地下鉄「鍾路3街駅」5番出口を出て「楽園商街」に入るすぐ手前の、左側にある路地には、古い小さな食堂が数軒並んでいます。
その中でも、「カンウォンドチッ」と矢印看板の出た店が特に繁盛している様子です。が、客層は地元民らしき中高年(9割が男性)で「おひとり様外国人」には敷居の高い雰囲気です。
長らく入れずにいたのですが、7月上旬の昼どきに混み合った店内のメニューを覗いてみました。壁のメニューには「スンデクッパ 4000」の文字が。や、安い
思わず二度見
していたところ、客だと思われたようで(まあ、店に一歩踏み込んでいたので当然ですが)、エプロン姿の女性店員に「いらっしゃいませ」と声をかけられました。「いま1人でも入れますか」と訊くと「どうぞ」とのこと。
着席して即「スンデクッパ 4000」を注文。←スープとご飯別々だと5000ウォンのようです。
まず、生タマネギ、マイルドな味のキムチ、アミ塩辛、さらに「ピョニュッ」と呼ばれる冷製の肉煮こごりが出てきました。
付け合わせの約2分後に登場のスンデクッパは、大量の内臓や軟骨が沈む、ディープな一品でした。スープに入った赤い薬味「タデギ」を7割ほど除去して食べてみました。スンデはモチモチの春雨系で、さほど存在感は強くありません。「内臓を味わう」タイプのようです。
食べ終えて、さて支払いをと思ったのですが、店内にはレジらしき場所がありません。女性店員が「あちらです」と指差したのは、店の前に座っている初老女性です。どうやら、カード払いは想定されておらず、この人に現金を渡すシステムのようです。
レジのない店内には電話も見当たらず、店の看板にも電話番号の記載がありません。会計の女性と、その横で豚の頭肉
を切っている男性に「この店、電話はありますか」と訊ねてみたら「ないです」と即答。まあ、店の人が携帯電話など持っていれば、さほど困ることはないのかもしれませんが・・・。
電話はさておき、味もそれなりに良く、店員はいずれも接客良好で、付け合わせも豪華・・・と、非常にコストパフォーマンスの高い店です。
また、古びてはいますが「不衛生」「悪臭がする」といったことはありません。日本語や英語が通じないとか、パイプ椅子の壊れた部分をテープで補修してあるとか、クッパの器がなぜかプラスチック製であるとかいった環境を気にせず食事ができる人には非常にオススメです。
ただ、満席状態が続く昼の12時~13時頃は外した方が良いかも(とくに、一人訪問の場合)ですが・・・。