:茹で肉)やチョニュオ(煎油魚:肉、魚、韓国カボチャ、シイタケのチヂミ)、ピンデットッ(緑豆チヂミ)、ナバッキムチ(大根、白菜の水キムチ)、シッケ(米の甘味飲料)などが食膳に上がる。
ピンデットッ(緑豆チヂミ)
ナバッキムチ(大根、白菜の水キムチ)
テボルム(대보름) 陰暦1月15日
五穀ご飯と葉野菜、茹で餅汁
満月の日を祝うポルムナルの中でも1年の初めの満月の日を テボルムと呼ぶ。
前日の14日に五穀ご飯とムグンナムル(ゼンマイ、キキョウ、シイタケ、イワタケ、大根、モヤシ、豆モヤシ、かんぴょう、干し菜など9種の和え物)などを食べ、15日の朝には松の実やクルミ、落花生などをかじる。
これは一年間でき物や腫れ物ができがないようにというおまじないでプロムという。
ムグンナムル
松の実・クルミ・落花生
チュンファジョル(中華節 중화절) 陰暦2月1日
ソンピョン(松餅)
「小作の日(モスム・ナル)」といわれ、小作人達に年の数だけソンピョン(松餅)を作ってやり、新年もがんばってくれるようにとご馳走したりした。
ソンピョンの作り方は、うるち米の粉と水を練って作った生地にすりごまやあんこ、栗、砂糖などを入れて包み、松の葉を敷いた蒸し器で蒸す。弾力があり、表面に塗られたごま油やすりごまの香ばしさ、松の葉の香りが口の中に広がる。
サンジンナル(上巳 삼짇날) 陰暦3月3日
春の到来を告げる名節。この日に ジャン(醤)を仕込むと美味いとされ、コチュジャンやテンジャン(味噌)を作ったり、家の中を修理したりした。
弓打ちや闘鶏などが楽しまれ、チンダルレ(つつじ)の花弁を載せて焼いた餅のファジョン(花煎)や、豆の粉をまぶして湯がいたチンダルレの花弁をオミジャ(五味子)の実のもどし汁に浮かべたチンダルレ・ファチェ(つつじ花菜)が食された。
ファジョンとチンダルレ・ファチェ
春を告げる一品
ハンシッ(寒食 한식) 冬至から105日目の日
ソンミョ(墓参り)
先祖の墓を参る日。この日は火を灯さず冷えた料理を食べたことからこの名がついた。薬酒や果物、餅、クッス、シッケなどを食べ、特に寒食の日に食べる蕎麦は「寒食麺(ハンシンミョン)」と言われた。
また、春の代表的な野草であるヨモギを使った餅や団子、汁物などが食べられた。
蕎麦
ヨモギ餅
チョパイル(初八日 초파일) 陰暦4月8日
釈迦の生誕日。仏の数を豆で数え、その豆を4月8日に焼いて出会う人々に分ける風習があったことから焼いた豆を食べる慣習が残っている。
節食としては混ぜクッス、鯛の蒸し焼き、オチェ(魚菜:緑豆の粉をまぶした白身魚の切り身を茹で、5色の食材をのせて彩った料理)、ミナリカンフェ(茹でたセリで卵や肉、唐辛子などを巻いた料理)、そして米粉に若いケヤキの葉を混ぜて蒸したヌティトッ(ケヤキ餅)が食される。
初八日の料理
ヌティトッ(ケヤキ餅)
タノ(端午 단오) 陰暦5月5日
端午には菖蒲(ショウブ)の根や葉を煮て出した水で体や顔を洗ったりした。また菖蒲は髪につやを与えるといわれ、女性はその水で髪を洗ったり菖蒲の根でかんざしを作ったりもした。子供達はこの日にはクネ(ブランコ)遊びやシルム(相撲)をしたりして過ごす。
端午にはヤマボクチを採ってチャリュンビョン(車輪餅:茹でたヤマボクチとうるち米の粉を蒸して作る餅。表面に車輪型の型をつける)を作って食べた。
昔の端午の様子
チャリュンビョン(車輪餅)
ユドゥ(流頭 유두) 陰暦6月15日
流頭の節食
この日に小川で水浴びすると不浄が洗い流され、夏バテをしないと信じられていた。
節食にはピョンス(片水:肉や野菜を詰めた餃子を冷たいだし汁に浮かべた料理)、オソン(魚膳:白身魚を薄く切り、肉や野菜を巻いた料理)、ミルッサム(小麦粉で作った生地で肉や野菜を巻いた料理)、ジュアッ(もち米を練ったものにナツメ、ごま、柚子などで作ったあんを入れ焼いた餅)、トッスダン(餅水団:穀物の粉をまぶし、茹でたうるち米の団子をオミジャ(五味子)の戻し汁に浮かべたもの)が食される。
チルソッ(七夕 칠석) 陰暦7月7日
チャルトッ
彦星と織姫が出会うこの日にはチャルトッ(もち米の粉に豆、栗、ナツメ、小豆などを混ぜて蒸した餅)を食べる。
これを由来にしたものか韓国では相性の良い男女をチャルトッ・カップルとかチャルトッ・クンハッ( 宮合:相性の意)などと表現する。
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三伏(サムボッ 삼복) 陰暦 夏至以降
サムゲタン(参鶏湯)
チュオタン(鰍魚湯)
秋夕(チュソク 추석)陰暦8月15日
秋夕の節食
ソルラル(旧正月)に次いで大きな名節。やはり前後1日が休日になる。一年のうち一番月が明るくその昔は祭りも行われた。
節食には白米、トランタン(里芋汁)、鶏の蒸し煮、ファヤンジョッ(華陽炙:牛肉、キキョウ、椎茸、卵を串に刺して油で焼いたもの)、ユルラン・チョラン(栗とナツメの練り物)、ペスッ(梨熟:梨に胡椒の実を埋め、蜂蜜などの甘味汁に浮かべたもの)、そして秋夕には欠かせないソンピョン(松餅)が食膳に並ぶ。
ファヤンジョッ(華陽炙)
ユルラン・チョラン
ペスッ(梨熟)
ソンピョン(松餅)
チュンヤンジョル(重陽節 중양절) 陰暦9月9日
節食の膳にはシンソンロ(神仙炉:肉・魚・きのこ・木の実などを煮る料理)、ノビアニグイ(薬味焼き牛肉)、ユジャファチェ(柚子花菜:柚子の皮と実の細切りを浮かべた甘味飲料)のほか、菊の花が咲く時期なのでクッカジョン(菊花煎:もち米を練ったものに菊の花を載せて焼いた餅)やクッカジュ(菊花酒:もち米を醸造し菊の花びらを入れて寝かせ、菊の香りをつけた酒)なども上がる。またホバッ・コチシルトッ(カボチャ蒸し餅)もこの時期に作られる。
シンソンロ(神仙炉)
(左奥から時計回りに)ノビアニグイ(薬味焼き牛肉)、ユジャファチェ(柚子花菜)、クッカジョン(菊花煎)
ホバッ・コチシルトッ(カボチャ蒸し餅)
サンダル(上月 상달) 陰暦10月
パッシルトッ(小豆蒸し餅)
穀物や果実の収穫に感謝し、祖先や神に礼を捧げる月という意味がある。この月にはパッシルトッ(小豆蒸し餅)を作り、土地神、巫俗神、日神、天上神などに家の無病・繁栄を祈る 祭祀が行われた。
赤い小豆を使うのは悪い鬼が赤色を嫌うからで、蒸し器に入れたまま味噌瓶の上や板の間、玄関、小屋などに置かれ、祭祀が終わると近所の人達と分け合って食べた。
トンジ(冬至 동지)
日が一番短くなるこの日を一度死んだ太陽が復活する日と考える。赤いパッチュッ(小豆粥)を食べるのはやはり厄除けで、昔は祭祀の終わった後には家の所々にひとさじずつ粥を載せたという。家族の年の数だけ白玉を入れる慣習は今も残っている。
他にはトンチミ(大根の水キムチ)やカクセッ・キョンダン(各色瓊団:練ったもち米を茹でたものに各種まぶし粉をまぶした餅)、スジョングァ(水正果:生姜、桂皮で作った甘味飲料)が節食として食される。
色鮮やかなキョンダン(左上)
白玉入りパッチュッ
スジョングァ
ソッタルクムム(大晦日 섣달그믐) 陰暦12月30日
大晦日の節食
1年最後の日である 大晦日は豚の角煮やソルロンタン、肉団子汁などが食膳に上がる。また残った食べ物を混ぜてビビンバにしたり、残った材料を全部入れて蒸して作るオンシルトッ(混ぜ蒸し餅)などを食べながら夜を明かす。1年の締めくくりにふさわしいダイナミックな晩餐だ。
名節を祝おう
こうして全体を通してみると日本の名節と呼び名や日付は同じでも(陰暦と陽暦の違いはあるが)、その内容が少しずつ違うのが面白い。各自その風土に密着した形に変化していったのだろう。
それでも根っこの部分では祖先への感謝、自然への感謝、隣人との分かち合いといった共通した精神性が貫かれている。そんな当たり前で日常通り過ぎしてしまっているようなことを一年の節目節目で気付かせてくれるのが名節の役割なのかもしれない。
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