出掛けた先の外国でその独特の美術・文化・歴史に触れられる博物館を探訪することは海外旅行の楽しみのひとつ。韓国には博物館協会の会員館だけで620館(2013年10月現在)もあり、規模やテーマはさまざま。
展示内容の質・量も玉石混交ですが、そのなかからキラリと光る博物館に出会った時の悦びは格別です。韓国が産み出した不変の価値を求めて、また思いも寄らなかった自分の嗜好性を探しに、韓国ミュージアムツーリングに出掛けてみませんか?
韓国の美術・文化・歴史を網羅的に知ることができる定番博物館をピックアップ。いずれも日本語表示や日本語音声ガイドなどがあり、韓国語が分からなくても理解に困ることはないでしょう。どうしても不安な場合は、コネストで取り扱っている 日本語ガイド付きのツアーも活用してみてください。
国立中央博物館
龍山(ヨンサン)にある世界有数規模の博物館。国宝約60品や宝物約80品を所蔵しています。
旧石器時代から近代までの韓国の歴史・暮らし・芸術を知ることができます。東洋仏教の記念碑的作品「半跏思惟像(はんかしいぞう)」のえも言われぬ美しさに酔いしれましょう。
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サムスン美術館Leeum
韓国を代表する大企業、サムスングループが運営。梨泰院(イテウォン)に位置し、規模・展示内容ともに国立博物館や美術館に劣らず国内最高水準です。
国宝36点を含む古美術から世界に名を馳せた現代芸術家たちの作品まで。フランスやスイスの有名建築家が設計した建物も見どころです。
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定番博物館で韓国の美術・文化・歴史について全体像をある程度把握できたら、次は各分野の中でも一定の範囲に特化した博物館の観覧をオススメします。展示されているコレクションの時代やテーマに共通性があるため比較鑑賞しやすく、専門性の際立った企画展示にめぐり合うこともできるでしょう。
美術
ソウル市立美術館
市庁(シチョン)エリアにある美術館。6つの展示室のほか芸術体験空間、映像情報室、講義室、カフェ、ミュージアムショップなど施設が充実。
韓国近代美術・彫刻・版画・工芸・写真・メディアアートなど幅広いジャンルの作品が展示されています。
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文化
青瓦台サランチェ
韓国の政治と文化に触れられる展示館で、「景福宮」奥に位置する旧・大統領府 青瓦台(チョンワデ)のすぐ近くに位置しています。
再現された執務室で大統領になりきることができる大統領体験館など、大人から子どもまで退屈しない工夫がされています。
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国立古宮博物館
朝鮮王朝(1392~1910)の王室衣装、美術品、家具など格調高い宮中遺物や関連資料が展示されている博物館。
朝鮮王朝最後の皇太子妃で日本から嫁いだ英親王妃(李方子)の礼服や髪飾りなども展示されています。
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郵征総局
1884年に設立された韓国近代郵政の出発点。現在は記念館が併設された郵便局として運営されています。1年後に投函した手紙が届くサービスも人気。
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歴史
大韓民国歴史博物館
19世紀末から現在に至るまでの韓国の近代史に関する資料を展示。地上8階建ての巨大な博物館で4つの常設展示室と2つの企画展示室を有し、約40,000点の所蔵品(うち約10,000点は国民からの寄贈品)から、常時約1,500点が展示されています。
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西大門刑務所歴史館
日本植民地時代に独立運動家らを収監し、独立後は韓国政府が使った獄舎などを公開。
独立運動家への拷問の様子や韓国民主化過程についての展示も。
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ナヌムの家(日本軍「慰安婦」歴史館)
1959
特定分野の専門博物館を観覧してまわると次第に自分の好みの分野や時代、鑑賞スタイルなどが鮮明になってきます。そこまで到達すれば、後は自らの好奇心に誘われるまま、より専門性の高いテーマ博物館にも自然に足を向けたくなることでしょう。
幅広さではなく深さを追求したテーマ博物館でしか味わえない没入感や、独自の体験プログラムを思う存分楽しんでください。
食文化
餅博物館
餅(トッ)に関する道具や古い台所器具などが展示されていて、韓国の多様な伝統餅や キムチ作りの材料・手順などが分かります。韓国料理体験プログラムや伝統餅を味わえるカフェもあります。
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木人博物館
喪輿(サンヨ、死者を運ぶ輿の意)の装飾品として使われた木彫りの人形・木人(モギン)の博物館。木人を中心にアジア各国の 木工芸品を展示しています。仁寺洞に位置し、観覧後にはサービスの飲み物がもらえます。
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許浚博物館
朝鮮時代の医学書でユネスコ世界記録遺産の「東医宝鑑(トンイボガム)」を著した許浚(ホ・ジュン)の生涯と、 韓医学(ハニハッ)の歴史を紹介する博物館。地下鉄9号線加陽(カヤン)駅から徒歩約10分。
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その他
韓国映像資料館
映像資料の収集・保管・展示を行なっている非営利団体が運営。映画館や博物館、映像図書館があり、ほとんどを無料で利用できます。国内外の映画に関する多くの資料も閲覧でき、映画好き必見の施設。
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FEELUX照明博物館
照明を専門とした韓国唯一の博物館。韓国をはじめ世界の照明文化を紹介するだけでなく、LED照明を使ったアート作品や照明の未来像を展示しています。京畿道・楊州(ヤンジュ)市に位置。
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韓国全土に620ある博物館(2013年10月、博物館協会会員館のみ)のうち、ソウルにある割合は約2割。規模の大きさでは及ばずとも、博物館の数やテーマの多様さでは圧倒的に地方が勝っています。
博物館の鑑賞だけで地方に行くのはためらいがあるかもしれませんが、観光名所の近くにあることが多いので、旅の日程にうまく組み込んで巡ってみてはいかがでしょうか。
1、独立記念館(忠清南道天安市)
帝国主義による受難の歴史と、それに対する独立運動をつづった博物館。
2、清州古印刷博物館(忠清北道清州市)
世界最古の金属活字体「直指(チッチ)」をはじめ、韓国古印刷文化を紹介。
3、国立扶余博物館(忠清南道扶余郡)
日本との縁が深い百済(ペッチェ)の、繊細で美しい仏教遺物などを展示。
4、韓国竹博物館(全羅南道潭陽郡)
全国の竹育成面積のうち25%を占める潭陽(タミャン)の竹工芸品などを展示。
5、国立光州博物館(光州広域市北区)
南西部の中心都市、光州(クァンジュ)の歴史と地域出土品を中心に展示。
6、韓国茶博物館(全羅南道宝城郡)
緑茶の名産地・宝城(ポソン)の茶畑脇にあり、お茶文化関連資料を展示。
7、国立晋州博物館(慶尚南道晋州)
文禄・慶長の役の激戦地・晋州(チンジュ)城に立地し、関連資料が豊富。
8、釜山博物館(釜山広域市南区)
朝鮮半島と日本をつなぐ交易地・釜山の文化財(国宝2点を含む)などを展示。
9、三炭アートマイン(江原道旌善郡)
炭鉱跡を文化・芸術を楽しめる施設に改装した産業遺跡ミュージアム。
10、春川マックッス体験博物館(江原道春川市)
春川(チュンチョン)名物マックッス(蕎麦冷麺)のテーマ博物館。製造体験も。
11、済州島民俗自然史博物館(済州特別自治道済州市)
韓国本土と異なる済州島(チェジュド)独特の民族文化や自然に触れることができる。
コネスト記事として掲載している博物館を中心にピックアップ形式で紹介してきましたが、知的好奇心をそそる博物館はまだ無数にあります。オススメ博物館を見つけたら、コネストの 総合掲示板コミュニティへクチコミ投稿をお待ちしています!
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