スティックコーヒーとは?
自宅や職場はもちろん、持ち運びが便利なのでピクニックや登山の休憩にも定番の「スティックコーヒー」。
韓国語では「コーヒーミックス(커피믹스・コピミッス)」、「ミックスコーヒー(믹스커피・ミッスコピ)」などと呼ばれていますが、インスタントコーヒーの業界売り上げは年間1兆ウォンを超え、インスタントラーメン業界よりも売上高が高い、という統計も発表されているほど人気です。
近年、カプセル式コーヒーメーカーやエスプレッソマシンの売り上げが伸びていますが、「スティックコーヒー」は便利さ・手軽さ・懐かしさが今もなお、多くの人に支持されています。
韓国土産にピッタリ!

マートのインスタントコーヒーコーナー(例)
その人気は国内にとどまらず、海外からの観光客の支持も高く、
韓国旅行のお土産として友人・会社の同僚へのばらまきギフトにもピッタリです。
値段は、商品ごとに異なりますが、
・20本入り (5,000ウォン前後)
・50本入り (11,000ウォン前後)
・100本入り (20,000ウォン前後)
などが相場。
大型マートやスーパーマーケットには「インスタントコーヒー」専用コーナーがあり、お得にまとめ買いできます。
そこで今回は各企業から発売されている、おすすめの人気ブランドをまとめましたので、韓国土産選びの一つにご参考ください!
東西食品

「東西食品」の人気ラインナップ
「東西食品(동서식품・トンソシップム)」は、インスタントコーヒーの製造・販売がメインの食品企業で、「Maxim(マキシム)」、「Maxwell House(マックスウェルハウス)」、「KANU(カヌ)」がスティックコーヒーの主力商品です。
「Maxim」のミックスコーヒーを筆頭に、韓国のインスタントコーヒー市場において約80%という圧倒的なシェアを占めています。
そんな「東西食品」の商品は、人気俳優が広告モデルを長く務めることでも知られ、韓国滞在中に宿泊先のテレビで、一度はコマーシャルを見たことがある!という方も多いことでしょう。
・「Maximモカゴールド」
イ・ナヨン
2000年から20年以上
・「KANU」
コン・ユ
2011年から10年以上
また、缶コーヒーの「
T.O.P」も「東西食品」の人気商品で、2010年公開の韓国映画「アジョシ」以降、目立った作品活動をしていない
ウォンビンですが、2008年から15年以上「T.O.P」のモデル契約が続いていて、テレビコマーシャルで変わらぬ姿が見られます。
マキシム・モカゴールド
「東西食品」のコーヒーブランド「Maxim(マキシム)」のインスタントコーヒーは、古くから発売されていますが、スティック型コーヒーミックスは「東西食品」が世界で初めて製造・開発した、と伝えられています。
黄色いパッケージで、コーヒー・ミルク・砂糖の粉末がミックスされた甘めの「モカゴールド・マイルド」は発売早々に仕事前の一杯、ランチ後の一杯として定着。
国民的大ヒットを記録し、現在もスティックコーヒーで圧倒的な売り上げ1位を記録しつづけています。
ふとした瞬間に無性に飲みたくなったり、辛い韓国料理を食べた後に飲むと胃やすめに良い、という人も。韓国ドラマや韓国映画のワンシーンにもよく登場する韓国スティックコーヒーの定番商品です。

(左から)マイルド、シンプルラテ、ライト
・「モカゴールド・シンプルラテ(심플라떼)」
砂糖を入れず、アラビカ豆とラテクリームだけの無糖ミックスコーヒー
・「モカゴールド・ライト(라이트)」
糖質が気になる方へ、砂糖を25%カット
・「ホワイトゴールド(화이트골드)」
無脂肪牛乳の粉ミルクを多めに使用したクリーミーな味わい
・「シュプリームゴールド(슈프림골드)」
より深く、まろやかな味わいを追求したプレミアム・ミックスコーヒー
など
KANU(カヌ)

「KANU」の広告モデルも務めるコン・ユ
「東西食品」が「Maxim」とは別に、韓国のインスタント業界で初めてドリップコーヒーの味と香りを再現させようと新開発したブランドが「KANU(カヌ)」です。
販売開始した2011年は、スターバックスコーヒーをはじめとしたコーヒー専門カフェが続々と登場し始めた時期で、消費者たちは本格的なアメリカーノやラテなど、高品質のコーヒーを求め始めていた時代にマッチし、「Maxim」に続く人気商品へと急成長しました。

(左から)
・アメリカーノ(赤) x マイルド・ロースト(白)
・アメリカーノ(赤) x ダーク・ロースト(ゴールド)
・スウィート・アメリカーノ(黄) x マイルド・ロースト(白)
・スウィート・アメリカーノ(黄) x ダーク・ロースト(ゴールド)
「KANU」のメイン商品は、黒いパッケージの「アメリカーノ」ですが、カフェでコーヒーを注文すれば「アメリカーノ」ひとつでも、カフェごとに豆やローストによって味が異なるのと同じように、「KANU」でも好みにあわせて商品が選べるように細分化されました。
「パッケージの色の違い」
赤いパッケージの「アメリカーノ」は、「KANU」を代表するコーヒーで、黄色いパッケージの「スウィート・アメリカーノ」は、ブラウンシュガーを使い、やや甘めの仕上がりに。アメリカーノにシロップを入れて飲みたい方におすすめ。
「文字の色の違い」
また、白色の文字の「マイルド・ロースト」は、コロンビア・グァテマラ・コスタリカのコーヒー豆をブレンドしたミディアムロースト(中煎り)で、バランスがとれ果実の香りや甘いワインの香りが感じられます。
ゴールドの文字の「ダーク・ロースト(深煎り)」は、コロンビア豆のみを使用。酸味がほとんどなく、しっかりとした深みのある風味で、チョコレートやスモーキーな香りが感じられる商品です。
<その他のラインナップ>

「バニララテ」
バニラエキスを入れ、深く柔らかなバニラの味と香りを再現

「ティラミスラテ」
ココア、マスカルボーンチーズから作られた濃厚なティラミス風味
など
<東西食品が運営するカフェ>
梨泰院(イテウォン)の大通り沿いに位置する「Maxim Plant(マキシム・プラント)」は、東西食品・マキシムブランドの旗艦店です。
「コーヒーの木」「工場」「コーヒー文化が根付く空間」の3つをコンセプトにした、地下2階から3階までの5フロア構成の大型カフェで、東西食品が追求するコーヒーと、コーヒーに合うデザートが味わえるほか、マグカップやコーヒー豆などのオリジナル商品も購入できます。
- Maxim PLANT
- 韓国No.1インスタントコーヒー「マキシム」を販売する「東西食品」運営の大型カフェ「マキシムプラント」
- ソウル > 梨泰院・龍山
南陽乳業
「南陽乳業(남양유업・ナミャンユオッ)」は、粉ミルク、牛乳、ヨーグルト、チーズ・バターなどの乳製品を製造している乳製品メーカーです。 「FRENCH CAFE(フレンチカフェ)コーヒーミックス」や「LOOKAS9(ルーカスナイン)」などのコーヒーやコーヒー飲料も製造し、乳製品から得ている信頼と実績、品質の良さが消費者の心をつかみ、 他業種参入ながらインスタントコーヒー市場で約10%のシェアを誇っています。
FRENCH CAFE(フレンチカフェ)コーヒーミックス
前述の「Maxim」より後発商品ですが、乳製品メーカーならではの強みと差別化が図られました。
エスプレッソは、デュアル(ダブル)ボイラーで抽出し、ミルクは新鮮な無脂肪牛乳を使うことで、よりまろやかに。さらに砂糖の量を減らし、消費者の健康へも配慮されました。

2010年代に流通していた女優キム・テヒのパッケージ
「南陽乳業」のコーヒーもテレビ広告が有名で、2010年代に俳優のキム・テヒ、カン・ドンウォンらが長く広告モデルを務めたので、「キム・テヒ・コーヒー」などの愛称でパッケージが記憶に残っている方も多いことでしょう。
<その他のラインナップ>
・カフェミックス・1/2カロリー
・カフェミックス・アラビカ・ゴールドラベル
・カフェミックス・オリジナル
・カフェミックス・スウィートブラック
など
LOOKAS9(ルーカスナイン)

以前、広告モデルを務めた俳優カン・ドンウォンのパッケージ
「ルーカスナイン(루카스나인)」は2016年、インスタントコーヒー業界が飽和状態になり停滞していた時に新たに発売した商品で、パッケージには大きな「L」がデザインされています。
抽出にベストな9気圧のエスプレッソで、酸味とバランスの良さを追求したほか、コーヒーの香りがよく感じられます。
アメリカーノの場合、赤色の「マイルド」、オレンジ色の「ダーク」、黄色の「スウィート」の3種類が発売されています。
<その他のラインナップ>
・ラテ
・ダブルショットラテ
・いちごラテ
・ティラミスラテ
・グリーンティーラテ
など
その他のスティックコーヒー
カフェチェーン店から

「EDIYA COFFEE」からもアメリカーノやラテなどのスティックコーヒーが販売中
日本でも販売している「スターバックスコーヒー」のスティックコーヒーのように、
コーヒーチェーン店のスティックコーヒーもあり、特に「EDIYA COFFEE(イディヤコーヒー)」が様々な商品を発売中。カフェ店内や、大型マート・コンビニエンスストアなどでも購入できます。
Q&A
賞味期限は?保管方法は?

パッケージ・袋に印字された日付が賞味期限
※2023年2月購入商品
スティック型のコーヒーの
賞味期限はブランド・商品ごとに多少異なりますが、おおよそ1~2年に設定されています。
パッケージとスティックの袋それぞれに賞味期限を表す「流通期限」または「消費期限」(※)の日付が刻印されているので、刻印された日付までに飲みましょう。
保存は、直射日光や高温の場所を避け、涼しい場所に保管すればOKです。
※2023年から「流通期限(유통기한・ユトンキハン)」の名称が「消費期限(소비기한・ソビキハン)」へ変更されました。2023年の1年間は移行期間として、2つの表記が混在し、2024年から「消費期限」に一本化されます。
味が薄い?お湯の適量は?

KANUはパッケージ側面に英語で記載
商品ごとにコーヒーの量が異なりますので、パッケージなどに書かれたお湯の量を目安にして一度飲んでみて、味が濃い・薄いと感じる方は、お湯の量を好みにあわせて調整するとよいでしょう。
<お湯の量の目安>
・「Maxim モカゴールドマイルド」
90~100ml
・「KANU アメリカーノ」
200ml
・「KANU アメリカーノMini」
100~120ml
成分は?飲み過ぎは体に悪い?

成分表示はパッケージには韓国語で記載
各商品の
成分表示は、パッケージに韓国語で書かれています。1袋あたりのカロリー、その他の含有成分のグラム数、そして成人が1日に必要とする栄養素を100%とした場合の含有量がカッコ内にパーセンテージで表示されています。
「マキシム・モカゴールド・マイルド」
※2023年の商品の場合、1袋(12g)あたり
・カロリー 50kcal
・ナトリウム 6㎎ (0%)
・炭水化物 9g (3%)
・糖質 6g (6%)
・脂質 1.6g (3%)
・トランス脂肪酸 0g (0%)
・飽和脂肪酸 1.6g (11%)
・コレステロール 0㎎ (0%)
・タンパク質 0g (0%)
・ポリフェノール 80g
となっています。
ダイエットや筋トレ、生活習慣病などで栄養成分が気になる方は、成分表示を確認しましょう。
ちなみに、世界保健機構(WHO)によると、大人1日あたりの砂糖の摂取量は「25グラム」までが目安とされています。糖質「6グラム」が入ったミックスコーヒーを1日に何杯も飲む生活を繰り返すと、太るのは避けられません。健康の維持や生活習慣病の予防に気を配りましょう。
甘さ控えめにするには?
コーヒーミックスは飲みたいけれど、甘さ控えめにしたい!カロリーが気になる!という方には、糖質などが抑えられた「Maximモカゴールド・マイルド・ライト」や「FRENCH CAFE カフェミックス・1/2カロリー」といった低カロリー商品がおすすめ。

中身は左から「コーヒー」、「粉末ミルク」、「砂糖」という構成
なお、「Maximモカゴールド・マイルド」の袋をカットしてみると、コーヒー、粉末ミルク、砂糖の3種類は袋の中で混ざっているのではなく、中身はこのように袋の中で3分割されています。

「砂糖調整部分(설탕조절부분)」と書かれた韓国語

この部分を抑えて注ぐと、コーヒーと粉末ミルクだけが入る仕組み
そこで、砂糖の部分だけを調整できるよう、韓国語で「砂糖調整部分(설탕조절부분・ソルタンチョジョルブブン)」と記載されている箇所をつまみながらコップに入れると、砂糖だけを外してコーヒーとミルクの粉末だけが混ざる仕組みになっています。まだ知らない人も多いので、友人にプレゼントする際に、教えてあげると「すご~い!」と喜ばれるかもしれませんよ。
かき混ぜるマドラーがない!

二つ折りにすれば混ぜられる
持ち歩きが便利なのでピクニックや登山といった場面でも愛用されているスティック型のコーヒー。
コップは持ってきたけれども、スプーンやマドラーを忘れてしまった!とう場合は、袋を縦に二つ折りにするとマドラーに変身。韓国のアウトドアでよく見かけられるワンシーンです。
カフェインレス商品は?

MaximとKANUのカフェインレス商品(例)
カフェインを摂取できない・したくない、という消費者向けに、各ブランドともカフェインレス(デ・カフェイン)商品があります。
緑色のパッケージ商品が多く、パッケージには韓国語で「디카페(ディカペ)」、または英語で「DECAFE(デ・カフェ/ディ・カフェ)」と書かれてある商品をチェックしてみましょう。
アイス商品は?

KANUアイスラテ(例)
「一年中いつでも冷たいアイス・アメリカーノ派!」という消費者向けに、冷たい水を注いでも美味しく味わえるアイス専用商品も用意されています。
韓国語で「아이스(ICE)」と書かれ、青などさわやかな色合いのパッケージになっている商品を探してみましょう。
どの商品が自分の好みに合うか探すまでに試行錯誤する瞬間もありますが、色々な商品を飲み比べしてみるのも旅行後のお楽しみの一つ。次回の韓国旅行のお土産にスティックコーヒーはいかがですか?