弘大入口駅そばの「オリーブヤング」のあるビルの入口に、いつも気になる看板があります。
「体に良い 健康な食事」という主旨の説明の下に、健康的な感じの定食が描かれているのです。
店名は「カフェ スロビ」とあります。スロビ(Slobbie)は確か、Slower but better working people(ゆっくりだが、より良く働く人々)のことです。一見ユルい感じながら、韓国の国民性「パルリパルリ(速く速く)」と真っ向から対決する、恐るべき名前です
エレベーターでビルの5階に上がってみました。
環境問題、有機農業、NGO活動などに関心のある人が集まりそうな雰囲気です。現に、先客である中年女性グループ2組の服装は何だか「アースカラー」で、店内には「農業体験」や「○○ワークショップ」の案内が出ており、メニューには米(玄米)、大豆や穀物、野菜、餅米コチュジャン等の食材の産地が詳細に記載されています。そして、店内の「エコショップ」には、東南アジアやアフリカの女性(たぶん)が作った小物などが売られていました。←ちなみに、店員嬢も店員くんも、韓国人でも中国人でもなさそうな外国人でした。
人気メニューらしき「クッテクッテ パッサン(8000ウォン)」を注文。「食って食って」ではなく、「그때그때 밥상」(その時その時のお膳=日替わり定食)でしょう。この定食、午後5時半~9時の夕食時にも注文可能のようですが、ランチタイムにはコーヒーまたはクッテクッテ茶が付くとのこと。
こういう店では、高価で少量の「謎の無国籍エスニック料理(しかも、味はビミョー)」が出てくるのでは・・・と危惧したのですが、出てきた定食は、まぎれもなく「韓国の家庭料理」で、しかも美味でした。
良心的な材料と、手をかけた調理で、食べる人の健康を考えて作られた感じです。揚げ豆腐やタマネギ入りの水キムチ、野菜炒め、カルビチムなど、いずれも玄米ご飯と共に、ゆっくり噛んで味わいたくなる風味でした。
なお、韓国の食堂で野菜サラダのドレッシングを美味と感じた事は殆どないのですが、この店のものは(おそらく手製)程良い酸味があって美味でした。
メニューの説明には「スローライフ」という単語も見られました。韓国人以上に短気で、すぐに「いつまで待たせるんだ!」とブチ切れたりする私ですが、こういう料理を日常的に食べていると、温厚な人になれるかも・・・という気がしました
マッコリメニューを見ると、虎マッコリ、ヌリンマウル、白蓮、韓山苧織(ハンサンモシ)や福順都家ソンマッコリなど、高額ながらもコダワりの品揃えです。ディナータイム限定のようなので頼んでいませんが、夕食どきに行く機会があれば、他所であまり見ない忠清南道・舒川の「韓山苧織」を頼んでみたいものです