韓国人にとって身近な存在であると同時に、簡単に立ち入ることのできない世界、 軍隊。「陸軍(地上軍、チサングン)フェスティバル」は、「国民と共存する軍隊」として、毎年忠清南道(チュンチョンナムド)・ 鶏龍台(ケリョンデ)の基地を一部開放、一般公開して行われる軍隊の文化祭です。
軍人による華麗なパフォーマンスやショーをはじめ、軍隊をプチ体験できるプログラムが盛りだくさん!さらに 芸能兵の ファンサイン会や公演など、入隊したスターに会えるまたとないチャンスでもあります。
2010年は10月1日~5日の5日間行われ、伸べ40万人を超える人々が訪れるなど、名実共に地方祭りの代表格となりました。コネストも2日(土)に参加、さっそくその様子をレポートします!
※芸能兵制度は2013年8月1日から廃止されました。
ソウルからKTXで1時間弱
鶏龍山(ケリョンサン)の麓に位置する鶏龍台。総面積約900坪もの広大な敷地を有する陸海空軍の統合基地があるこの地で、「陸軍フェスティバル」が開催されました(入場無料)。
ソウル・ 龍山(ヨンサン)駅から鶏龍駅までは、 KTXで約75分と小旅行感覚の距離。最寄り駅である 鶏龍(ケリョン)駅から鶏龍台までは、無料シャトルバスで10分程度です(10分間隔運行)。
※西大田(ソテジョン)駅からも無料シャトルバスが運行しています(10分間隔運行、約30分所要)。
会場入口
無料シャトルバスは、鶏龍駅の前で乗車
シャトルバス停留所の立て札 ※駅から約50m先(降車時のみ停留所下車)
凛とした華があるステージイベント&パフォーマンス
午前10時、2日目の幕は主公演場から明けました。儀仗隊や憲兵モーターサイクルショー、特攻武術、高空降下、陸軍軍楽隊公演など、華々しいパフォーマンスショーとともにスタート。芸能兵となった歌手たちの特別ステージも設けられ、早くも会場のテンションがアップ!
※2020年2月に「憲兵」は「軍事警察」に改称されました。
芸能兵のブーム(歌手兼MC)が進行!
朝からたくさんのお客さんが訪れた
お目当ては、John-Hoon(ジョンフン)!
ステージイベント
パク・ワン(ポップオペラ)
John-Hoon(K-POP)
また、午後にはこれら儀仗隊、国楽(伝統音楽)隊、陸軍軍楽隊、憲兵モーターサイクルのパレード行進も行われ、通りを華やかに彩りました。
芸能兵サイン会が開催!
ブース前は長蛇の列!
芸能兵サイン会は、この日2回に渡って開催されました。1回目と2回目で多少メンバーが異なり、どうせなら両方!という人もたくさんいたようです。
軍人となってめったに会うことができないためか、芸能兵たちはファンの大胆な行動にも温かく応じていました。
イ・ドンゴン
キム・ジェウォン
John-Hoon&イ・ドンウク
キム・ジソク
イ・ワン
★参加者にクローズアップ★
「イ・ワン、サランヘ!」
日本人留学生
「イ・ワンに会いたくて韓国に留学!目の前で見る彼は、やっぱりキレイでかっこいい!緊張してうまく話せなかったのが残念」
「ジェウォン一筋!」
多国籍ファングループ
「韓国はもちろん日本やシンガポールも網羅!みんな数年以上のファン歴を持つ筋金入りのキム・ジェウォンファンです。泊りがけのガッツ!」
軍隊体験プログラム&展示も多数
装甲車体験
会場には十数機もの韓国軍・米軍の戦車や装甲ヘリが展示され、実際に搭乗できるようになっています(搭乗の際は軍人が手伝ってくれます)。またとないこのチャンスに、記念撮影する人たちで大賑わい!特に子どもと男性に大人気でした。韓国でも日本でも、普通はなかなか見ることのない光景ですね。
物々しい様相の戦車と軍用ヘリの群れ!
「ファイヤー!」
軍人さんと「はい、キムチー」
軍通信機器・装備・武器体験
軍隊で使う通信機器の展示コーナーや、陸軍の軍服・装備を着用できるコスプレコーナー、機関銃の展示コーナーもありました。コネストスタッフも軍用マスクを体験!使い方や機能など、軍人さんの説明を聞いていると、まるで別世界のできごとのようで、ただただ「へぇ~!」。
「これどう使うの~?」
「ズガガガガガッ!」
これを装着して訓練することも!
戦闘食糧体験
戦闘食糧を体験できるコーナーもあります。最近は改良が進み、衛生や栄養面でも優れているそう。水などでもどしたり混ぜて食べるそうですよ。
この中に、豆ご飯、ハム炒め、キムチ、ソーセージ、煮豆が!
これが、春雨炒め(チャプチェ)になる!
おなじみの乾パン
精鋭陸軍館
「精鋭陸軍館」は、軍服や予備戦力、海外派兵、兵営生活などさまざまなテーマで展示されています。特に兵営生活館では、2004年度以降の上兵クラスの兵営生活に触れることができるなど、貴重な展示もありました。
各種軍服がずらり
軍人さんの飛び入り参加も
芸能兵イ・ワン&キム・ジソクが紹介者に変身!
科学化訓練館
「科学化訓練館」は、小部隊の模擬戦闘訓練体験コーナーや、野戦型マルチ高空戦術シミュレーター、射撃体験場などがあります。シミュレーションはゲームセンターのような雰囲気で子どもたちが多く、射撃場では女性も手ほどきを受けていました。
ゲーム感覚?熱中モード!
我も我も、親子に人気
日頃のウップンを発散!?
作品展
会場の各所では、 DMZ写真展や軍写真展、朝鮮戦争戦死者の写真・遺品展、子どもたちの描いた絵画展など、さまざまな展示も行われます。
ミリタリー国際映画祭
特設映画館では、朝鮮戦争60周年を記念し、朝鮮戦争を題材にした映画をはじめさまざまな戦争映画が無料で上映されていました。
★参加者にクローズアップ★
家族でおでかけ 軍人さんファミリー
「鶏龍の職業軍人です。週末なので、家族水入らずで楽しく過ごそうと思います。鶏龍は景色がきれいないいところですよ」
大田(テジョン)志願隊の学生グループ
「隣の大田市から、仲間同士で遊びに来ました。軍生活?う~ん、大変だけど、得るものが多くて面白いってことで(笑)」
サービス設備も充実
フードゾーン
軍隊のお祭りって、食べ物は何があるの?と気になる人も、心配ご無用。フードゾーンには、韓国料理からファーストフード、市価より安めの軍用小型スーパーまで揃っており、好みに合わせて購入できるようになっています。
兵営食堂
せっかくきたから、軍隊の食事を!という人は、「兵営食堂」へ。兵営の食事を試すことができる上に、2,000ウォンとリーズナブルです。若い人から、懐かしいと食べに来ているお年寄りまで、たくさんの人でにぎわっていました。
兵営食堂
ユッケジャンをフォークとスプーンが合体した軍隊式食器で
学食みたいで「フツーにいける!」
兵営食の変遷を知ることができる展示も
その他の便利施設
左から、外国人用インフォメーション(英語パンフレットもあり)、クローク、迷子案内所
自転車など移動手段(有料)を利用して効率よく見物
軍隊という別世界を身近に感じてみて
このほかにもサバイバル大会をはじめ、20年ぶりに一般初公開された兵営が体験できる1泊2日野営体験、兵営観覧ツアー、兵営訓練体験など、本格的な体験型プログラムまで充実。まさに、韓国の軍隊に、自分の目や体で接することができるお祭りと言えるでしょう。
軍隊に興味がある方から、本物の装甲ヘリに乗ってみたいという方、芸能兵に会いたい方まで、老若男女それぞれの関心レベルに合わせて楽しめる「陸軍フェスティバル」。またとない貴重な韓国の思い出になること、間違いありません!
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