景福宮駅6番出口の裏手には、公務員風の中年客で混み合う食堂が多数あります。本館も、数メートル先の別館も昼どきには満員の刺身店、「江口(カング)ミジュグリ」もその一つです。
「江口」という地名と、ムシガレイを意味するらしき方言「ミジュグリ」から、慶尚道出身者の店と推測されますが(訊いてみると、社長の義兄の出身地が江口方面とのこと)、気になるのは、店のガラス壁に書かれた「곰치탕」という料理名です。「コムチ」というと、ウツボでしょうか?
金曜の昼に知人(韓国人)と訪問。さっそく「コムチタン」を注文したところ、一言「ありません。」
メニューにデカデカと写真&能書きまで掲載されているのですが
食べずに出るのも何ですし、人気店のようなので激マズとかではないだろう・・・と思い、「刺身丼(8000W)」と「ムルフェ(水膾)定食(12000W)」を注文。
刺身丼と具材は殆ど変わらないのに、なぜムルフェは4000ウォンも高いのか?という疑問はさておき、2品ともまあ美味でした。
が、特筆すべきは「釜飯」です。石鍋に木のフタの「トルソッパッ」ではなく、卓上のガス火の上に「炊飯器の内釜のようなもの」が置かれているのです。フタを開けると、釜一杯に粟粒入りのご飯が
4人分ぐらいの量です。2人で完食できるのでしょうか(結局ぜんぶ食べましたが)。というか、1人で入店したらどうなるのでしょう(まあ、その際には普通のご飯容器で1人分出すとは思いますが)。さらに、食事を半分ほど食べたところで、卓上の釜とは別の釜に入った「ヌルンジ」が運ばれてきました。
最近、同じく景福宮駅近くの済州料理店で、店の入口に堂々と記載されていた「アカアマダイ」と「トコブシ」を「ありません」でスルーされた経験から立ち直っていなかった私は、「ウツボ料理は実在するのですか」と訊く元気もなく店を出たのでした。でも、刺身とムルフェ自体は美味でしたので、ムルフェ好きな方にはオススメです。