2016年上半期の韓国ビッグニュースBEST９

KBS(韓国放送公社)第２テレビが制作費130億ウォン(約12億4,000万円)を投じて制作した「太陽の末裔」が大ヒットをおさめました。２月24日の初回放送からわずか１週間後の第３話放送で早くも視聴率20％を突破し、第９話では視聴率30％(全国基準)の大台に乗りました。韓国で20話前後の「ミニシリーズ」と呼ばれるドラマの視聴率が30％を超えたのは2012年にMBCで放送された「太陽を抱く月」以来４年ぶりのことでした。

その後もドラマの人気は衰えることを知らず、最終回では自己最高となる38.8％を記録、40％に迫る高視聴率で幕を閉じました。 視聴率10％台後半で「成功作」といわれる最近の韓国ドラマでは異例の数字と言えます。

主人公を演じたソン・ジュンギはこれをきっかけに大ブレイク。各メディアから引っ張りだことなり、韓国の国民的スターとしての位置づけを確固たるものとしました。

３月11日に世界約50カ国で発売されたサムスン電子のギャラクシーS7(Galaxy S7)とギャラクシーS7エッジ(Galaxy S7 edge)が、発売から20日間で販売数800万台を突破しました。

英国の消費者連盟誌「Which」が実施したスマートフォン評価では、それぞれ93点(歴代最高記録)と92点という高得点で１位と２位にランクイン。同誌からは「デザイン・カメラ・バッテリー、メモリースロット、防水・防塵機能などの全ての面において最高スマートフォンといえる」と評価されました。

今後ギャラクシーシリーズに追い風が吹くか、注目されます。

３月９日から15日にかけて、世界的トップ棋士の一人、李世ドル(イ・セドル)九段と、米グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(ＡＩ)「アルファ碁」による計５回の対局が行なわれました。

対局を前にし、李九段は「自分が対局相手に選ばれ非常に光栄だ」と述べながらも、今回の勝負については「(５戦中)１敗するかしないかぐらいになるだろう」と自信を見せていました。しかし、李九段は最初の３局全てで「アルファ碁」に敗北。次の１局で勝利するも、最終局でも再び敗北し、李九段が１勝４敗で負け越すという結果で幕を閉じました。

李九段は対局後の記者会見で、「実力が優位であるとは認められないが、集中力ではやはり人が勝つのは難しいと思う」と話しました。

イ・セドルは負け越しましたが、話題性に富んだ対局であっただけにそのインパクトは大きく、イ・セドルはCMに起用され、にわかに囲碁ブームが起こるなど社会にも影響を与えました。

バナナ味の商品が各メーカーから発売され、人気を博しました。オリオンは「チョコパイ情(ジョン)」発売から42年ぶりにして、初めての新味となる「チョコパイ情(ジョン)バナナ」を発売。３週間で1000万個を販売し、その時点での売上額は約30億ウォン(約２億9,500万円)に上りました。ロッテ製菓は「モンシェル チョコ＆バナナ」を発売、１カ月で1500万個が販売しました。
このようにバナナブームが巻き起こる中、韓国マッコリメーカーの大手・麹醇堂は、米から作った伝統酒にバナナで味つけした「米マッコリ バナナ味」を発売しました。

４月13日に投票が行われた国会議員総選挙(定数300)で、 最大野党「共に民主党」など野党所属候補の勝利が相次ぎ、与党セヌリ党は第１党の座を退きました。

中央選挙管理委員会によると、253の小選挙区のうち、共に民主党が110選挙区、セヌリ党が105選挙区、国民の党が25選挙区、革新系の正義党が２選挙区、無所属が11選挙区でそれぞれ勝利し、比例代表はセヌリ党が17議席、共に民主党が13議席、国民の党が13議席、正義党が４議席を獲得しました。小選挙区と比例代表を合わせた獲得議席数は、共に民主党が123、セヌリ党が122、国民の党が38、正義党が６、無所属が11となり、結果として野党３党の合計議席数が167に上り、16年ぶりに野党の議席数が与党を上回る結果となりました。

しかし、セヌリ党を離党し、総選挙に無所属で出馬、当選した４人の議員が選挙から約２か月後の６月16日、同党への復党を表明。セヌリ党の議席数が共に民主党の議席数を抜き、再び第１党に返り咲く結果となりました。

５月17日未明、ソウル・江南(カンナム)駅近くの雑居ビルの男女共用トイレで、20代の女性が男に刃物で数回刺され殺害される事件が起きました。男は同日午前０時半ごろ、トイレの男性用スペースで女性が入ってくるのを待ち伏せし、午前１時過ぎに入ってきた被害者女性を殺害したとされています。男は同日午前10時ごろ、犯行現場近くで緊急逮捕され、その後の取り調べに対し「女の子にいつも無視されたから女性を狙った」などと供述しました。

事件後、犯行現場近くには被害女性を追悼する市民の足どりが絶えず、追悼の動きは釜山(プサン)や大邱(テグ)、大田(テジョン)など韓国全国に広がりました。また、この事件を機に、女性に対する性差別・嫌悪感情の撲滅など、各種女性団体が社会に呼びかける動きも活性化しました。

韓国の大手(テウ)造船会社、大宇造船海洋が2006年からの10年間、毎年目標金額を設定して、粉飾決算を行なっていたことが検察の調べで明らかになりました。同社が不正によって得た金額は2012～2014年の３年間だけでも５兆ウォン(約4,500億円)に上るとみられます。

また、調査の過程で南相兌(ナム・サンテ)前大宇造船海洋社長が、在職期間中である2006～2012年に会社の資金を個人的に使用した疑いで逮捕されました、南前社長は大学時代の同級生が運営する物流会社に仕事を与えた後、株式配当を受けて約100億ウォン(約10億円)の不当利益を得たとされています。大手造船会社による一連の不正は造船業界のみならず、韓国国内を揺るがしました。
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2012年９月から42カ月連続で減少していた日本人観光客の数が2016年に入り徐々に上向き始めました。この背景には進みつつある円高が影響していると言われています。

６月末に「ブレグジット(Brexit：イギリスの欧州連合脱退)」をうけ一時急騰するという現象もありました。円高を機に停滞していた韓流ブームがまた上向き、観光客の増加に繋がった韓国観光産業は活気を見せつつあります。
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JYJのメンバーで歌手兼俳優のパク・ユチョンが性的暴行容疑の疑いをかけられる騒動が起こりました。

６月10日にある20代女性がパク・ユチョンから性的暴行を受けたと主張して告訴状を提出したことからこの騒動は始まりました。この女性は事態が大きくなると、当初の主張を覆し「強制性のない性関係だった」としてパク・ユチョンに対する告訴を取り下げました。しかし、６日後、別の女性が江南の遊興飲食店内のトイレでパク・ユチョンから性暴行を受けたとの告訴。2人目の告訴に続きその翌日には、新たに２人の女性がパク・ユチョンを性的暴行容疑で告訴しました。これに対し、パク・ユチョンの所属事務所は「事実無根であり、名誉毀損と虚偽告訴などの法的責任を問う意向である」としながら「いかなる容疑でも犯罪が認められた場合、芸能界を引退する」と表明しました。

騒動が終息を迎えたのは、最初の告訴から約1ヶ月が過ぎた７月11日。警察はDNA鑑定等により、４件の性暴行事件すべてに対し「強制性を認めにくく、容疑はないものと判断される」と明らかにしました。パク・ユチョン側は告訴した女性のうち、１人目と２人目の女性について虚偽告訴と恐喝の容疑で告訴しています。(2016年７月13日現在)