大田広域市では、他の地方都市と同様「明洞カルグッス」「鍾路トッチッ」など、
ソウル中心部の地名がついた飲食店をよく見かけます。

が、市内中心部の屯山洞（ドゥンサンドン）で最近見かけた
「新沙洞　永東ソルロンタン」には、私も知人夫妻（生まれも育ちもテジョンの
韓国人）も「･･･おや？」と立ち止まってしまいました。

ソウル、明洞、 鍾路、仁寺洞など、誰もが知る超メジャー系な名前ではなく、
イケてるファッション街である「新沙洞」がテジョンの飲食店の店名になっている
のは非常に不思議な感じです。
というか、ソウル・新沙洞（正確には蚕院洞？）の同名のソルロンタン屋を
コネストの紹介記事で見た気が･･･。
http://www.konest.com/data/gourmet_mise_detail.html?no=3851

結局、3人で数日後（11月上旬）の夕方に再訪してみました。
それなりに客が入っています。しかも「予約席」まで準備されています（スープ類
ではなく、肉料理「スユッ」を食べつつ酒類を楽しむ団体と思われますが）。
わりと新しい店（昨年9月？にオープンとのこと）ですが、繁盛している様子です。

トガニタンもコリコムタンもなく、スープものはソルロンタン（普7000／特10000）
のみという潔いメニューです。「普通」を注文してみました。

大根キムチは少々の甘みがありながらサクサクした歯応え、白菜キムチは
過度に辛くなくて優しい味わいで、これならソルロンタンもそれなりに期待
できそうです。

さて、ソルロンタンが出てきました。
真っ白ではなく、半透明という感じのスープで、脂っこくないのに濃厚な味です。
ごく控えめに素麺が入っています。

ここでヤカンを手にとってコップに注ごうとする知人を、私は
「お茶じゃなくてキムチの汁が入ってるらしいよ」
と止めました。
知人が「えっ」とフタを取ると、そこには赤い汁が。
知人夫は「ああ、キムチの水分補給用か」と、大根キムチの壷に汁を注ごうと
します。

「日本の韓国情報サイトによると、ソウル・新沙洞では、この汁をソルロンタンに
入れて酸味を楽しむらしい」という私に、
「テジョンでは見たことがない風習だけど･･･。もしかして私たちダサい？」
と知人夫妻はショックを受けていました。いや、テジョンにも私たちが知らない
だけでそういう店は存在するのかもしれませんが。
「それと、新沙洞のソルロンタンは9000ウォンだって」
「大都会ソウルは大変だな」と話しつつ「新沙洞の味（かどうかは不明）」を
味わったのでした。

あ、店主はソウルの「永東ソルロンタン」での修行歴があるとのことです。
私自身はソウルのお店に行ったことがないのですが、経験された方、
テジョンの「市庁」駅付近でソルロンタンが食べたくなった時には試してみて下さいね。