File2 韓屋の路地、そのいびつな魅力
鐘路区「西村」一帯
韓国の伝統建築・韓屋(ハノッ)が集中する、 北村(プッチョン)韓屋マウルがソウルを代表する名所となって久しい。だが静かに話題を集める、もう一つの韓屋の路地があることをご存知だろうか。 景福宮(キョンボックン)の西に位置するため、「西村」という名を与えられた地域。
孝子洞(ヒョジャドン)、昌成洞(チャンソンドン)、通義洞(トンイドン)、通仁洞(トンインドン)、楼上洞(ヌサンドン)、楼下洞(ヌハドン)、体府洞(チェブドン)などを含む一帯だ。観光地として整備された北村とは異なり、今でも人々の生活の匂いに満ちた路地は、覗き込む地点により、時間により、そして眺める人の心により、様々な表情を見せた。
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路地の記憶
北には貴族 西には庶民
仁王山(イナンサン)と 北岳山(プガッサン)、2つの山が背後を守る。朝鮮時代、両班(ヤンバン。支配階級の身分をもった人々)の住居である北村に対し、西村一帯は中人(チュンイン。両班と庶民の中間層の人々)や一般庶民が住む街だった。
中でも楼上洞、楼下洞は翻訳官や天文学、地理学など専門職の中人が集まる界隈といわれた。ウィハン(小さく狭い道と家が集まった一帯)の雑多な活気。詩を吟じ、絵画に親しむ風流人たちの集い。路地は人々の日常が充満していた。
画家が歩いた生活の路地
1900年代、日本の帝国支配期。街の転換期だ。朝鮮総督府の住居政策により、「改良韓屋(ケリャンハノッ)」と呼ばれる生活型韓屋が急増。木造の電柱が周囲を覆った。西村には韓国最初の初等学校(1895年)や公立図書館(1920年)などの近代建築が次々と建てられた。
また朝鮮近代を代表する多くの芸術家や文豪も、西村に作業室や下宿を構えた。画家・李象範(イ・サンボム)や李仲燮(イ・チュンソプ)、パク・ノス、詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)。
彼らの想像力の源は、塀の向こうから聞こえる子どもの笑い声や、すれ違う道で人々と触れ合う、その日常にあった。
大きな隣家 大統領との「近所づきあい」
市場があり、家々が立ち並ぶ庶民の街。だがふと山側に目を向けると、また別の顔が見えてくる。景福宮、朝鮮総督府、旧・大統領府の 青瓦台(チョンワデ)。
時代ごとに名前は変わったが、西村は常に政治の中心地という「隣家」を抱えていた。特に青瓦台に最も近い孝子洞付近は、図らずも生活に政治の影が入り込んでくる。
20m先の家に帰るのに私服警官が行き先を尋問したり、大規模なデモで一帯が封鎖された際、住民さえ出入りが制限された話は有名だ。その様子は映画「孝子洞の理髪師(2004年、邦題:大統領の理髪師)」でもユーモラスに描かれている。
住む人に訪れる人 西村の騒がしさ
ながらく「住む」人を中心に動いてきた西村。時代の移り変わりとともに、ある韓屋はヴィラになり別のものは修繕が繰り返された。
同時に青瓦台に近い立地もあってか大規模な開発は行なわれず、下町的な雰囲気も残り、雑多な姿を見せる。そんな街に最近は、様々な理由で「訪れる」人が増えているという。
保存を夢見る人──約600軒あまり残る西村の韓屋。北村に次ぎ2番目、ソウルの18%となるそれらを文化資源にする動きが盛んだ。2010年3月に西村は韓屋保存地区に指定された。
文化の香りを求める人──商業化された街を抜け出した人々により、通義洞にはカフェやアトリエが集まり始めた。
現代的な住環境を望む人──古く狭い路地には愛着がない住人がいるのも事実。再開発と保存に揺れる体府洞は騒がしい。
独特のリズムを刻みながらの変化。西村の今後がどうなるかはわからない。それでも暮れかけた街に立つと、人々の息遣いだけは、変わらずに続くように思われる。
路地を歩く
位置
3号線景福宮駅1~4番出口から広がる一帯。その範囲ははっきりとは決まっていない。
羅針盤
真ん中にのびる通り、紫霞門(ジャハムン)キルを挟んで、東と西とで表情が変わる
<青瓦台の裾に新しい文化が吹き込む東側エリア>
 保安旅館
日本支配期からあるという旅館。名が軍事政権時代を髣髴とさせる。現在はアート空間として活用。(地図青2)
 白松
天然記念物に指定されていた、白松の大木。90年に雷に倒れたが、周囲には新しい芽吹きも。(地図青1)
 通義洞カフェ通り
通義洞付近に古いビルや家屋に、ここ1、2年で心地よさを追求したカフェが点在し始めた。路地奥にはギャラリーや芸術家のアトリエもあり。(地図青3)
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<庶民の街に芸術家の足跡が潜む西側エリア>
 パク・ノス家屋
支配期から今まで健在のパク・ノス画伯が暮らす邸宅。非公開。(地図青6)
 李象範家屋
東洋画家、李象範の家屋と作業室。当時の家財道具も残る。補修をして文化空間として開放予定。(地図青5)
 ヒョンジェ理髪館
60年前から営業。主人は実際に青瓦台専属理髪師への誘いを断り店を守る。(地図青4)
 通仁市場、錦川橋市場
特別な活気はないが住民の台所としては合格、「ちょっとそこまで」の市場。通仁市場は油で炒めたトッポッキが有名。(地図青7、8)
風景カット
 韓屋の暮らし。
構造を生かしたキム・ポクジャ氏宅と、
 韓屋を現代風に改造したシン・マニョン氏宅。
写真はどちらも元のつくりはマダン(中庭)にあたる場所。
 巡回中の警官も町の景色の一部となる
 行き止まりに見える道の先に、
 また路地が続く
 雨の日にも趣があるのは韓屋の力
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