「徒歩旅行」「エコツアー」など新たな観光スタイルが注目される今日。
多様な歴史・文化・自然と交われる道が私たちのすぐそばにあります。それが、ソウル城郭です。
600年前、ソウルが漢陽(ハニャン)と呼ばれていた朝鮮時代。王宮である景福宮(キョンボックン)を中心とし、都を囲む山中に
約18.6kmの城壁が造られました。東西南北8カ所には大小門が置かれ、関所の役目を果たしていました。
そんなソウル城郭も朝鮮半島の重い運命の中で大部分が破損。
しかし現代、姿を消したかと思われた城壁を、再び積み上げていく動きが起きはじめたのです。
ソウル城郭は現在(2011年7月時点)3分の2程度が復元。石垣に沿って4つの散策コースがつくられました。
外敵を防ぐための要塞は、人々を受け入れる探訪路として生まれ変わろうとしています。
ソウル城郭を歩きはじめる前に知っておきたいこと。各コースは5kmあまりの勾配ある道が続きます。
動きやすい服装と地図、カメラは必須。ポケットにはキャンディを忍ばせておきましょう。
どのように歩くかは旅行者の自由。ただし傾斜などの面からは、南山(ナムサン)を基点に反時計回りに巡るのがよいといわれます。
長くのびる城壁とともに進めば、道に迷う心配もありません。
大切な人と歩調を合わせて同じ風景を眺めてみてもいいでしょう。
ソウル城郭の大部分は消失後に復元されたものですが、造成当時の面影が残る石垣も。最も古いのは
第1代目の太祖(テジョ:李成桂。在位1393~1398年)の時代のものです。
当時の城壁が見られる南山(ナムサン)。朝鮮時代初期の無骨ながらも丈夫な石垣は、
緑に溶けこみながら数百年の時を過ごしてきました。
うっそうとした森を抜けると、ソウルのランドマークであるNソウルタワーが顔をのぞかせます。
現代都市の隙間に城郭を見つけるのは、時に宝探しのようなもの。次にどんな景色が現れるか、楽しみながら歩いてみましょう。
通称東大門、四大門のひとつである興仁之門(フンインジムン)。左右を囲んでいた城壁は現在残っていませんが、
門はファッションビルが並ぶ「不夜城」の中でもいまだに存在感を放ちます。
東大門を北上して駱山(ナッサン)公園へ。夜景の有名なこちらでは城郭もドレスアップ。ソウル中で最も幻想的な姿を見せます。
道の途中で見つけたのは、住民の大部分が老人の「長寿(チャンス)マウル」。典型的なタルトンネ(低所得者層の住む界隈)とされますが、
町と城郭の共存は、時間だけが醸し出せる特別な景色を作り上げています。
北岳山(プガッサン)の探訪路は、北の国家に近いため統制区域であった場所。2006年より一般開放が始まったばかりです。
鉄条網とともにある城郭。探訪には身分証が必要です。しかし空気は張りつめているばかりでなく、独特の落ち着きをもちます。
長い間出入りが限られていた北岳山は、多くの生態が保護されているエリア。静かに足を進めると、こんな幸運に巡りあえるかもしれません。
ソウルという街のすぐ近くに息づく、城郭。
かつてのソウルの輪郭を辿りながら見えてくるのは、時間の入り混じった、古くて新しい風景です。
しかし生活を優先する多くの人々は、長い間その価値に気づきませんでした。
元の姿を失った城郭は、屈曲した韓国の近現代史を表しています。
現在、政府と自治体はソウル城郭の伝統的価値を認め、世界中の人々と共有しようとしています。
全区間の復元予定である2014年には、600年の記憶をためこんだ長い道が、ソウルを再び囲むでしょう。
ふとした瞬間に感じる時間の深さは、日常に小さな余裕をもたらします。その感覚に出会うため、人々はソウル城郭を歩くのかもしれません。
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ソウル城郭~600年の時が息づく道
大都市を囲む城壁。かつてのソウルの輪郭をたどってみませんか?


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