忠正路駅のすぐ近くに築100年を超える洋館がある。屋根の尖塔、四角い煙突、蔦がからまる煉瓦の壁などが当時の面影をしのばせる。
塀に「イタリアンレストラン/オルタナティブスペース・忠正閣」と貼り出されている。たまにはイタリアンとしゃれ込んでみるかと11月30日、忠正閣に行ってきた。

古めかしい外観とは異なり、店内はリモデリングされていて明るい。
メニューを見ると、コース料理のほかパスタやピザ、リゾットなどがある。厳寒の冬を元気に乗り切るため、栄養をつけておこうと久しぶりにステーキを食べてみた。肉は柔らかくてうまかったし、ボリュームたっぷりのサーモン入りサラダはヘルシーそのものだ。
店員は皆感じがよく、店内の雰囲気もいい。仕事の打ち合わせや親しい人たちとの会食の場によさそうだ。

食後に中を案内してもらうと、建物には次のような経緯があった。
忠正閣は、20世紀初頭カナダ人建築家によって設計され、最初の所有者はアメリカ人技師だった。その後、日本人の手に渡って増築され、戦後は韓国人が所有。2007年に忠正閣という名でレストラン兼ギャラリーの複合文化空間となった。

白い窓枠に木製の階段、高い天井、洗練されたインテリアと絵画など、過去と現在がうまく調和している。
その窓辺に暖かな日が射し込む昼下がり、ちょっと気取ってコーヒーでも飲んでいると、さながら映画のワンシーンのようでかっこいい。