光化門駅と鐘閣駅の間にある「ルメイエル鍾路タウン」というビルの地下に、気になる店があります。
「서울에서 첫번째 전통찻집(=ソウルで一番目の伝統茶家)」という店名と添付写真、店の外にも漂う漢方臭から、伝統茶を出す店だと推測されます。入口横にはブルーベリーの写真もありますが、韓国の茶店では、日本的発想だと「ジュース」にしか見えないものも「○○茶」といって出てきたりするので、まあこれは想定内です。
近くの店での昼食後に、一人で入ってみました。平日の午後2時近い時間で、客は私ひとりです。
韓国語のみのメニュー+効能書きに「こ、これは」と動揺しましたが、お通し(といっても無料ですが)を運んできた初老の女性店員に「し、シプジョンテボチャ(たぶん十全大補茶。6000ウォン)」と告げました。
じつは、過去に「十全大補茶」を飲んだ経験がありません(漢字の名前だけは他店で見た事あり)。どういうお茶でしょうか。五味子茶、ギンナンに生の栗という渋好みな「お通し」を飲食しつつ、待つこと約5分。「十全大補茶(たぶん)」が出てきました。ナツメ茶やサンファ茶と似た雰囲気ですが、より複雑な味です。高麗人参、シナモン、ナツメ、たぶん甘草・・・くらいまでは分かりますが、あとの成分は何でしょうか。とりあえず、夏バテに効きそうな雰囲気です。
ところで、何も考えず熱い茶を飲んでいたのですが、ふと壁を見ると「冷十全大補茶、冷ナツメ茶、冷生姜茶」と貼り紙がありました。注文前に気付いたら「冷」を頼んだのですが
「いやいや、夏でも体を冷やしてはいけないのだ」とムリに自分を納得させつつ完飲。
食後には冷ためのお茶が出てきました。これまた複雑な風味です。何のお茶かと訊くと「決明子と麦茶を合わせたものです」とのこと。6000ウォンでお茶を3回+お通し付きとは、たいへんお得な店です。
数日後、午後1時近くに再び通ってみると、サラリーマン風の中年男性客でちょっと賑わっていました。お茶は8種類ほどある(メニューにないお茶も何かありそうな気が)ようなので、また食後のお茶に立ち寄ってみたいものです