秋夕（チュソク）前日の9月11日に外食をしようとしたところ、韓定食店もカルグッス屋も休み。そこで思い出したのは、「テジョンの店としては高額な冷麺を出すのに、客が絶えない『老舗』」の噂です。
電話してみると、営業中のようです。老舗なのに秋夕期間も仕事とは、勤勉なことです。
ひんやりした小雨の日でしたが「まあ、温かい料理もあるだろう（根拠ゼロ）」と初訪問しました。

店は市街地から少し離れた所にある、4階建てのビルでした。松の木や「スッコルウォンネンミョン」という金色の字に、何だか威厳が感じられます。

店内には3、4組の客がいました。座敷席で鶏ペッスッを食べる家族の背後には
「スッコル元冷麺は純そば粉麺につき、ハサミは使用しません」との注意書きが。
そして、壁には30年以上前の情報番組紹介写真が（ちなみに、わりと最近のもありました）。
さらに、キムチと大根の載った皿には「四代伝統の味　スッコルウォンネンミョン」という文字が。
非常に恐ろしい「こだわりの店」に来てしまったのでは・・・と一抹の不安を感じますが、店員の対応は普通でした。ハサミの注意書きは、店主のこだわりというより、客の「お～い、ハサミ」という催促をいちいち断るのが面倒で出したのかもしれません。麺の硬さ的には、ハサミを頼む客がそう沢山いるとは思えませんが。

秋夕期間中のためか、ワンマンドゥは「品切れ」とのこと、ムル冷麺（6500ウォン）と温麺（7000ウォン）を頼んでみました。

・・・出てきた二つの麺は、どう見ても全く同じ外観です（もちろん、片方が温かくて片方が冷たいのですが）。
が、冷麺の方がスープの酸味が強く、麺のコシが強いという違いがありました。
温麺の方は、日本のソバのような食感です（ただし、スープは酸味のある鶏味です）。すごく熱いというわけではなく、あくまでも「温かい」麺です。
ということで、見かけと具は同じですが、別物として味わうことができました。

具は少なめの鶏肉に錦糸卵、大根（皿に載って出てきたものと同じと思われる）とキュウリと、豪華ではありませんが、素朴な味わいの麺と調和がとれた感じです。

次回は、品切れだったワンマンドゥと、近くの席で家族連れがおいしそうに食べていたペッスッも試してみたいものだと思いました。