海雲台の一等地に24時間営業の中華料理店があります。いつもは別の店へ行っていたのですが、ちょっとのぞいてみました。

　感じの良い青年が接客してくれました。「一人ですが…」と言うと、発音が悪いので外国人だとわかったらしく、流ちょうな英語で、「英語のメニューをお持ちしましょうか」と聞いてくれました。こちらも英語で「メニューなら韓国語でも中国語でもわかります」と答えました。

　結局、韓国語に英語と中国語併記、一部分、写真と日本語ありのメニューを出してくれました。

　注文したのはカンチャジャン（干炸醤麺）、ムルマンドゥ（水餃子）と中国酒です。カンチャジャン（간짜장）は、とろみ抜きジャージャー麺です。

　カンチャジャンは、上質な韓国式正統中華料理の味でした。しかし、他店とちょっと違うような気がしました。大陸のやや高級な店の炸醤麺に似た味が感じられました。ムルマンドゥも同様でした。
　厨房に中国出身の厨師がいるのかもわかりません。

　さっきの青年ですが、中国人客には中国語で、韓国人客には韓国語で対応していました。どちらもネイティブ・レベルのきれいな発音でした。
　そして確信しました。この青年は中国籍の韓民族、たぶん中国・延辺朝鮮族自治州の出身だろうと。
　中国語と韓国語が共存する環境に生まれ、国の言葉と民族の言葉の両方で教育を受け、外国語も学習します。

　他の席での会話に聞き耳を立てる当方の様子から、こちらの考えていることを理解してくれたのでしょう。青年は、ときどき当方に笑顔を送ってくれました。

　会計の時、今度は韓国語で聞いてくれました。「中国語も韓国語もわかるんですか」

　中国語で聞いてみました。「你是中国人吗？」　すると、満面に笑みを浮かべて答えてくれました。「我是中国人。」　ズバリだったようです。

　ここのカンチャジャン、お勧めです。