도토리묵(トトリムク)、ドングリ寒天、ドングリこんにゃくと訳されるちょっぴり地味な(失礼)食べ物がありますね。市場にも 並んでいます。
ドングリがよく取れる韓国山間部 発祥の料理です。
かつて 飢饉、食料不足の救荒食物として普及しました。その後 貧困の象徴などと 言われた時代を経て、近年、その健康効果(デトックス効果、疲労回復、骨を丈夫に、脂肪吸収の抑制 、等)がクローズアップされ、健康食品として 定着しています。
一年を通して 食べられている物ですが、夏場になると、 街の食堂でも、「トトリムクご飯」なるメニューをよく目にします。

優しい笑顔のご夫妻が迎えて下さいました。掃除のいきとどいた綺麗なお店です。
冷製トトリムクご飯をお願いしました。
トトリムクのスープ(묵사발)と別盛りのご飯(밥)の構成です。
スープにご飯を入れて食べるようです。ご飯を入れる前に、スープだけ頂いてみました。
よく冷えた出汁にトトリムクが入っています。トトリムク自体には 強い味はありません、実に淡白なものです。スープが大変 味わい深い。ほんのり ごま油の風味がします。
水(出汁)と油？と、思われるかも知れませんが、分離する、ギトギトするなどなく、どのような技なのか、大変マッチしています。
半ば、ご飯を投入。
いいですねぇ〜、これは。
「サラサラの出汁茶漬け」
暑くて食欲のない時にも これは 救世主ですね。

ずっしり重い真鍮(노란쇠)の器、箸、匙に 私は強く惹きつけられました。
大切に 手入れされて輝いています。お店の歴史を感じると共に 、これを見ただけで、お店の姿勢を感じとれます。きっと、厨房も整然と清潔に保たれていると 察しました。

流行を追った華やかなメニューではありませんが、実に韓国っぽい食べ物との出会い、そして、お店のいたるところに溢れる誠実さ、忘れられない味、優しいお店に出会え 有意義な時間でした。

ありがとうございます。

2019年7月9日 訪問。