全州韓屋村とは?
ビビンバ、
マッコリ、そして韓国の伝統が感じられる人気の観光都市・
全州(チョンジュ)。全州を代表する観光名所が「全州韓屋村」です。韓国語(ハングル)で「전주한옥마을」と書いて「チョンジュハノンマウル」と発音。英語では「Jeonju Hanok Village」と表記します。
韓国の伝統建築様式・
韓屋(ハノッ)の家々が数多く残っているエリアで、中には築1000年以上の歴史をもつ古宅も。補修やリフォームを経て、オシャレな韓屋レストラン、カフェ、お土産店として活用されているほか、宿泊体験できる韓屋ゲストハウスになっている家も多数あります。
観光の際は、韓国の伝統衣装・
韓服(ハンボッ・チマチョゴリ)をレンタルして、古い町並みを背景に写真を撮りながら散策する観光客もたくさん。韓国ドラマや韓国映画のロケ地としても数多くの作品に登場していている場所ので、あわせてロケ地巡りしてみるのも良いでしょう!
全州韓屋村の歴史
かつて「全州邑城」があったと推定されるエリア(コネスト韓国地図)
全州の歴史を紐解くと、韓国の三国時代には百済(くだら・ペッチェ)の一都市としてはじまり、三国を統一した新羅(しらぎ・シルラ)の時代に一帯の行政中心地として大きく発展しました。高麗(こうらい・コリョ)時代に「全州邑城(チョンジュウッソン)」と呼ばれる城郭、東西南北の4か所に城郭門が設置されました。そのうち、南門にあたる「豊南門(プンナムムン)」が現存していて、当時この一帯にお城があったことが伺い知れます。
- 豊南門
- かつてあった全州邑城・4大門の南門
- 全州・光州・全羅道 > 全州
なお、朝鮮半島の南西部にはもう1か所、羅州(ナジュ)も政治・軍事拠点として「
羅州邑城」が築城され、邑城がある「全」州と「羅」州の2ヵ所の地名をとって「
全羅道(チョルラド)」という地名が以降、定着していくようになります。
「慶基殿」本殿に奉られている李成桂の肖像画
高麗時代末期の将軍・李成桂(りせいけい・イソンゲ)は、高麗王朝を打倒して朝鮮時代を建国し、全州の城内に「
監営(カミョン)」と呼ばれる統治機関を設置します。また、李成桂の
本貫(ポングァン)が「全州李氏」であることから、死後に李成桂の肖像画(御真)が全州の「
慶基殿(キョンギジョン)」に奉られることに。
その後、中国など外国からの使者をもてなす「
全州客舎(チョンジュ・ケッサ)」や、教育機関「
全州郷校(チョンジュ・ヒャンギョ)」などが建てられ、役人や軍人が暮らす街として、瓦屋根の家々が立ち並びました。
現代に入り「慶基殿」周辺の韓屋の家々は、1977年に韓屋保存地区に指定され、リフォームされながら「全州韓屋村」として現在に至ります。
全州韓屋村はどこ?行き方は?
ソウル・釜山から全州へのアクセス
全州の鉄道の玄関口は「全州駅(
地図)」。長距離バスは「全州高速バスターミナル(
地図)」で、周辺都市を行き来する「全州市外バス共用ターミナル(
地図)」も高速バスターミナルに隣接しています。
ソウルからは
韓国高速鉄道KTXで、全州駅まで約1時間50分。高速バスの場合、2時間40~50分程度で到着します。釜山(プサン)からのアクセスは、鉄道よりも高速バスの利用が便利で、高速バスの所要時間は約3時間です。
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「全州駅」からのアクセス
全州駅
「全州駅」と「全州韓屋村」は約5~6㎞離れた場所にあるので、駅を出たら市内バスまたはタクシーに乗車します。
「全州韓屋村」は特定の住所があるわけではなく広いエリアの総称なので、タクシー運転手に目的地を伝える際は「全州韓屋村」ではなく、「慶基殿(キョンギジョン)」や「殿洞聖堂(チョンドンソンダン)」など具体的な場所を伝える方が良いでしょう。
また、「全州韓屋村」内の道路は週末は歩行者天国になるので、最寄の大通り沿いで下ろされることも多いので覚えておきましょう。
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タクシー検索結果(全州駅→殿堂聖堂)
「全州駅」から市内バスで訪問する際は、駅前の大通りを直進したところにあるバス停留所(
地図)から、112、119、508、536、542、546番バスに乗車すれば、25分程度で到着します。目的地に応じて下車するバス停を自由に選べばよいですが、初めて場合は「殿堂聖堂・韓屋村」停留所(
地図)で下車すると良いでしょう。
「全州高速バスターミナル」からのアクセス
全州高速バスターミナル
バスターミナルと「全州韓屋村」は約3㎞離れた場所にありますが、タクシーまたは市内バスで訪問できます。
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タクシー検索結果(全州高速バスターミナル駅→殿堂聖堂)
バスは、ターミナル前を流れる川沿いにあるバス停(
地図)から5001番バスで訪問できます。
観光スポット
梧木台(オモッテ)
梧木台
展望台からの景色
「慶基殿」の東に位置する小高い丘の上に建てられた楼閣が「梧木台」で、階段が整備されているので軽装でも十分に訪問できます。楼閣へとあがる途中には展望台デッキが設置されていて、「全州韓屋村」の瓦屋根の街並みが一望できる人気の写真撮影スポット。ここからの景色を眺めてこそ「全州韓屋村」に来た実感が得られることでしょう!
- 梧木台
- 全州韓屋村を眺める展望台としても有名
- 全州・光州・全羅道 > 全州
全州伝統韓紙院
韓国伝統の
韓紙(ハンジ)の生産と販売を行なっている「全州伝統韓紙院」。実際に韓紙の生産現場を間近で見ることもできます。ただし、見学の際は作業している職人さんの邪魔にならないようにしましょう。
こちらで作られた韓紙の80%は日本に輸出されているのだというから驚きです。工場横の売店では韓紙や韓紙工芸品を購入することができます。また実際に韓紙作りの体験も可。
- 全州伝統韓紙院
- 韓紙作りも体験できる全州韓屋村で人気の伝統韓紙院
- 全州・光州・全羅道 > 全州
全州伝統酒博物館
かつて全州の家庭で醸造されていた自家製酒(家醸酒:カヤンジュ)についての資料を展示しているのが「全州伝統酒博物館」です。家醸酒の造り方をわかりやすく模型で展示してあり、醸造に必要な道具や酒器なども展示してあります。
博物館の中には発酵・熟成室もあり、実際に甕に入れられたお酒が保管されていて、ほんのりとお酒の香りが漂っています。また、麹醸造やマッコリろ過、果実酒造りなどの体験プログラムも用意されており、お酒好きにはたまらない博物館です。
- 全州伝統酒博物館
- 「全州韓屋村」内のマッコリなどのお酒博物館
- 全州・光州・全羅道 > 全州
韓国ドラマ・韓国映画の撮影地・ロケ地巡り
慶基殿(キョンギジョン)
- 慶基殿
- 全州にある朝鮮王朝の歴史を感じられる史跡
- 全州・光州・全羅道 > 全州
殿堂聖堂(チョンドンソンダン)
1914年に建てられた赤煉瓦の聖堂で、韓国と西洋の建築様式が融和した美しい建物です。教会の内外で撮影ロケが行わることが多い名所です。
- 全州 殿洞聖堂
- 韓国で最も美しい洋風建築としても有名な全州の聖堂
- 全州・光州・全羅道 > 全州
全州郷校
「郷校(ヒャンギョ)」とはかつての教育機関で、教室にあたる「明倫堂(ミョンニュンダン)」が敷地内の奥に位置。古めかしい木造建築は趣があり、境内には大銀杏があり、秋の紅葉の季節の訪問が特におすすめです。
「
トキメキ☆成均館スキャンダル」や「
雲が描いた月明かり」などの人気時代劇が撮影されました。
- 全州郷校
- 映画やドラマの撮影も!全州にあったかつての学校
- 全州・光州・全羅道 > 全州
「二十五、二十一」(2022年)
主人公ナ・ヒドの家
寒碧(ハンビョッ)トンネル
キム・テリと
ナム・ジュヒョクが主演した青春ラブストーリー「二十五、二十一(スムルタソッ・スムルハナ)」は、全州がメイン撮影地です。キム・テリが演じた主人公、ナ・ヒドの家は「梧木台」と「全州郷校」の中間に位置。トンネルの「寒碧(ハンビョッ)トンネル」、ナム・ジュヒョクが演じたペク・イジンがアルバイトした古本屋なども徒歩圏内です。
- 寒碧トンネル(寒碧窟)
- 2022年韓国ドラマ「二十五、二十一」で名場面の数々が撮影されたトンネル
- 全州・光州・全羅道 > 全州
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韓国の伝統衣装・
韓服(ハンボッ・チマチョゴリ)をレンタルして、全州の古い町並みを背景に写真を撮りながら散策してみませんか?
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お食事処
「全州韓屋村」内には、韓屋をリフォームした食堂やカフェ、軽食店がたくさんあり、旅行中の食事や休憩に困ることはありません。朝から営業している、全州名物の
コンナムルクッパ(豆もやしのスープご飯)店や、夜、マッコリやチヂミでお酒を味わえるお店など、数多くのお店が集まっています。
ビビンバ
「ビビンバ発祥の地」と呼ばれるようになった全州を訪問したら、真ちゅう製の器に入った、色鮮やかな「全州ビビンバ」を昼食や夕食に食べてみてはいかが?オーソドックスなビビンバと、ユッケが乗ったユッケビビンバの2つがメインメニューとなります。
「韓屋村」の西側に有名な4店が集まっています。どの店舗も人気で、味付けが異なるので食べ比べてみるのも良いでしょう。
カルグクス&チョルミョン
「韓屋村」の南側エリアにある行列ができる有名店で、もちもちとした自家製の麺と、とろみのあるスープが訪問客に人気です。
マッコリ
やかんに入ったマッコリを一杯追加するごとに新たなおつまみが運ばれてくるという、全州オリジナルのシステムが観光客に人気です。
「全州韓屋村」内にもマッコリ居酒屋が数店舗あり、気軽に立ち寄れるほか、全州観光で有名な「
三川洞(サムチョンドン)マッコリタウン」などにタクシーで向かっても良いでしょう。
コンナムルクッパ
香ばしい豆もやしをふんだんに使用したスープご飯は、酔い覚ましにも良いとされ、前夜にマッコリなどを飲みすぎた人にもってこいの人気朝食メニューで「韓屋村」内にも数店舗、専門店があります。
コンナムルクッパの全国チェーン店「三百家(サムベッチッ)」は全州韓屋村近くの店舗が本店。周辺には観光ホテルも多く、朝食に利用する客が多く、朝から混み合っています。
チョコパイ
口コミを通じて「全州土産」に定着した
チョコパイ。従来の大きなサイズのチョコパイに加え、ミニサイズのチョコパイがあり、様々な味のチョコパイを食べ比べてみるのと良いでしょう。
韓国カフェ
韓屋をリフォームし伝統的な雰囲気が残るカフェから、おしゃれな建物のカフェまで豊富。コーヒーやケーキはもちろん、韓国の伝統茶、
パッピンスが味わえる伝統茶屋もあります。歩き疲れる前にカフェで休憩してみませんか?
ホテル
現代型の観光ホテルから、由緒ある古宅での宿泊体験、格安ゲストハウスまで、たくさんの宿泊施設が揃っています。ソウルからの日帰り旅行をする旅行客もいますが、夜にマッコリを味わって、翌朝にコンナムルクッパを食べる全州の定番グルメ旅行をするなら全州で1泊しまてみましょう。
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