アラフォー年代になり、「発酵食品」「発酵化粧品」などの発酵ものが気になるようになったこの頃。
最近訪ねてみたのは、発酵茶が有名だという、仁寺洞サムジキル近くの「심우방(シムバン)」です。看板を見る限り、漢字表記は「尋牛房」のようです。
1階に陶磁器ギャラリーのある建物の階段を上がってみると、2階にそれらしき店がありました。入口にちょっと荷物など置かれていますが、気配的には営業中のようです。
平日のランチタイムということもあり(食事メニューはない『茶専門店』と思われます)、客は私ひとりです。
普段着風の韓服を着た高齢女性店主が、メニューを持ってきてくれました。ほとんどのお茶が6000~7000・・・ややっ、ふと気が付いたのですが、価格まで数字ではなくハングル表記です。
注文しようとした「白蓮茶」は品切れ中の様子。人気メニュー「やまぶと茶(6000ウォン)」を勧められました。
やまぶと?メニューに머루차(モルチャ)とあるので、たぶん山葡萄かと思いつつ、これを注文。
お茶うけに出てきたシナモン味のお茶(お茶うけにお茶??)を飲みつつ待つ間、オープンキッチン式(というか、丸見えというか)の厨房では、店主が何か作業中です。
最後に冷凍庫からガラガラと氷を出していたので、「知り合いの家で飲み物を出してくれるようなアットホームさだな
」と思ったのですが・・・、
出てきたお茶は「おおっ?」と驚くほどステキでした。
深い紫色の冷たいモルチャには、松の実数個と、花の入った丸い氷が浮かんでいます。ほどよいサイズの器も、さりげなく良い感じです。
お茶自体は、あっさりした甘さと果実感があって美味です。「おいしいです
」と言おうと思ったら、おばあさんはテレビを見ていたので「・・・後で言おう」とお茶に専念しました。
BGMには、仏教の声明(しょうみょう)っぽい現代音楽がかかっています。そして、店内には店主の孫らしき剃髪僧衣の得度姿の幼児くんの写真が。さすが寺の街・仁寺洞です。
そのBGMの中、店主が普通にテレビ(音声あり)を見ていても特に気にならないのも不思議な雰囲気です。
店主は韓国式タド(茶道)に造詣の深い人らしく、店の奥には売り物と思われる茶葉や茶器セットがありました。価格表示がないのでコワくて手を出せませんでしたが、なかなか渋い品揃えです。
万人受けのするステキさではないのですが、天井の蛍光灯カバーが昼寝枕「竹夫人」だったりと、独特なインテリアも楽しめるお店です。オシャレな伝統茶カフェは既にひと通り訪問した・・・といった方にオススメです